作品タイトル不明
魔鉱石エンジンと世界的な化石燃料枯渇な件の発表
ダンジョンに潜ることを決めた翌日、弟の浩二から「兄貴、ニュース見たか?」と、電話が掛かってきた。
朝早かったこともあり時刻を確認すれば午前7時。
「どうした? 浩二。こんな朝っぱらから」
「まだニュース見てないのか――。兄貴、この前、ジープが駄目になったって言ってただろ?」
そういえば、ミツハにジープアタックをして吹き飛ばした時にジープのエンジン部分を含むフレームが御臨終したんだよな。
新しいジープを買おうと思っていたが完全に忘れていた。
「もう買ったのか?」
「――いや、まだ買ってないな。何かあったのか?」
「日本の自動車産業を牽引しているハヨタで、魔鉱石を利用したエンジンを搭載した車の発売が発表された」
「それってガソリン車に代わる?」
「そうそう。パワーや取り回しは、ガソリン車に劣るらしいけど、能力的には電気自動車よりも上だと」
「ふむ……」
「しかも魔鉱石を一度交換すれば、500キロまでは走れるらしい」
「魔鉱石の単価が5000円くらいだから500キロだと燃費的には、ガソリン車よりも悪い感じだな」
弟と話ながら、リビングに置いてあるノートパソコンを起動する。
すると弟の浩二が話していた通り、ニュースサイトには、日本の車メーカーのトップが、魔鉱石を利用したエンジンを開発し試運転は無事に終了。
製造ラインは既に確保してあり、日本国内の需要を満たすために急ピッチでラインを動かしていると、ニュースサイトには書かれている。
テレビの電源を入れても、どこのニュースでも同じような事が報道されているばかりか、車の単価は400万円前後。
「魔鉱石を利用した車か……」
魔鉱石ならダンジョンで腐るほど出るからいいが……。
ニュースサイトを見ていくと俺はある一文で指の動きを止めた。
「車両に使う魔鉱石は、【火の魔鉱石】なのか……」
他の属性の魔鉱石でもエンジンを動かすための試験を行っているようだが、ピストンを動かすためには火の魔鉱石が効率的なようで、今の俺では【火の魔鉱石】をドロップすることは出来ない。
「たしか16階層の日本狼が【風の魔鉱石】だよな……」
【火の魔鉱石】は、21階層の炎馬と火卵からのドロップだと冒険者掲示板に書かれている。
まぁ、すぐに必要にはならないだろうと、自己完結してテレビを切ろうとしたところで、臨時ニュースが流れた。
それを見た瞬間、俺は思わず首を傾げる。
――EU各国にて石油の備蓄が尽きかけているため、EU各国は日本政府に対して魔鉱石エンジンの技術と魔鉱石の提供を要望している。
――と、いう内容であった。
さらに現在、世界的に化石燃料が枯渇。
新しい油田は一切、見つかっていないと。
「だから、魔鉱石エンジンを急いで発表したのか……。問題は、魔鉱石って日本の独壇場なんだよな。諸外国から圧力かけられそうだ」
さらに特集で、フィンランドなどの北欧諸国が石油を販売して、石油販売で得た資金でEVを推進していたが経済が破綻寸前と紹介されていた。
まぁ、そりゃ実際は、石油で電気作っているのと同じだからな。
表面上はエコに見せているが化石燃料を裏で販売して表ではエコEVとか口にしているだけだし。
化石燃料が尽きたら、経済がオワコンになるのは目に見えている。
「浩二」
「何だ? 兄貴」
「魔鉱石エンジンは良いが、これ予約しておかないとヤバいんじゃないのか?」
「だよな? 兄貴も、そう思うよな?」
「だろうよ」
しかし魔鉱石エンジンは良いが、問題はガソリン車とかどうするんだろうな。
EV車に関しては、発電所で魔鉱石を使い電気を発電するようになるからクリーンに近くはなるのか。