軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

524 精霊王参戦

五百二十四

召喚術の塔に帰宅したミラは、それからの時間をのんびりと過ごした。好物が並ぶ夕食を堪能した後は、マリアナとルナに挟まれて幸せな一時を満喫する。

(ずっとこうしていたい気分じゃのぅ)

戻ったら色々とやりたい事があるなどと考えていたミラだったが、こうなってしまっては、もう完全に一家団欒モードだ。

次に出かけるまで──中継基地に行く時までの間にも、やれる事は沢山あった。けれどミラは、その全てを次回以降に延期しようと決定する。

今年はもう休業だ。よって次に出張する日までは、塔でゆったりと過ごす事にしたわけだ。

そうと決めたミラは、思う存分に長期休暇を満喫した。

日がな一日をごろごろしていたり、マリアナとショッピングを楽しんだり、ルナと遊んだり。はたまた揃って近場の温泉旅館に行ってみたり、流行りのグルメを堪能したり。

それこそ出かけている間に出来なかった分を取り戻すかの勢いで、家族との大切な時を過ごす。

それでいて、性分とでもいうのか。塔にいながら出来そうな事については、合間合間に取り組んでいた。召喚術の研究、精霊王の加護の可能性を追求してみたり、聖域候補のピックアップに加え、より深い知識を求めて文献を漁ったりもした。

特に世界の危機、そして決戦と聞いた今、研究には力が入る。

「──この辺りを調べる途中で、ここにも立ち寄れそうじゃな」

中でも気合が入っているのが、超越召喚についてだ。

聖域候補地として有力な場所の近くに、話で聞いていたリーズレイン所縁の地があった。

もしも何かしらの影響があって、上手い事リーズレインが目覚めた暁には、どうにかして召喚契約までもっていきたいと考えているミラ。なんなら精霊王やマーテルの助力を乞う事も厭わない覚悟だ。

ただ、相手は始祖精霊である。つまりはマーテルと同じく超越召喚となるだろう。ゆえに、それを可能とするため『アストラの十界陣』とは何なのかを、どうすればそれを会得出来るのかを解明する必要があった。

「ソウルハウルが言うに、星や星座という意味があるそうじゃが……」

少しでもヒントを得られないかと、以前にミラは九賢者仲間達にそれとなく聞き込んでいた。その結果得られたのが、アストラという言葉の意味だ。

けれど幾ら星や星座の資料を集めても、アストラの十界陣に繋がりそうな記述は皆無。これといったヒントすらも見つける事は出来ていない。

「そういえば、アンドロメダならば何か知っておるかのぅ」

当のマーテルどころか、精霊王すらも知らないというアストラの十界陣。だが話を聞いた限り、天魔族のアンドロメダは、そんな精霊王達よりも先に存在していたらしい。だからこそ、より詳しく知っているかもしれないとミラは考えたわけだ。

向こうにいた時に、思い出して聞いておけばよかった。後で日之本委員会に連絡して、アンドロメダに繋いでもらおうか。そんな事を考えながら、今日も今日とて研究に勤しむミラ。

その数日後だ。以前に魔物を統べる神の骸の扱いについて連絡を入れた件について、アンドロメダより通信があった。

いわく、実際にその骸の状態を直接確認してみない事には判断が出来ないそうだ。つまり、ロア・ロガスティア大聖堂に赴く際には、ミラのみならずアンドロメダの同行も許可してもらう必要が出てきたわけである。

またついでにアストラの十界陣について聞いてみたところ、残念ながら彼女も心当たりがないという事だった。

十二月の後半は、忙しくも楽しい日々を送ったミラ。この世界に来てから今までで、一番幸せな時間を過ごせたと確信出来るくらいの充実ぶりである。

「さて、ちょいと打ち合わせに行ってくるとしようかのぅ」

そうこうして、大晦日の前日。フローネが仕掛ける年末ドッキリを明日に控えた今日。いよいよ完成した天空城がアルカイト王国の近くにまでやってきたこのタイミングで、最後の打ち合わせだ。

