作品タイトル不明
第40話 常識
翌日、魔法関係の事は詳しくわからないのだが…無事に魔法陣が完成した。
パソコンの作業も含めて俺は言われた通りに作っただけなのだが…。
「こんな精密な線が一瞬で引けるなんて!」
「これならいけるわね!」
と2人とも大興奮であった。
しかし、なんだかんだ現代と同じような生活をしているが、やはりネット環境がないのは中々に不便である。
まぁそうは言ってもアニメやドラマなんかは配信で見れているのだが…。
あっちの株なんかの取引をかれこれ数週間イジれていない不安がある。
無茶な取引はしてないので赤字になることはないが、儲けを逃していないかと思うと非常にもどかしい。
「それではこれを印刷しますね」
ざっくりしたものをペンタブで書いてもらい、その後編集ソフトで綺麗な線へと編集した。
乱れのない真円に直線で線を引き星を描き、術式という名の線を引いていく。
「どれくらいかかるの?」
「これほどのものだもの数日かかるのではなくて?」
「えっ?すぐ出ますよ」
「「えっ?」」
2人は驚いた顔をしていたが…。
そんな顔をしている間に印刷が終わり出力された。
ちなみに血についてはインクに俺達の血を混ぜて入れてある。
小さい紙で印刷を試したのだが…俺達の血が混じっているのは確認出来た。
それよりも自分の血を取る行為がこんなに怖いとは…。
2人とも平気でナイフで刺して血を出していたが…出来るかそんなん!
仕方ないので針で指を刺してから血を少し出したが普通に痛かった。
これなんとかならないかなぁ。
カラーでもない只の線だけであれば数分で出力される。
出てきた用紙を広げて確認してもらう。
「これでいいですか?」
残念ながらテーブルに乗る大きさではないので床に広げているのだが…。
「完璧…」
「美しい…」
となにやら感動しているようだった。
「これならいけるわ、まずはこっちで試しましょう」
「そうね」
といって2人は外に出て試すようだ。
外に出て試そうとしている2人に声をかける。
「こっちの魔法陣も印刷すればよくないですか?」
「えっそんな何度も出来るの?」
「出来ますよ~」
といって2人を呼び戻し再度こっちようの魔法陣をまたパソコンで作成して印刷した。
こっちのサイズは逆にA3サイズで収まった。
「こっちのは小さいんですね」
「今のところだけどね…発動しなかったら大きくしてくから」
「なるほど」
最低限でこのサイズのようだ。
2人は喜んで外に出てブルーシートの上で試している。
最初は土の上でやろうとしていたのだが、不純物が多すぎるので紙が傷つくのを防ぐのに購入しておいた。
「じゃあいくよ!」
「いいよ!」
と言って魔法を発動させる。
メイはそもそもの魔力量が少なく、自力で発動出来ないのでエルナが試している。
魔法陣は無事に発動してエルナの場所が移動していた。
「はわぁああああ、すごいこんな少ない魔力で転移出来るなんて…」
と変な声を出して喜んでいた。
「すごいです!これ魔力の漏れがほとんどない!これなら魔力を無駄にせず転移できます!」
様子を見ていた俺の方に2人が走ってくる。
「転移用に他にも作りたいから印刷出来る?」
とエルナに言われてこっちの世界で使うようの魔法陣も印刷する。
すべてA4サイズで収まり実質的にはこれがあれば、この世界ならどこでも転移が可能になる。
「向こうの世界で使えたら革命が起きるなぁ…」
とぼやく。
「あっちの世界ではどうやって移動しているの?」
「きっと空とか飛んでるのよ!」
楽しみにしている所、申し訳ないがそんな事が出来る人間は…1人だけいるな。
まぁアヤネは例外として実験が成功したならあっちの常識を学んでもらうか…。
という訳で昨日の内に頼んでおいた本を呼んでもらう事に…アヤネの魔法によって意味もある程度分かるようになったので大概の本は読めるようになっている。
まぁ基礎学力が足りなかったりするのでまずは社会の教科書だったりを読ませようと思ったのだが…さすがにそれは辛いだろうと思い歴史をマンガで紹介している学習本を取り寄せてそれを呼んで貰っている。
それからしばらくは本の虫であった。
詳しい説明が必要だったこともあり、アヤネが来るまで魔法陣は送るのは辞めておいた。
そして2人の話を総合すると面白い事がわかった。
人間として優れているのはこちらの世界の人間だという事。
まぁそれに関しては非常に感じていた。
魔物を倒せば強くなるという仕様上、あちらの世界の人間よりこっちの世界の人間のが強い。
どうやらこっちの子供は向こうの成人男性位のちからは持ってるらしい。
ええ…なにそれ怖い。
何より、三賢者はともかくとして単体で空が飛べる人間がいたり平気で街一つ吹っ飛ばす魔法が使えるそうなので人間単体としては恐らく手も足も出無さそうである。
まぁ代わりに文化面では圧倒的敗北。
この世界では蒸気機関すら発明されていないので基本的に何をするにも魔法か人力が基本だそうだ。
荷馬車を押す仕事が平気でまかり通るそうなので怖い。
まぁ成人にもなればあちらの世界のゴリラ並の怪力を平民でも持っているそうなのでそうなる理屈も分かる気がする。
危険な魔物を使役するよりも人間に任せた方が安全で効率が良いという訳である。
歪すぎる…。
車や電車などを説明する際に苦慮したのは、必要性だった。
なんせ走った方が速くないが第一にくるのだから…本当に参った。
運搬における経済の発展などをこと細かく説明することでようやく理解してくれた。
そして一番念押ししておく事があった。
「向こうの一般人は基本的に俺と変わらないので力を奮っちゃダメですからね、普通に死にます」
と念押ししとく必要があった。
このあたりは、アヤネにも言っていたことなので慣れたものである。
そんな話をしていると…。
「メイもだけど…ちょっと魔物を倒しに行きましょうか…」
アヤネが来るまであと1日だというのにエルナがとんでもない事を言いだした。
どうやら俺に魔物因子が取り込まれるか試すそうだ。
まぁ確かに強くなれるならそれに越したことはないが…正直前世も含めて戦った経験はない。
怖い以外の何者でもなかったので断ろうと思ったのだが…。
「私がいれば大丈夫だから」
と念押しされてしまい…仕方なく明日狩りに出かける事になってしまった。
仕方ないので通販サイトで武器になりそうな物を購入しておいた。
めちゃくちゃ気が重い…。
しかしいつまでもおんぶにだっこというのも情けないのでこれで魔力が得られる可能性があるのであれば仕方ないと諦めていた。