軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

肥料売るよ!

ゲートを通り養老渓谷ダンジョン地下1階に降りたあとは、周囲に誰もいない事を確認した上でスキル【ワープ】を使い自宅へと戻った。

「おかえりなさい。旦那様」

俺が、スキルで帰宅したことをいち早く察したミツハが台所から出てくると玄関まで小走りで迎えてくれた。

「ただいま。浩二は?」

「弟さんでしたら、自分の家に戻っています」

「そうか」

「それよりもクエストモンスターの後処理をしてきたのですね」

「あー、やっぱりわかったか?」

「はい。一応は、ダンジョンの設備メンテナンスをしていますから、重要な情報は神ネットで流れてきますから」

「神ネット?」

「インターネットのようなモノです。人からは干渉する事はできませんけど」

「そんなモノがあるんだな」

「はい。あとお風呂を沸かしています」

「先に入るか」

風呂に入ったあとは、居間へと。

ソファーに座ったあとは、ミツハが淹れてくれたお茶を啜りながら、アイテムボックスを開く。

「解体スキルと、変換スキルを手に入れたってログにあったけど、どうなんだろうな」

アイテムボックスの中から回収した熊を選ぶと【解体】と【変換】のアイコンがツリーで表示される。

解体ボタンをクリックすると、『魔鉱石』と『熊肉関係』が分かれてアイテムボックスの中に保存された。

「解体ボタンは、そのまま解体になるのか……。そうなると、あと変換って項目はなんだ?」

変換項目を選ぶと『堆肥か肥料』と表示される。

どうやら、熊と同等の重さを堆肥か肥料のどちらかに変換できるようだ。

「なるほど……、狼に関しても解体か肥料か堆肥が選ぶことができるのか」

ネットで検索をかけたところ、堆肥よりも肥料の方が3倍以上高く売れそうだ。

熊が500キロとすると75000円ってところか。

熊肉を売ろうとすると1キログラムで2万円前後だからジビエって事にして、売れば1000万円で売れるとは思わないが、それに近い金額で売ることが出来るのか。

市場に大量に流すとしたら100グラム50円くらいで売りに出せば、一頭あたり25万円くらいで売れる……。

今のダンジョンだと穀物や野菜、貝類は供給できているからな。

熊肉を豚肉と同じくらいの消費を目指して豚肉や鶏肉の価格よりも安く売り出せば売れるかも知れない。

100グラム50円なら試してみようという主婦が出てきそうだし……。

「だけどな……」

熊の場合はダンジョンの外にも居るわけで、俺が大量に熊肉を出して市場を崩したら、熊を討伐している人たちも困るというのは目に見えている。

つまり、熊肉で売るのは得策ではない。

「肥料で売るか。いまの日本は、肥料は海外依存だから、国内に肥料を安く売れば一次産業の農家さんも助かるだろうし」

「旦那様、熊モンスターの行き先が決まったのですか?」

俺が結論を出したところで、ミツハが話しかけてくる。

「ああ。アイテムボックスからの変換スキルで肥料に出来るから、肥料にして売ろうと思う」

「それが宜しいですね。今の日本の土壌は酷い状態ですから」

「そうなのか……」

「はい」

「なら、安めの価格で一次産業農家に届くようにしたほうがいいな」

そうなると、肥料の話をどこに持っていくかだ。

本当は地方の末端まで強力なネットワークを持つJAに格安で卸すのが一番良いが、JAが信用できない組織として動いている以上、JAを介することは愚の骨頂だ。

「あれだな……。自分で会社作って肥料を売る方向にもっていった方がいいな」

どうせ、スキル【ワープ】があるから日本のどこでも行った場所なら瞬時に移動することが出来るからな。

そうと決まれば早速、SNSで書き込みだ。

本当は会社ホームページを作りたいが、余裕がないからな。

SNSで、ダンジョン産肥料100キロを、市販の肥料の10%の価格で設定して売りますと書き込む。

もちろん取引は現金ニコニコ一括払いで。

「こんなところだな」

まぁ、一件か二件、書き込みがあればいいほうかな。