軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

米農家さんとの販売交渉

米関係については、親に任せることにした。

幸い、夏前という事もあり米農家には余裕があるらしく、実家で時間を潰していた数時間後に大型のトラックが到着した。

車に乗せられる量は、トラックに書かれている積載量が1500キロという事もあり、25%程度の稲穂付きの米を渡せる感じになる。

「初めまして、菊池と言います。昭利さんから、ご紹介を受けてダンジョン産の稲穂付きの米を取りにきたのですが、見せてもらってもいいですか?」

「あ、これになります」

アイテムボックスから稲穂付きの新米を一部取り出して米農家の菊池さんへ渡す。

菊池さんは、しばらく稲穂付きの米を見て、

「これは、素晴らしいです! これと同じものが何トンもあるのですか?」

「はい」

「なるほど! それなら、お約束通り玄米にする量の3割を頂ければ、乾燥と脱穀を此方の方で受け持つという事でいいですか?」

「もちろんです」

「では、一週間後に玄米にした分をお持ち致します」

「それなら、この実家に届けておいてもらえますか?」

「あら? それなら、その新米食べちゃうわよ」

母親が何か言っているが、この厚かましさ何とかならないものか。

「全部で、稲穂が5トン以上あるとのことなので、それなりの量の米が取れると思いますので、すぐに消費するのは難しいと思いますよ」

米農家さんが、母さんの発言にドン引きしている。

さすがに、俺が10年以上住んでいるワンルームに何十キロも米を置いておくのは、室内が圧迫されて困る。

「そういえば、菊池さん」

「何でしょうか?」

「定期的に稲穂付きの新米を提供しますので、玄米を提供して頂くだけでなく、そちらで保管して頂くことはできますか?」

「そうですね。新米の季節が終わりますと、それなりの期間、倉庫が空きますから、そこに保管する事はできますが……、もし良ければダンジョン産の新米ってことで販売とかどうですか? 私どもが普段、道の駅に卸している販売ルートを利用すれば可能かと思います。ただ、ダンジョン産ということで、味と安全性を含めて備蓄米よりも安い価格で販売した方がいいと思いますが」

「たしか備蓄米って5キロで2000円くらいでしたっけ?」

「そうですね。ただし、それは古古古米レベルですので、ですが、その価格で設定しておけば、新米! ダンジョン産の米ってことにしておけば売れると思います」

「なるほど……」

流石、米農家さん。

「では、それでお願いできますか?」

「そうなりますと乾燥と脱穀、袋詰めと販売ルートを含めて、7割――、6割程度は……」

「あー、それなら3割の売り上げをもらえればいいです」

5キロで400円の稼ぎを得ることが出来るのなら、電車代くらいは米の稼ぎで何とかなるだろう。

そもそも千葉駅から小湊鉄道を利用して養老渓谷まで行くと往復の電車賃だけで3000円近くかかるのだ。

その辺を考えると米を農家さんに卸して不労所得を増やさないと電車賃だけで破産してしまう。

「分かりました。それでは、そのようにしましょう。今度から此方に伺う際には4トンのトラックで伺いますので、最低でも4トンの採取をお願いします」

菊池さんの言葉に俺は頷く。

「それにしても、昨日からニュースになっているアイテムボックス所有者が、友人の息子さんが所持しているとは思いませんでした」

「はははっ」

半笑いして返す。

そのあとは、口頭約束をして話を終えた。

継続的に此方から稲穂付きの新米を渡すことになるのだから、その担保がある以上、こちらを裏切るような真似はしないという俺の考えであったからだ。

だからこそ口約束で済ませたのだが、今後、取引金額が増えるようなら弁護士を入れた上で書面上契約をしてもいいかも知れないな。

農作物とフルーツ関係は、全てが寿命が1時間若返るものしかないので、流通させるのは止めておこう。