よっていつもの感じで告げたミラであったのだが、そこで不意に違和感を覚えたのか、マリアナが疑問を口にした。

「年始のイベントについての打ち合わせが三日前にありましたが、年内の会議はそれで最後ではありませんでしたか?」

流石はマリアナというべきか。ミラが出席する必要のある用事などについては、その全てを把握していた。そして彼女の言う通り、大きなものから小さなものまで含め、大体の会議や打ち合わせの類は、もう来年の三日まで予定に入ってはいない。

だからこそマリアナは、何の打ち合わせなのかと疑問を抱いたわけだ。

「あ、あー、それはじゃな……」

フローネの件については、誰にも秘密にしていた。もしもフローネが標的にしているソロモンにネタバレでもしてしまったら、どんな報復があるかわかったものではないからだ。

だが、もう実行前日である事に加え、相手はマリアナだ。このまま疑問を抱かせたままにするわけにはいかないというもの。

何より、そこから不倫などを疑われでもしたら堪ったものではない。そう考えたミラは「実は、ここだけの話なのじゃが──」と、極秘である事を念押ししつつ予定している内容を全てマリアナに明かした。

フローネがドッキリを狙うのは、ソロモンと九賢者仲間がメインだ。加えてアルカイト国民となる。ゆえにマリアナだけならば、きっと許してくれるだろう。

「フローネ様が……凄いです。素晴らしい事です!」

それがミラの説明に対するマリアナの第一声だった。密かに見つけていた事と、ここまで隠していた事については特に気にしてはいないようだ。

それよりも、年末の盛り上がりに更なる九賢者帰還のニュースが轟く事になるのかと、それはもう興奮した様子である。

マリアナもまた九賢者付きの補佐官だ。だからこそ何よりも、仕える主が帰ってくる喜びを心の底から理解している。ゆえに、無形術の塔の補佐官クラリエッタを思い、尚更に嬉しそうであった。

フローネの事について、あれこれとマリアナに説明してから約一時間後。ミラは天空城の一室にいた。秘密の話し合いをするにはうってつけな、秘密の会議室だ。

秘密感満載なここは、そういう感じが大好きなフローネの趣味で拵えられた部屋である。そして当のフローネはというと、ミラが持ち込んだ土産の菓子を嬉しそうに頬張っていた。

「食材は、豊富。何でも作れる」

「まあ、人によっては夢のような場所じゃろうな」

本来ならば、直ぐ年末ドッキリについての最終確認をする予定だったのだが、今は食べるのに夢中のようだ。そのためか会話の内容は、美味しいものがテーマとなっていた。

甘味ならば果物関係は、どこよりも充実していると言っても過言ではない天空城。しかし加工品である菓子類については、まだ地上側に軍配が上がる。

「いつか、パティシエも、招きたい」

そんな感想を口にしながら、チョコやケーキをぺろりと平らげたフローネは、そのまま満足げな顔でソファーに横になるなり「──じゃあ、明日について確認しましょ」と真面目な口調で告げた。

「……まったく、食べて直ぐ横になったら豚になるというじゃろう」

「くふふ。私達の身体なら大丈夫。大きく変化しないって現在進行形で実証済み」

行儀が悪いと苦言を呈すミラだったが、フローネにはどこ吹く風。それどころか元プレイヤーの特異性を笠に着て、随分と堕落した生活を送っているようだ。

事実、一割程度の増減はあるが、その程度。元プレイヤー達の体形というのは、不思議と大きく変化する事がなかった。

じっくり観察してみれば、フローネもまた初期状態よりは少しぷにっとしているが、そこまで。豚とは程遠い。しかも「私さ、現代でも痩せてたし、そんなの迷信だよ、じっじ」などとのたまいながら、小気味よく笑っている。

