軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

始めての戦闘

「それで、どうしますか? 佐藤さん。地下12階層へ降りますか?」

「そうですね。食材はキュウリがあるから何とかなりますが、きちんと進むのなら用意する必要がありますね」

まぁ、俺は地下11階層以下というモンスターが出てくるエリアには降りるつもりは毛頭ないが。

「まぁ、人数(肉壁)もいますし少しヤバい雰囲気になるまで進むのもありと言えばありですね」

「なんだか、佐藤さん。不穏な単語使っていませんでした?」

「キノセイデスヨ」

集団行動しているときは、とりあえず生贄こと肉壁こと代理で戦ってくれる人がいるという結論付けて俺と菊池さんは集団に溶け込むようにして着いていくことにした。

――地下12階層。

ダンジョンがリニューアルされたという情報が日本ダンジョン冒険者協会のホームページに書かれていた事もあり、地下12階層は広大な日本風の墓地に、空はどんよりと曇りな少し薄暗いシチェーションなエリアになっていた。

そして、階段を降りた場所は、お寺の敷地のような場所。

お寺の周囲は見渡す限りの墓地。

俺達の前を歩いていた冒険者達は、お寺のような場所で足を一同は止めたかと思うと、

「本日はツアーに参加して頂きありがたく思う。今日から5日かけて、15階層を目指していきたいと思う。本日のツアーに参加する予定の――」

何か知らないが、どうやら団体さんはベテランの探索冒険者グループが主催したツアーだったようだ。

そしてダンジョン内でスマホを使い検索したところ、ツアーでは15階層までが往復で100万円前後が相場の価格らしい。

ということは、80人近くが参加しているツアーだと、5日で8000万円の稼ぎか。

一日あたりの稼ぎだと1600万円。

これからのことを考えるとダンジョン内での戦闘経験を踏まえると投資としては一日20万円程度だから、そこまでは高くはないのか?

「佐藤さん、どうしますか? ツアー参加者だけだったみたいですよ?」

「そうですね。とりあえず、変に疑いを掛けられても困りますので12階層をウロウロするという感じでどうですか?」

まだ点呼は始まったばかりだが、点呼が進めば俺達は後ろをついてきただけの無関係な人間だとバレるだろう。

それなら、早めの内に寺から去った方がいい。

それだったら行先が同じだったくらいの認識で角は立たないはずだ。

「それがいいですね」

菊池さんも同意したので、俺と菊池さんは寺から出た。

すると寺の門構えを抜けたところで、温い風が肌を撫でる。

そう、簡単に言えば寺の中に居た時に感じていた清浄な空気とは違い、寺の敷地外に出た途端に無数の悪意ある視線に晒されたと言えばいいのか。

「さ、佐藤さん! あれ!」

見渡す限りの日本風の墓場の地面が盛り上がると、腐りかけた死体が次々と這い出てくると、こちらへと視線を向けた。

「どうやら、俺達を認識したみたいですね」

走ることはないが、ゆっくりと腐った体を揺らしながら、それでも着実に此方へと近づいてくる死体。

「か、かなり……精神的にダメージが……」

「分かります」

思わず俺も頷く。

ゾンビゲームなどを見てきて耐性はあったと思っていたが、本物の動くゾンビは次元が違った。

倒す倒さない以前の問題。

近づきたくない。

「しかも匂いも酷いですね」

「どうしますか? 佐藤さん」

「とりあえず、倒します」

右手をゾンビたちに向ける。

そして2週間近く暇な時間があったので練習していた魔法を発動。

「アイスランス」

俺の言葉と同時に【水魔法Ⅴ】と【魔法攻撃力補正Ⅸ】【魔力補正Ⅸ】が入った直径50センチ、長さ2メートルの氷の氷柱が300ほど空中に形成される。

「射出」

空中に生み出された氷柱は、凄まじい速度で墓場から這い出てきた無数のゾンビを次々と倒していく。

「佐藤さん! レベルが! レベルが! 凄まじい速度で上がっていきます!」

「そうですか」

まぁ、2週間暇だったからな。

色々なラノベとかゲームとかで魔法の有効活用を勉強して練習したからな。

その甲斐もあって1000体近いゾンビを一蹴した。

尚、俺のレベルが上がることはなかった。

どうやらレベル58だと、1000体程度のゾンビではレベルは上がらないようだ。

そしてアイテムボックス経由だと範囲内の魔鉱石は強制回収できるようなので、倒したゾンビの魔鉱石を範囲回収しておいた。