軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

アリア姉妹の武具

宿舎でメルと別れたあと僕達は、アリア達と一緒に工房に到着。

エレン達に開発を依頼していた『飛行武具一式』の試着を行っている。

アリア達姉妹に全員来てもらうことも考えたが、さすがに人数が多すぎるとディアナから指摘を受けた。

その為、この場にいる鳥人族はアリア、シリア、エリアの三人だけだ。

『飛行武具一式』は、長時間空を飛び回る彼女達の為に軽量かつ保温性を重視した防具だ。

ゴーグル付きフード帽、長袖、長ズボンが基本の飛行服になっており、その上から胸当てや小手など、出来る限り軽くて硬い素材で急所部分を隠す仕様だ。

飛行服に袖を通し、服の上から防具もエレン達に取り付けられると、アリア達は動きやすさを確かめながら楽しげな表情を浮かべる。

「へぇ~、これ面白い恰好だね」

「飛ぶのに、邪魔にはならなそうです。機能性重視という感じでしょうか」

「……うん、面白い……けど、ここだと少し暑いかも。空なら丁度いいかな……」

思い思いの感想を述べる彼女達に、エレンは苦笑しながら微笑んだ。

「リッド様に言われて、僕達も色々と素材から工夫したからね。他の作業と重なって大変だったよ。後、これもだね」

僕を一瞥したエレンは少しやれやれとおどけた仕草を見せた後、アリア達に厚手のマスクと別途のゴーグルを付けて行く。

アリアが厚手のマスクをすると、きょとんとした面持ちを僕に視線を向け、こもった声を発した。

「お兄ちゃん。これは、何に使うの?」

「それはね、より高い空まで飛べるために開発してもらったんだ。後で、それを付けた状態でいけるとこまで高いところを飛んでみて欲しい」

「へぇ~、わかった。後でやってみるね」

アリアが僕に答えると、次はシリアが付けられたゴーグルを触りながら僕に問い掛けた。

「兄さん、このゴーグルは何に使うんですか」

「それは、ゴーグルというより弓用の照準器だね。この後、試してもらう武器に使うんだ」

「なるほど……では、この後に使い方を教えてもらえるのですね」

シリアは興味深げに頷くと、楽しそうに目を輝かせていた。

やがて、シリア達姉妹が飛行服に着替え終わると、僕達は工房の外に出るのであった。

「さてと、じゃあ早速二人ずつで飛んでみようか」

「はーい」

「承知しました」

「……望むところ」

その後、僕とディアナ、エレン達が見守る中、アリアとエリアがまず翼を広げて飛び上がり、僕達に空から視線を向ける。

「じゃあ、お兄ちゃんいってくるね」

「……行ってきます」

「うん、気を付けてね」

僕が答えると、二人はニコリと微笑んで空高く舞い上がり、その姿は段々と小さくなっていくのであった。

そんな二人を見送ったエレンが羨ましそうに呟く。

「いいなぁ。僕も飛べたらなぁ」

「ふふ、でも開発を色々していけばその内、空も飛べるようになるかもよ」

不敵な笑みを溢しながら答える僕の姿に、ディアナが額に手を添えながら釘を刺すように反応する。

「リッド様。何かする時は、ちゃんとライナー様に御報告してからにして下さい」

「あはは、それは……当然だよ」

ディアナの指摘に苦笑しながら答えるが、僕の言葉にエレンは目を輝かせているのであった。

「……遅いね」

懐から出した懐中時計を確認して、僕は不安げに呟いた。

アリア達が飛び立ってから、それなりに時間が経過している。

しかし、彼女達は空高く飛び上がったままだ。

「多分ですけど……姉さん達、楽しくてかなり高いところに行っているんだと思います」

僕の言葉に反応したシリアが、少し呆れ顔で答える。

「それならいいんだけど、少し心配だね。シリア、悪いけど様子を見てきてくれるかな。一旦、戻ってくるように伝えて欲しい」

「承知しました」

彼女は僕に会釈すると、飛び立とうと構える。

しかしその時、エレンが空を指さした。

「リッド様。アリアとエリアが戻ってきましたよ。ほら、あれ」

「ん……あ、本当だ」

彼女が指を指した方角を見ると、確かにアリアとエリアの二人が小さいけど何とか目視できた。

僕が手を振ると、彼女達も気付いたのか何かしているように見える。

それから、間もなく彼女達は地上に降り立って満面の笑みを浮かべた。

「お兄ちゃん、この服とマスク。それに、この照準器だっけ。これってすっごいね‼ いつもだったら、行けないような高さまで飛び上がっても平気だったし、この照準器を覗いたら高い所でもお兄ちゃん達が見えるんだもん」

「……アリア姉の言う通り、凄く高いとこまでいけた。この服だと寒くないし……マスクのおかげなのか、息苦しさもあまりない」

二人は何やら、感動しているような感じであり『飛行服一式』の開発は成功したと言っていいだろう。

僕は嬉しそうにする二人に、微笑んだ。

「ふふ、楽しんでくれて何よりだよ。じゃあ、次は君達の『武器』を紹介しようか」

喜ぶ二人に答えた僕は、おもむろにエレンに視線を向ける。

すると、彼女は咳払いをしながら準備されていた武器を披露する。

「では……リッド様に御紹介に与りました、武器をお披露目致します。僕とアレックス、そして狐人族の皆で『魔鋼』を素材に開発した『長弓』……その名は『魔槍弓・巡邏』またの名を『魔槍弓・センチネル』です」

「巡邏……センチネル? へぇ、面白そうな弓だね」

エレンにお披露目された『長弓』を見たアリアは、目を輝かせながら微笑むのであった