作品タイトル不明
第51話 内見
親友達と分かれてから電車に乗って合流する。
一応尾行等を警戒して誤魔化してみたが問題はなかったようだ。
「そっちは終わったの?」
合流してからアヤネが尋ねてくる。
「ああ、まぁ無事に終わったよ。あっメイさん聞きたい事があるんですけど」
「どうしたの?」
「若返りの薬って病気の身体に使ったらどうなるんです?」
「ああ、ええっと治療してから使用すれば良いのでは?」
なるほど、そういう認識になる訳か…。
ただ向こうの治癒魔法はちょっと怪しいんだよなぁ。
「帰ったら病気の内容も含めて説明します」
「わ、わかりました?」
と不思議な会話で終了してしまった。
とりあえず予定にあった物件の内見に向かう。
「もうここでよくない?」
「まだ1件目だぞ…」
「だってここ凄いよ、もうなんか凄いよ!」
まぁはしゃぐアヤネの気持ちはわかる。
俺も実際テンションが上がっている。
最新式のシステムキッチンに加えて広々リビング。
部屋数も4つあるので一応足りてはいる。
まぁ残念ながらエルナとメイには2人で同じ部屋を使ってもらう事になるが俺とアヤネは部屋が別にすることが出来る。
さすがに年頃の男女が同じ部屋というのはまずい。
「賃貸で40万…」
「まぁ中古だしね、家具とか残ってて助かるけど」
前のオーナーは海外に移住してしまったらしい。
「毎月40万…?私の給料がまるっと…えっ…」
母は家賃で現実逃避しているようだが、ここは一番安い物件なのでここで困惑するのは早い…。
充分な物件だったがリビングが広い代わりに各部屋が狭いので、とりあえず保留にして次の物件に。
「高くない…?」
「まぁ高層階だしな」
「いや、家賃…」
と母は何やら心配しているようだが、実は先程のよりも安かったりする。
見た目は綺麗なのだが、実は少し築年数が経っている。
そろそろ補修時期らしく前のオーナーは貸し出して他の物件に引っ越したそうだ。
一応購入も出来るそうだが、購入を考えるのはもう少し様子を見てからなので今回はすべて賃貸である。
「高すぎて買い物不便じゃないかしら…」
祖母が心配している。
「ここは1階がスーパーだから逆にエレベーター降りたらすぐ店舗だから買い物はしやすいと思うよ」
「へぇ、そうなの」
と感心してる様子だった。
マンションとは入口が違うので気付いていなかったようだが、1階がスーパーになっているので買い物に関しては特に問題ない。
本来は出勤や登校時間にエレベーターが混雑する等の問題があるそうだが…。
そこは、俺達にはあまり関係ない。
さてどうするか、ここは平均的に広いので悪くはないのだが…。
「引っ越しの場合はリノベーションは可能なんでしたっけ?」
担当者に伺う。
「はい、というよりはそれありきのご契約をして頂くことになるかと…」
「そうですよね」
リノベーションするのは問題ないのだが、日数がかかる。
内見して確認するつもりだったのだがやはりそれなりに痛みもあるのでリノベーションの費用よりも日数が問題になりそうだ。
「ここは無しかな、次お願いします」
と言って次の物件へと移動することになった。
そして3件目、ここは中々珍しい作りの4LDK。
コンシェルジェはついているがそこまで高層という訳ではなくファミリー向け物件となっている。
「めちゃくちゃ広い!!」
とアヤネもはしゃいでいる。
リビングも1件目よりも広い上に個室も広い1部屋と残り3部屋は、ロフト付きだったりする。
「これなら2人でも問題なさそう」
「いや、部屋数は足りてるから俺とアヤネは別部屋だぞ」
「えぇ…」
いやいや何残念そうな顔してんだ。
「家賃70万!?」
という訳で超高級賃貸である。
近隣相場の中でも飛び抜けて高かった事もあり母が驚いていた。