どうやら彼女は、俗に言う太らない体質だったようだ。そしてその一言は、ある一定の層から怒りを買うものでもあった。

果たしてフローネは今、どれだけの数を敵に回したのか。それは、神すらも知らぬ事だ。

とにもかくにも、ようやく年末ドッキリについての打ち合わせが始まった。

状況にタイミング。そして様々な演出。色々と話し合いながら決めていくミラとフローネ。

「こう、花火がドーンと上がって空を照らしたら、そこに巨大な影がって感じがいいと思うの」

「おお、よいかもしれんのぅ。空に浮かぶ黒い影。あれはなんじゃ、鳥か、飛行機か。いや、天空城じゃ! と、度肝を抜くわけじゃな──っと?」

ただ、その途中。どのくらい皆がびっくりするだろうかという話でほくそ笑み合っていた最中に、ミラがふと言葉を詰まらせた。

それは、一緒に話し合いに参加していた精霊王の一言が原因だ。

『しかし、誰も何も知らないまま突然始めると、脅威に映るかもしれないな』

といった言葉だ。

気軽にドッキリなどと言ってはいるが、ものがものである。

簡単にフローネの狙いをまとめるなら、この天空城でルナティックレイクに乗り付け、どうだ凄いだろうとソロモン達をびっくりさせるだけである。

だが、その規模を考えれば、確かにそう簡単なものではない。そのまま落ちてくれば壊滅的な被害が出るような質量が上空に出現するのだ。場合によっては──というよりほぼ確実に、地上は大パニックに陥るだろう。

ドッキリはドッキリでも、少々種類が違ってしまう。

ただ出現からそこまで待たずにフローネが登場して帰還を宣言すれば、そこまで大きな騒動にはならないはずだ。パニックが起きる前に喝采が上がってくれるだろう。

しかし、それでは駄目だとフローネが言う。何でもアルカイト王国帰還のため、その演出プランを仲間達と練りに練ってきたというのだ。

直ぐに宣言するとなったら、それらが全て無駄になると譲らない構えだ。

「──まったく面倒……んんっ! とすると、何もかも全てを秘密にしたままというわけには、いかぬかもしれんか。少なくとも事前に何かしらイベントがあるというような形で周知させておく必要がありそうじゃのぅ」

ソロモンを驚かせる。その一点で意気投合していたミラだったが、精霊王の言葉によって冷静さを取り戻した。

精霊王の言う通りだ。何もかもフローネの考えのまま実行した場合、その中心となるルナティックレイクは阿鼻叫喚の大騒ぎになる。

演出などなければ簡単だったものを。そんな本音を少し覗かせつつも、丁度いい落としどころを探ったミラは、少なくとも多少の情報は開示して、そうならないように準備する必要があるという答えに至った。

つまりは、何の事前情報もなく突然、空に天空城を出現させるのではなく、先に空で大イベントがあるというような事を伝えておくわけだ。そうすれば突然空に天空城が出現しても、国民達は何かしら奇抜なイベントが始まったと思ってくれるだろう。

フローネが理想としていた形ではないが、安全面なども考慮すると何かしらの対策は必要である。驚かせると一言でいっても、パニックにならない驚かせ方をしなければいけないというのが重要なのだ。

しかもそれは国民のみならず、ソロモン側にも当てはまる。それほどの大事を仕掛けて国主が何も知らないとなったら、いよいよ何事かと騒ぎに収拾がつかなくなってしまうのだから。

一番手っ取り早いのは、ソロモン達にフローネが何かするつもりだというような情報を伝えておく事だ。そうすれば年越し祭りのイベントだなんだを上手い事調整して、事前にそれらを周知させ、天空城出現を直ぐにイベントとして飾ってくれるだろう。

