軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

大戦②

ブラート王が侵略軍と合流してから3ヶ月、ついに王国軍がレクセリン砦に向けて進軍を始めたと斥候から情報が入った。

オーキスト殿下に集められ、その説明を受けた私達は各々の麾下の軍についての報告を挙げる。

「レブリック辺境伯軍は問題有りません。兵員、糧食、武装、全て万端です」

「うむ、エリー団長はどうだ?」

「義勇軍も準備は出来ておりますわ。戦が長引いております故、多少の人員の入れ替わりも有りますが、兵数は保っております」

「そうか、帝国からの補助金が出ているとは言え、冒険者や傭兵への報酬の多くを私財を以て賄ってくれているエリー団長には感謝の念が絶えない。

以前、侵入者が居たと報告されているが、その後はどうだ?」

「ええ、そちらも問題有りません。取り逃したのは残念ですが、警備も強化されておりますし、此処数ヶ月は何事も有りません」

その後、オーキスト殿下は最近合流した帝国貴族の諸侯軍にも同様に聞き取りをし、また各指揮官にも声を掛けている。

会議を終えた私は、左足を僅かに引きずりながら私室に戻り、ミーシャが淹れた珈琲を受け取った。

「ついに王国軍との戦いが始まるのですね」

ルノアが不安げに呟いた。

「そうね。でもそれもまだ1ヶ月は先の話よ」

「え?でも王国軍が居る都市まではそんなに離れていませんよね?」

「ええ、でも軍と言う物は馬車よりもずっと移動が遅いのよ。とくに歩兵は鎧を着て武器を持ち、更に自分の荷物も持たないとダメでしょ?軍は1番足が遅い者に合わせなければならないから移動はゆっくりになるの。

多分、ミレイやバアルも間に合うわ」

ミレイとバアルは一度帝都に戻っている。

このレクセリン砦に布陣してもう半年近い時間が経っている。

その間、トレートル商会の方を放置しておく訳には行かないので、ミレイとバアルにはレクセリン砦と帝都を何度か往復してもらっていた。

今も帝都の商会で仕事をしている筈だが、呼び戻す時間は十分に有るだろう。

「ミーシャ、ペンと紙を用意して頂戴」

「はい」

冒険者や傭兵はただ待機して偶に訓練するだけで報酬が貰えるので、喜んでレクセリン砦に留まっている者も多いが、中には街で別の仕事を受けていたり、ユウとリリの様に別の仕事を持っている者もおり、そんな者達は一時的に義勇軍から離脱していた。

その中でもめぼしい者達を呼び戻す為に手紙を書くのだ。

特に神器使いであるユウとイーグレットは戦力として無視できない。

ユウは店の為、イーグレットは帝都への出店の為に帝都に戻っている。

だが、連絡をすれば直ぐにレクセリン砦に向かうと言ってくれているので、心強い。

手紙を書き終えた私は、セイントバードを召喚して手紙を配る為に窓を開けるのだった。