軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

お試しに地下11階層へ

俺の剣鉈に特殊効果が? ――と、一瞬、思ったが口には出さない事にしておく。

自分の使っているモノですら把握できていないとか知られたら、この人にダンジョンの説明をお願いして大丈夫なのか? と疑問に思われるからだ。

つまり、仕事が出来ないおっさん認定。

おっさんというか男にとって仕事できない認定は、女性が自分の年齢を気にするレベルで、気になる点なのだ。

スキル【鑑定XⅡ】で、菊池さんに貸している剣鉈を検索。

【名前】農作王の剣鉈

【土属性Ⅶ】【水属性Ⅳ】【火属性Ⅱ】【出血Ⅸ】【斬撃Ⅹ】【刺突Ⅳ】【耐久Ⅸ】

なるほど。

色々と属性がついているな。

これはスタートダッシュした頃から使っているモノだから、ボーナス特典を得た時にも使っていたから、それで特典がついたのかも知れない。

「まぁそうですね」

とりあえず知っていた風を装う事にする。

「ところで、あれってエレベーターなのかしら?」

地下10階層に到着し、しばらく歩いたところにある改札口と、その後ろに見えるエレベーターを見て菊池さんが話しかけてきた。

「そうなりますね。地下10階層まで降りることが出来れば、地下10階層から地下1階層まで上がることはできますので」

「便利ねー」

「まぁ、1階層分は上がる必要はありますが」

「そうなのね。それで、向こうにある地下に下る階段は?」

「地下11階層に続くらしいですね。俺は、降りたことはありませんが」

「今って31階層が人気なんじゃないのかしら?」

「とくに女性に人気らしいですね。服用すると一歳、歳が若くなる若返りの薬が手に入るらしいので」

「それって、冒険者協会オークションで100億円するっていう?」

「みたいですね」

「そう……。ねえ? 佐藤さん」

「はい?」

「試しに地下11階層に降りてみない?」

「え? 自分は地下10階層以下は降りたことありませんよ? それに地下11階層では新人冒険者の死亡が確認されていますし」

「そうね……。佐藤さんに、お願い出来ないわよね」

「……ま、まぁ……、見るだけなら」

降りた場所から、移動しなければ問題ないだろう、たぶん。

そう当たりをつけて階段を降りることにする。

階段の広さは全部の階層同じようで、きちんと拡張されている。

そして、付け加えるなら11階層に降りていく冒険者の数が100人近い。

「これだけの人数で降りていくなら普通に大丈夫そうですね」

「そうね」

少し慎重になり過ぎていたかと思い階段を5分ほどかけて降りたあと、全員が同じ方向へと向かっていく。

どうやら階段がある方向らしい。

そして大人数だからこそ地下10階層までとは違い洞窟のような作りになっているダンジョンでは、先頭で戦闘が起きてるらしいが何が起きているのか分からない。

「地下10階層までとは違って、自転車とかスクーターを使っている人はいないのね」

「重量的な制限があるからでは? たしか【アイテムボックスI】だと100キロまでですし」

そう久しぶりにダンジョンに入った俺は、ダンジョン内を自転車やオートバイを足として使って収穫している人たちの姿を見たのだ。

まるでダンジョンの中ではないみたいだった。

「それで、これからどうするの?」

菊池さんが何時までもゾンビを見る事が出来ないからどうしようか? と、聞いてきたが、俺としてもどうしたものか……と、考えたところで地下12階層に降りる階段までたどり着いてしまった。

「モンスターと一度も接敵しないまま地下12階層とかどうなんだろうか」

思わず、そんな言葉が口から零れた。