そしてそこから演出と共に、九賢者フローネの帰還が告知されるという形だ。

結果として舞台は大いに盛り上がり、アルカイト王国は最大級の熱気に包まれるはずである。

「うん……まあ、そうだけど……」

精霊王の言い分は正しく、ミラの提案についてもフローネは理解したようだ。けれど若干……どころかとても不満そうだった。急に仕掛けるからドッキリなのだという顔である。しかもその目は、パニックを起こすくらいが丁度いいとすら思っている目だ。

事実、ミラもまたそれが出来たら面白いだろうと思っていた。けれどそれで通用するのは、こうして関わっていなかった時だ。もしもフローネの好き勝手にやらせていた場合、最終的にどうして制御しなかったのかとソロモンに怒られるのはミラなのだ。

けれど今回の主役──首謀者のフローネが驚かせたいという中には、そのソロモン達も含まれていた。明日のために長年かけて準備してきたフローネの努力と悪戯心を尊重するならば、事前に告知するわけにはいかない。

もしそんな事をしたら、今度はフローネからの恨みを買う事になってしまう。実に面倒な板挟み状態だ。

「何といっても、それで騒ぎになって事故が起きたら大変じゃ。怪我人も出るかもしれん。それは嫌じゃろう?」

だからこそミラは穏便な形で済むよう、責任逃れのためにも説得を続ける。

すると僅かながらも反応があった。

「それはまあ……嫌だけど……」

怪我人。愉快な事が大好きなフローネも、流石にその言葉は効いたようだ。その目に幾らか妥協の色が浮かび始めた。

それを確認したミラは、ここぞと幾つかの提案を並べていった。今回のドッキリについて、どの程度までソロモン達に伝えるかのラインを決めるための提案だ。

ただ、やはりと言うべきか。フローネの狙いはソロモンと、更には九賢者仲間達。その日その瞬間まで、これらの対象に自分の存在を気取られるような事は絶対に嫌との事だった。

空に突然天空城が現れたとしたら、それがフローネの仕業だとわかっても十分にドッキリするはずだ。

しかし驚くのはそこまで。ソロモン達は、その時点でフローネがする事ならと納得してしまう事になる。

だがそれでは足りないというのが彼女の主張だ。最後に自分が登場して、更に驚かせる二重ドッキリが理想というのだ。

「ふーむ、難題じゃのぅ……」

フローネが関与する秘密のイベントがあるとソロモンに伝えられれば、全ては解決だ。どんなとんでもない事が起きようと、パニックにならぬよう調整してくれるだろう。

だが彼女の名を出さずにとなると、これが意外と難しい。空で凄い事をする予定だからというだけでは通じないのだ。

事は、国の行事に関係する。ゆえに『フローネが』という言葉だけで全て片付けられる部分も、しっかり詳細に説明する必要があった。

ではどうすれば、年越し祭り当日、急に天空城が出現してもパニックにならず、それもイベントの一つだと思わせる事が出来るだろうか。そしてそのようにソロモンを説得出来るだろうか。

方法を考えるも、これといった名案が浮かばない。

と、そうして皆であれこれ考えていたところだ──。

『ねえ、いっその事──』

楽しそうという理由で参加していたマーテルが、とんでもない作戦を提案したのだ。

その作戦とは、『精霊王の有難いお言葉作戦』である。

内容は、年が明けた時に精霊王が登場して新年を祝う言葉を送ってくれる、というもの。

その際、精霊達の力を借りて夜空に精霊王の姿を映し出すようにすると伝えておけば、自然と空に注目するようソロモン達がそれとなく手配してくれるわけだ。

精霊王が新年を祝ってくれる。その影響と意味は、計り知れないものだろう。

ただ、それはソロモンに説明する内容であり、実際にはそこで天空城とフローネが登場するという流れだ。

『なかなか愉快な事を考えたものだな……だが、面白い』

言い訳に使われるとはと苦笑しつつも、意外と乗り気な様子の精霊王。

「……確かに、ソロモンを納得させる事は出来そうじゃのぅ」

精霊王本人がそれでいいのなら、もはや言う事は何もない。

一般にはどのようなイベントがあるのかを伏せて、空を使ったイベントがあるとだけ告知しておいてもらえば、きっとほとんどの者達は花火でも打ち上がるのかと勝手に期待するはずだ。

