軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第60話 部活

大型の魔石が大量に手に入ったというのに魔石量が半分だったので損した気分にはなったが⋯半分とは言えそれなりの数が手に入ったのでヨシという事にするしかなかった。

突発で行って売って配ってきたのだから仕方ない。

事前調査をしなかったつけが色々とでてしまった。

ただ、あそこは取引としてはかなり真っ当に取引が出来たのでしばらくは利用させてもらおうと思う。

時間が立つと聖国に目をつけられるといけないので撤退タイミングの見極めは大事だが⋯まぁ情報社会という訳では無いので後数週間は大丈夫だと思われる。

夜になり体調が戻ったメイを転移陣で送った後にアヤネがやってきた。

ちなみに転移時に裸になるのですでに転移陣の横にはタンスがセットされている。

「兄さんがいない部活つまんないよ⋯」

「土日は出ないって約束だろ」

貴重な土日を拘束されてたまるか。

「でも、今度の大会に合わせて調整はしてもらわないと⋯」

「最初の大会だしな⋯」

俺個人は、高校記録よりちょい遅い位のタイムを持っているのだが、公式戦の出場記録はないので世間的には非公式記録である。

アヤネは公式戦の出場記録があるのだが、基本的には同じレースで走った人より少し速いペースでしか調整が出来ないのでタイムがとんでもないばらつきがある。

本気で走ったら衝撃波を出すような人間なので加減しているのだが、中学時代は特に力を入れている学校というわけでもないので、なあなあにしていたのだが⋯さすがに特待で入った以上はそれなりの 成績(タイム) を安定して出しておきたい。

「下手に手を抜いてるって思われても面倒だし⋯」

それが一番の問題だったりもする。

下手に角を立てるのも良くないので、しっかり安定してタイムを出して欲しいのだが⋯。

「一歩で一気にゴール手前まで言ってタイム見てゴールするなら余裕なのに⋯」

「それやった横で人吹っ飛んでるからな」

まぁどこかで平日で練習しよう。

土日は断固拒否だ。

「まぁ鬱憤はこっちで晴らすよ」

と言ってもう暗いというのに魔物を狩りに行ってしまった。

「夜は夜で違う魔物が出るから」

と言っていたのだが⋯。

数時間して戻った時には、大きなコウモリ、トラ、フクロウを狩ってきていた。

「夜行性の奴は光魔法で一発だから⋯明日朝もう一回言ってくる」

あちらの世界で全力が出せない鬱憤が溜まっているようでまだ物足りないようだ。

「そういえばこっちの世界で魔物倒したら魔物因子って吸収されるのか?」

「ああ、それは無理みたい。そもそも吸収する器官がないからだと思う」

との事だった。

なるほど、吸収するにはそういう器官が必要な訳か。

アヤネは前世の能力を引き継いでいるから魔物因子を取り込まなくても強い訳だが、俺にはその吸収する器官そのものが存在しないので魔物を倒しても強くならないと⋯。

アヤネは、汗をかいたからと言ってそのまま風呂へと直行した。

手応えがなかったとは言えあちらと比べれば運動にはなったようだ。

「まぁそんな器官聞いたことないし案外、アヤネの身体をちゃんと調べたらその器官があるんかな?」

「なんか怖いこと考えてる?」

エルナから質問が飛ぶ。

「別に解剖しようって訳じゃないですよ?あっちなら生きてる状態でも調べられるので」

「その次は私って言われるかと思った⋯」

研究対象としてはアヤネよりもエルナの方が興味深いのは間違いない。

なんといっても長命種⋯興味がないと言えば嘘になる。

「それを言うならメイさんの方が興味あるな~」

とふざけながら言うと⋯。

「ひぃっ、冗談っすよ?」

エルナさんの目がとても鋭くなった。

怖い怖い⋯えぇ⋯冗談だったのに⋯。

「ああ、ごめんなさい。つい」

ついでして良い目ではなかったと思うのだが⋯まぁ深入りはしないで置こう。

「魔力の件は抜きにしてあっちの暮らしはどうです?不便とか」

「こっちと比べたら天国よ⋯それに学問なんか学びたい事が多すぎて、それが困ってるわ」

実際、大学などに通って貰えればいいのかもしれないが⋯。

それについては戸籍等の問題が片付いたらだな。

アニメや漫画ではみんな気楽に通っているのだがどうやっているのだろうか⋯。

「メイは娯楽にハマってたわね⋯カードゲーム?に興味を持ってたみたい」

「またニッチな所に興味を持ちましたね⋯」

前世の流行ったカードゲームと比べるとかなり一般的になったようだが、それなりにマイナーな趣味だと思っている。

「まぁ色々なものに興味を持つのは良いことですよ」

「ただ、ほら私達お金を稼いでる訳では無いから⋯なかなかね」

食費なども含めエルナ達は俺が養っているといっても過言ではない。

エルナに限っていえば命の恩人、メイに関しても協力者なので別になんとも思っていないのだが⋯。

「さすがにただの居候が色々と要求するのは気が引けるのよ」

専門的な知識を得ようとしたり娯楽を楽しもうと思うとどうしてもお金が必要になってくる。

不便はないけどそこが気になっているようだ。

「私達でも稼げる仕事ってないかしら」

「こっちで金貨手に入れるだけで充分向こうではお金になりますよ?」

こちらの金貨をあっちに送るだけで相当な利益が出る。

確かに商品の仕入れは俺に依存しているが正直些細な金額過ぎて気に留める額でもない。

「社会経験という面でも働きたいのよ、向こうの世界では働くのが一般的なんでしょう?」

「なるほど⋯就職先⋯うーん、ちょっと考えておきます」

一生面倒をみるつもりではいるのだが、本当に一生面倒が見れる訳では無い。

例えば俺が死んだ後は魔石の輸送が不可能になるのであちらの世界にずっといるか、もしくはこっちの世界に戻るかしなければいけない。

もちろんその前にこっちの世界の掃除は完了させるつもりだが⋯そう考えるとエルナ達の不調の解消と自立を促すのは良いことなのかもしれない。

まぁでも何かするにしても戸籍だな⋯今のままじゃ不正入国者と変わらない。

翌日もそれなりの数の魔石を確保した後で日本に戻った。

かなり暴れられてアヤネもすっきりしたようだ。