作品タイトル不明
第46話 住居
連絡した相手は、さすがに多忙のようで後で連絡が来るそうだ。
いたずらと思われて連絡が来ない可能性もあるが…その時は仕方ない。
まずは新しい自宅探しから始める必要がある。
もちろん転校先も含めての話になるのだが…運動特待生として入学しているアヤネを転校するのは中々というよりかなり難しい。
学費などの免除に関しては、お金で済むのだが…。
アヤネの成績を加味すると転校自体がかなりハードルが高くなる。
そうなると名古屋市街で今の高校にも通えるというのが一番ではある。
「いっそ近場にアパート借りて一人暮ら…無理だな」
「すっごく失礼じゃない!その言い方!」
アヤネの顔を見ながら一人暮らしの提案をしようと思ったが、生活能力がないアヤネには厳しすぎる。
「だって無理だろ」
「まぁ…無理ってかしたくない」
「だよなぁ」
本人のやる気もないようだしこの案は却下である。
「母さんの病院も急に辞めるのは難しいでしょ?」
「そうね、さすがに急には難しいわね、あんたの病気の件も知ってる訳だし」
息子の病気の為に辞めるという言い訳が使えない以上、急に辞めるのも変な話になってしまう。
やはり色々と問題はありそうだ。
出来れば今の高校と職場に通える距離で探す必要がある。
しかし、名古屋市からだとここまで電車だと1時間ほどかかってしまう。
駅からも遠いのでバスも含めると1時間を超えてしまい毎日の通う事を考えると非常に厳しい。
「転移魔法を使えばいいのでは?」
通勤時間の事を考えているとメイが提案してきた。
「魔石の問題もありますし…」
「同じ世界間の転移なら恐らくそこまで魔力を消費しなくて済むと思います…」
との事だった。
転移魔法が使用出来るのであれば、問題はかなり解決するがまた新たな問題がでてくる。
「俺と母は魔法が使えないので帰る時が困りますね…」
「そこは私がいれば使えるから問題なくない?」
「私の仕事は夜勤もあるんだ、その時にはアヤネはいないでしょ」
と母からツッコミが入った。
転移場所の問題もあったな…と思ったが…。
「そうか、転移場所をここにしておけばいいか」
「ああ、それならいいかもね、最悪ここで寝泊まりすれば良いわけだし」
こっちの家を手放さずに新たな家を借りれば、色々な問題は解決する。
「維持費問題に関しては、まぁ大丈夫だしそれでいくか」
勝手に解決としてしまったが転移魔法が上手く使えればという話になる。
「私にはさっぱりだねぇ…」
と祖母が呟く。
「その姿でその話し方が違和感あるね、ばあちゃん」
アヤネが茶化す。
「おや、そうかい…そうなん?」
非常に喋りにくそうにしている。
まぁ今までの喋り方を変えるのはなかなか難しいので仕方ないとは思う。
「見た目に合わせて喋り方も変えた方がいいと思うよ、ばあちゃん」
俺からも伝えておく、そもそもの話し俺達もばあちゃん呼びを辞めたほうが良さそうだ。
「この歳で新しい事を覚えるのは難しいねぇ…」
「大丈夫!脳も若返ってるはずだからすぐ覚えれるよ!」
アヤネ達はしばらく色々とエルナとメイに説明するとの事で俺は部屋に戻って色々と調べる事に…。
「ああ、あっちで使ってた品がないの不便だな。とりあえず金はあるし」
印刷機などを普通に通販サイトで注文してしまう事にした。
スキルは使えないという訳では無いがこちらで使うには不便すぎる。
名古屋市街の物件も平行して探す…。
うーん…たっかい…と思うが市街でそれなりの広さを持つ物件となるとかなりの金額であった。
「金貨のおかげで実質の資産としては1億以上所持してるとは言え大きな出費は控えたいな…」
今後も異世界にいって色々するとなると出来る残せるものは残しておきたかった。
ある程度の広さの物件をピックアップして家族と相談することに…。
「何部屋か見繕った…なにしてんだ?」
「「「あっ…」」」
どうやらばあちゃんも含めてエルナとメイも服を選んでいたようだ。
まぁなぜ時が止まったのかというと、着替え途中だったせいで半裸状態だったからだ。
まぁ動じたのはアヤネと母のエルナの3人だけで後の2人はなんとも思っていなかったが…。
「さすがにリビングでやるのはどうかと思うが…」
一応目を手で覆って隠してある。
「部屋でやるには狭かったから…じゃなくてとりあえず後で話聞くからしっし」
とアヤネに追い出されたので部屋に戻った。
理不尽である。
まぁ祖母も母も若返った訳だしアヤネとしては身近な人が死ぬリスクが減って嬉しいのかもしれないな。
魔法で病気の治療は出来ないって言ってたし…と考えた所である事実を思い出した。
「あれ?おかしい…」
魔法の話をしたのはかなり前の事だったので忘れていたが、エルナの話では病気の治療は魔法で出来ると言っていた。
アヤネが嘘をつく理由はないし、勇者が死んでから魔法技術が進んだ…?
そもそも魔法技術に関しては、エルナが最先端だという話だったので市井の魔法技術がそこまで向上するとは考えにくい。
もしかしてあちらの認識している病気とこちらの病気の扱いが大きく違う可能性がある?
もし、そうならば四英雄だけを狙い撃ちにする事が出来るかもしれない。
と悪巧みをしていると連絡していた人から連絡が入った。
「私の親友の名前を騙る不届き者は君か?」
「親友とはありがたいね、憧れの劉備玄徳には近づけたか?司馬大先生」
「…なぜその話を知っている?」
こちらを警戒してから声が曇る。
「司馬って苗字なのに劉備に憧れてますじゃ様にならないもんな。まぁ今や顔を見ない日はない位に活躍してるみたいだが」
「理由まで知ってるとは、一体誰だ?」
「亡き親友の頼みってことで一度会ってはもらえないか?」
しばしの沈黙が流れる。
どうやらこちらの存在を疑っているようだ。
まぁこれで信用してもらえるとは思ってはいない。
「これは最後の手段だったが…デリヘル頼んでホテルで緊張で死んだ…」
恥ずかしい過去を暴露する羽目に…。
「あれ、やっぱりそうだ…ってそれを知ってるって事はほんとにハルトか?」
「残念ながらな…これでわかってもらえたか?」
「その事を知ってるのはハルト本人だけだから、なんとかスケジュールの調整つけるから、ついたら連絡する」
「奥さんにもよろしくな」
「つくづくハルトだな、わかったよ。妻にも声をかけておく」
自身の恥ずかしい過去を暴露したことで信じて貰えたようだ。
「まぁ…これだけで官房長官様に会えるのであれば安い代償か…」
自身の恥ずかしい過去を暴露する羽目にはなったが、第一段階はなんとかなりそうだった。