軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

158話 ワクワクの28F

そうして『28F』の階段前に到達した。そこで山さん達は地図作成作業だ。

肉、果物、蜂蜜…と来たら、次の階では何が貰えるだろう。俺はワクワクとして山さん達が地図を描き終えるのを待った。

「終わりました」

山さん達が道具をバッグにしまったのを見てゴルダが28Fへの階段の壁を開ける床を踏みながら振り返った。

「28Fの魔物を確認後、同じように28Fを網羅して地図を作成する。

今日は行けるとこまで進もう」

「わかった」

「おう」

「あいよ」

「はあーい」

「はい」

「…はい」

「ふぁい」

食いモンだよな、この流れ、絶対次も食いモンだ。

肉、果物、蜂蜜…と来たら、野菜か?いや、穀物か?魚かぁぁぁ!

俺のゲームにはいなかったがマグロ落とす魔物とかかもしれん、ふふふ。

果たして。

28Fの魔物は、ゴーレムでした。しかも、ストーンゴーレム!ドロップは硬い石。意味わかんね。

石貰って「わぁい、嬉しい。ありがとう」ってやついるんか?てか重いし、どうやって持って帰るん?

俺はいいよ?アイテムボックスあるから?でも普通の冒険者は困るやろ?石、貰っても。いや、俺も石いらんけどね? 使い道が思いつかぬ。

ゴルダも微妙な顔していた。星影の奴らも困った顔だった。

「俺はやらん。剣が欠ける」

「私も無理〜。石に矢は刺さらないわよ」

「うんむぅ、盾に短剣では役に立たん」

あ、なんだ、ドロップにガッカリしていたのではないのか。石ゴレ(ストーンゴーレム)の攻略に対して微妙な顔だったのか。

「どうするか」

ゴルダも困っていた。

「石ゴレは動きも遅いし避けて進めばいいんじゃないか?」

「そうなんだが、このフロアの完成した地図でもあれば避けて進むのは可能だが、現状はまだ地図がない」

「そうね。闇雲に進んで行き止まりでトレインしたゴーレムらに追いつかれたら詰むわ」

「カオさん……ゲームでは、どうしてました?ゴーレムいる狩場とか…あったのかな」

キックがゲームを思い浮かべているようだった。俺もゲームを思い出す。…………あったな、ゴレの狩場。

「あぁ……ゴーレムいたな」

そのひと言にゴルダの顔は明るくなる。

「ゴーレムを倒す魔法を使えるか?」

「いや、魔法……というか…」

困ったな。ゲームでは動きの遅いゴレを俺が大量に引き、PT仲間かサモンが倒していく方法だった。

そ、俺の得意な引き狩りだ。しかし、今この状況でそれは無理だ。俺が引いても倒すやつがいない。

「こないだのゴブリン氾濫と同じ引き狩りで、ゴレも俺は引き役だったからな」

「そうか……ん? だがそうすると周りのやつらはゴーレムを倒していたんだな? どうやって?」

あれ?皆んな剣で倒してたよな?

「そもそも、石ゴレじゃなくて鉄ゴレだったし…」

「何! 鉄ゴレだと?」

「そう、アイアンゴーレム」

「アイアンのが硬いじゃない。石より剣の刃は入らないわよ」

あれれ?あ、そっか?……ああ!ダマ剣。鉄ゴレや他の硬い敵の時は皆ダマ剣に持ち替えてた!

