軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

68話 買物するがお金足りない

今日は全員で買物に行く。

昨日の夜に買いたい物を書き出し、皆んなで優先順位をつけた。

買物一覧表

①下着 全員分

②ラフな作業着(仕事用) マルたん除く全員分

③靴

④食器

⑤鍋・フライパン

⑥布地

買出しリストには食料品は入っていない。パン、卵、肉などの食料は毎日あっちゃんとアリサが買出しに行ってくれているからだ。

こちらの世界には冷蔵庫が無いし、保存料とかも含まれていないようなので日持ちがあまりしないのだ。

必然、食料は毎日買出しになる。

なので月曜日(日本の暦認識で)に一週間分の食費を缶から取ってもらっている。

ちなみにやまとから持ち出した防災用のカンパンやご飯・缶詰は、いざという時用にアイテムボックスにしまって置く事に満場一致で決まった。

今日の買物リストの第一位、パンツ(下着)。

「パンツが欲しい!」と、みんなから一様に声が上がった。

こちらに来てから、夜寝る前にパンツを洗って部屋に干し、ノーパンで寝て朝起きたらそれを履く。

を繰り返していたがたまに生乾きの時もあり、とにかく「パンツ買って」の声が一斉にあがった。

そこで初めて、アイテムボックスの俺の防災グッズに下着もあった事を思い出し、ヨッシー達に怒られた。

トランクスとブリーフが合わせて20枚あった。3人で分けてひとり6枚ずつ。

なので今回の買い物では女性陣とダンやアリサ、マルクの分のパンツを複数枚ずつ買う事になった。

市場の中はフリーマーケットのような感じで、食べ物以外もいろいろある。

中古の服屋のようなテント中に山積みにされた服の中から下着っぽい物を掘り返した。

女性陣から「他人の着古した下着は気持ち悪い」という声があがったが、新品のパンツの値段を聞いて、中古で納得してくれた。

「うん。3回洗ってから履こう」

あっちゃんもユイちゃんちょっと涙目だったが見なかった事にする。

まあ、日本の下着のように身体にフィットしたデザインでないのが救いだ。

確かに、人が履いたブリーフはちょっとな。それを履くくらいならノーパンの方がマシだ。

こっちの世界の下着は、ガポっとしたトランクス的なデザインだった。しかも男女ともに。

ふんどしやヒモパンみたいのもあったが一般市民には不人気のようだ。

ちなみにお貴族さまがたはもっとフィットしたデザインらしい。

ついでに山積みの中から、作業着兼普段着を各自2着ずつ選んだ。

当初着ていた各自の服は作業や家事で汚れたりほつれたりと何度か洗っていくうちにヨレヨレになっていた。

日本のように服に優しい洗剤とか柔軟剤はない。(見つかってないだけかもしれないが)