しかもソロモンは、そこで精霊王がどーんと登場して皆の度肝を抜く──という展開を想像し、その瞬間を待つ事になるだろう。

だが実際は──というのがマーテルの案だ。

精霊王の名を使えるのなら、十分に可能そうだとミラも頷く。

「うんうん、注目したところで、私のお城を見せつけていくって事か。凄くいい! そして皆で空を彩って、私参上! 二重にびっくり! 最高だと思う!」

フローネもまた、マーテルの考えに絶大な賛同を示した。

花火を期待する国民と、精霊王の降臨を待ち構えるソロモン。そのように空へと注目を集めたところで、まさかの天空城の出現だ。更にそこから演出マックスでフローネが登場して帰還を宣言する。

そうなれば、もう国民のみならず、ソロモンもびっくりだろう。びっくりびっくりでドッキリ大成功である。

だが作戦は、まだ終わらない。その後に自分もしっかり登場しようと精霊王が言い出した。

ここで、懸念の一つをついでに片付けてしまおうというのだ。

それは、天空城の扱いである。皆の注目を集める中で、その空飛ぶ島に『 祝福の街(シン・ベネディクス) 』の名を与えると公に宣言してしまうわけだ。

更に、そのまま続けて新年を祝う言葉を贈って作戦完了。

これで結果としてミラは誰に対しても嘘は言っていないという言い訳が完成する。ただフローネについて黙っていただけという形だ。幾らかの小言はあるかもしれないが、怒られる事はまずないだろう。

「うむ、素晴らしい作戦じゃな! まあ、幾らか話題を精霊王殿に掻っ攫われるとは思うが、そこは仕方がないじゃろう。むしろ場合によっては、帰還早々、精霊王殿との関係性を見せつける形にもなるからのぅ。いっそ箔がつくというものよ。どちらにせよ、フローネの帰還と精霊王殿の降臨で、アルカイト王国は年明け早々に大賑わい間違いなしじゃな!」

九賢者最強との呼び声も高いフローネが遂に帰ってくるのみならず、天空城まで引っ提げてきた。しかもその瞬間に精霊王がそれに名を与えて祝福するという二重の大事だ。

話題性は相乗効果で抜群だろう。

しかしフローネと精霊王が同時に出てきたら話題を二分する形になってしまい、フローネの帰還が少し霞むかもしれない。

後は、それをフローネがどう思うかであるが──。

「うん、それでいい。きっと皆が沢山驚いてくれる。それに精霊王さんと一緒なら、きっと拍手喝采で歓迎される。今から楽しみになってきた」

英雄の帰還。建国祭でもそうだったように、それは国を挙げてのお祭りにもなるような出来事だ。いってみれば、主役になれる瞬間でもある。

けれどマーテルの案を採用した場合、同じ舞台に精霊王も上がる形となる。しかも影響力から考えると、精霊王の方が目立ってしまうはずだ。

だがフローネは、一切気にしないと言い切った。

何かと目立つ事の多いフローネ。だが目立ちたがりというわけではなかった。むしろ楽しい事を追求していたら知らずの内に目立っていたという事が多いのだ。

特に今回の目標は、ソロモン達を驚かせる事。ゆえにフローネは悪戯っ子な目をしながら、当日が楽しみだと不敵に笑っていた。

(相変わらずの道楽犯っぷりじゃのぅ)

自分が楽しいと思った事を徹底するその姿勢。フローネもまた、そこら辺は昔からまったく変わっていないようだ。

きっと目立ちたがりのラストラーダであったなら、ここで随分と悩んだ事だろう。そんな事を思いながら、ミラはいつも通りなフローネに思わず頬を綻ばせるのだった。