「ダマ剣! ダマ剣でやってた」

「だま剣? 何だそれ」

「ダマ剣、何の略だっけ?えと…」

「ダマスカスソード」

ナイスだ、キック。

「そう! ダマスカス剣。鉄ゴレ叩いても壊れない、らしい」

俺は使ってなかったが、みんなそう言ってたな。ゲームのシステム上だけかもしれないが、『壊れない剣』で有名だった。

それとサモン、すっかり忘れていたが俺はいつもサモンに戦わせていた。石ゴレくらいならサモンがサクサク倒してくれそう。

「ダマスカス剣か…」

ゴルダの眉間の皺が増えた。

「持ってる冒険者いるかしら」

「どっちにしても一度戻りますか?」

あ、俺持ってる。女神倉庫からアイテムをボックスに移し替えた時何本かあった気がした。確認してみると5本あった。少ないな。

当時は自分が使わないから店売りしてた。

「ダマ剣ある。持ってるぞ俺」

慌ててアイテムボックスから出した。

「凄えな、魔法使い。何でも持ってるな」

ラルフが感心した顔で俺の背中をバンッと叩いた。

ケホッ。

とりあえず4本出してゴルダと星影の3人に渡した。山さん達には渡さなかったのは数が足りなかったのもあるが、ゴレの接近戦は慣れていないと叩き潰されると思ったからだ。

ダマ剣もドロップした物で強化も祝福もしていない素のものだが、無いよりはましだろう。

「ええと、こっちで使うのは始めてだから本当に壊れないかはわからん。ゴレを1匹引いてくるから試してみてくれ」

「そうだな。切れ味を確かめたい」

「そうね」

弓を背中にしまったリザイアも剣を何回か振っていた。弓以外も使えるのか。

フィルも盾を背中に担いでダマ剣の握りを確かめているようだ。Aランク冒険者って凄いなぁ。

「あ、あとサモンを出す。もしダマ剣がダメだった場合、サモンにやってもらう」

「そうか、カオにはそれもあったな」

俺を見たゴルダの眉間から皺は消えていた。さて、硬さに強いサモンは何だろう。

「サモン…」

目の前に開いた一覧を眺めるが、どれが硬い敵に適しているモンスターなのかわからん。

何しろゲームでは自分のレベルにより出るモンスターは決められていたので自分で選んだ事がなかった。

うぅん、困った。あ、これにするか。

「サモン、アイアンゴーレム!」

鉄ゴレが3体出た。

「え…」

「はぁ?」

うん、石ゴレの鉄版な。だって選ぶの面倒だったから石より堅そうなコレにした。

「アイアン……ゴーレムか」

「初めて見たぜ 確かに堅そうだ」

「とりあえず引いてくるぞ」

引きにはゴルダが行く事になった。ゴルダが俺達を残して通路の先へ走っていった。

すぐに3匹のゴレを引いて戻ってきた。サモンの鉄ゴレには『待て』と命じてある。

ゴルダの後に付いて来た石ゴレがゆっくりと俺達の方に進んでくる。

ゴルダとすれ違いにまずラルフがゴーレムに向かって行った。

ゴーレムがラルフを狙って両腕をゆっくりと上げた瞬間、ラルフはダマ剣を袈裟斬りに振り抜いた。

サックリ

ガラガラガラ…

一刀両断に石ゴレが崩れ落ちた。

「おおおお! 斬れるぜ、こいつは」

「私もやるわ」

リザイアがゴーレムに向かい剣を奮った。動きが遅いゴーレムはあっという間に斬り伏せられた。残り1匹はゴルダが斬った。

「何だこの剣は、凄い切れ味だな」

「そうなんだよ。まるでクーメルを切ったみたいだった」

クーメルとはこの世界の食べ物で、日本で言うところの豆腐のような柔らかい練り物だ。

「俺も試したい」

普段は盾職のフィルさえもダマ剣を試したくてウズウズしていた。再びゴルダが引いてきた石ゴレをフィルも斬ってみた。

石ゴレを問題なく倒せる事がわかり再び進み始めた俺達だったが、俺は猛烈に反省中だ。

召喚したサモン、鉄ゴレの歩みが遅いのだ。もの凄く遅い。石ゴレも遅いが鉄ゴレも遅い。

ダマ剣が使える事がわかった今、サモンしかも移動がメチャ遅いサモンは完全に足枷だ。結局サモンは消した。

そして28Fのマップを埋めつつフロアを歩き回った。

時にはゴレを突っ切り、追いかけて来ても置き去りにしてサクサクと28Fマップはクリア出来た。

『29F』への階段の前で山さん達の地図作成作業を行い、『29F』へ。