あちらの世界から着てきた服が、柔らかくていい香りでシワのない服に戻る事はもう二度とないだろう。

日本の職場でも最近はカジュアルOKになってきていたが、所詮は事務職のサラリーマン、OLが着ている服だ。

アクティブで無い事は確かだ。

その非アクティブな服でこの世界で建築現場のような場所で作業を行なっていたのだ。

働きづらい事この上なかったし、もっと作業がしやすい服が欲しいと意見が一致したのだ。

もちろん俺の個人的な防災グッズの中にも“現場で働く用の服”なんて用意してなかった。

”助けを待つ用”だったからね。

そのテントで下着と服の代金を支払ったら、今日の買物用のお金が半分以上なくなった。

「1番2番でお金かなり減ったー」

「え?まだ3、4、5、6あるぞ」

「いや、これ、靴とか無理じゃないですか?」

「靴かー高そうだな」

市場の人混みの中、歩いている人の足元を見る。みんなも釣られて見ていた。

「靴っていうか、サンダルみたいな感じかな」

「皮を足に巻いて紐で縛ってる?」

「 地下足袋(じかたび) みたいな人もいる」

市場の中は割と軽装な感じの足元の人が多かった。

「街の外に出る人らは結構重装備な足元だったな」

「ああ、冒険者というかモンスターと戦う人らの履いてたやつね」

「今回は資金の都合で3番の靴は見送るか?」

「そうですね。もう少し貯金が貯まってからでもいいのかな」

「じゃ、次4番、5番の食器、鍋、フライパン」

現在はサバ缶ツナ缶などの空き缶を食器がわりにしていた。

スプーンとフォークはマイ防災用の使い捨てのプラスチックのやつを洗って大事に使い回している。

「食器……も、今回は我慢してお鍋とかを先に買いましょうか?」

現在は鍋がひとつしかないのであっちゃんは苦労していた。

鍋で目玉焼きやベーコンを焼いた後、すぐその鍋でスープやシチューを作らなければならず、温かい料理を全員分同時に出すのはまず無理だった。

「うん 俺、缶食器でいいや」

「缶食器 おしゃれですよね」

「ア、アメリカ的な?」

「よっし!じゃあ、鍋を探しにいくぞおお」

「あ、手分けして市場の中を散策して、一番安い鍋を見つけましょうよ」

珍しくユイちゃんからの提案。

「そうだな。一番安い鍋を見つけた人は今日のオヤツにチョコつけるってことで」

「マジかああ、俺はヤル」

「チョコ! 俺頑張る」

ヨッシーは予想通りの食いつきだったが珍しくダンも食いついてきた。

ダン、チョコ食べたかったのか。

オヤツはマルたん中心でダンは遠慮しているとこがあった。考えてみたらダンもまだ10歳なんだよな。食べ盛りの子供だよな。

「はーい、皆さん聞いてくださーい。直径30〜40センチ前後で深さもそれくらいの深鍋と、50センチくらいの大きなフライパンのようなモノ! 探してくださーい」

あっちゃんが皆んなに聞こえる声で必要なサイズを説明した。

「じゃあ、30分後にここ集合な。時計持ってないダンはユイちゃんとペア、アリサはあっちゃんとペア、マルたんは俺が抱っこしていく。よおおし! スタート!」

みんなが鼻息荒く四方に散っていった。

もちろん俺も。

勝者は執念のダンとユイちゃんペアでした。

ダンはユイちゃんの手を引っ張り、人混みをひょいひょいと進んだ。

途中途中で店情報を聞きつつ、それらしい店を見つけると、今度はユイちゃんが鍋の説明、ダンが値段の交渉。

5つの店をまわり一番安い値の場所をしっかり覚えて集合場所へ。

あっちゃん・アリサペアは、身重のあっちゃんを気遣いスローペースでの散策となったようだ。

ユースケは最初こそ鍋を探していたが、途中からいろいろな物に目がいってしまい、ただの市場散策になった。

チョコを狙っていたヨッシーは、調理器具を売っているテントをがむしゃらに周り、値段を聞きまくった。

だが、値切り交渉してなかった事と、グルグル回りすぎて迷子になってしまいアウト。

あ、俺はマルたんが可愛いかったので市場を散歩しながら遊んだ。

というわけで、優勝者はダン・ユイちゃんペアだった。

ふたりが見つけた店に皆んなで戻り、鍋とフライパンをゲットした。

ちょうど隣に古着屋があり、聞いてみたら布地の端切れもあったので安く売ってもらった。

そう、6番の布地。これは、みんなのタオル・手拭いがわりだったり、フキンや雑巾、服が破れた時の当て布などで使うためだった。

靴と食器は見送ったが、何とか欲しい物はゲットできた。

有意義な1日だった。

もちろんダンとユイちゃんにはマイ防災グッズの中から、ティロリンチョコの詰め合わせの袋を渡した。

ダンは袋の中のチョコの種類をユイちゃんにいろいろと聞いた後、みんなにも一個ずつティロリンチョコを配っていた。