「この広さですと…」
と担当者も恐縮している。
ちなみにここは新築マンションで担当者に聞いた所、入る予定だった家族が急遽キャンセルとなってしまったそうで空き部屋となっていた。
「非常に問い合わせの多い物件でして…」
あながち間違ってはいないのだろうが、恐らく一つ問題があるのでなかなか決まらないのだろう。
「家賃は知っていますが、入る前に費用負担があるんですよね?」
「はい、前の借主様が特別に設置させた設備の代金負担があります」
普通は、そんなものはないはずなのだがここを借りようとしていた人はどうやらここの会社の関係者だったそうで…。
まぁ不正が見つかって逮捕されてしまったそうなので…まぁそういう人間だったのかもしれない。
「大変心苦しいのですが、敷金等とは別に施工費用として500万の費用負担があります」
担当者の話を鵜呑みにするのであれば、本来は1000万だったらしいのだが…。
まぁ話半分程度に信じておこう。
「どこにそんなお金を…」
「ああ、このロフトとキッチン、そして風呂場を見てくると良いよ」
そう言うと母を含め全員が風呂場に向かった。
「入居時期はすぐに入れるという事で良いですか?」
「はい、すぐにでも入居可能です」
「正直この費用負担をさせるのであれば分譲のが良いのではないですか?」
「こちらのマンションは賃貸専用物件となっておりまして特例を出せず…」
と担当者が苦い顔をしていた。
「まぁそういうことなら、それで事務所として登録するのは問題ないという事でよろしいですか?」
「はい、前の借主様も会社の事務所も兼ねてということでしたので」
そのおかげなのかリビングがかなり広い。
「事務所にするならあの風呂場は…」
担当者が顔を逸らす…。
前借主は、企業の社長だったそうだが…。
「愛人を複数でも囲うつもりだったんですかね」
「私共としては何も…」
まぁ何人の愛人を囲うつもりだったのかは知らないが捕まってちゃ世話はない。
母達が戻ってきた。
さすがの防音性である。
きっと風呂場でも驚きの声をあげていたはずだがこちらには何も聞こえなかった。
「なにあのお風呂…」
「広かったでしょ?収納場所を減らして広げて作らせたらしいよ」
一般的なお風呂の2倍以上の広さがある浴室がある。
当然お風呂の広さも2倍以上、大人でも4人入れる位の広さがある。
「すごかった!」
「あれは凄い…」
メイもご満悦のようだ。
「本来は5LDKだったのですが、1部屋を潰してさらに収納等も犠牲にしましたので…」
「ファミリー向けとしては全然正しくない造りですね。よく許可が降りましたね」
「オーナーもその方には頭が上がらなかったそうで」
「ははは…」
「敷金、礼金は2ヶ月分はサービスさせて頂くのでどうでしょうか…」
「即金で払いますので、明日入居させて貰うことは出来ます?」
「あ、明日ですか!?」
「ちょっと、それっていくらなの?」
「全部で1000万位かな。」
「入居でそんなに…」
「この手の物件は色々かかるから。それでいけます?」
「すぐに確認します!」
と担当者は電話をしに出ていってしまった。
「初期費用はともかくとしてそんなにここ悪い?」
とアヤネが声をかけてきた。
母は1000万という金額に震えている。
いやいや、金貨の売買でそれ以上のお金貰ってるでしょうが…。
まぁアヤネの言うことも尤もで初期費用の面と無駄に広い風呂場にさえ目を瞑ればそこまで悪い物件ではない。
それでもなかなか借りてがつかないのはもうひとつ理由がある。
まぁそこもなんとかなるからこそ選んだ訳だが…。
◯あとがき
更新時間変更のお知らせ。
現代日本でダンジョン生活!ハズレスキルで無双生活は今まで通り0時更新
こちらの作品は12時更新とさせて頂きます。
よろしくお願いします。