作品タイトル不明
18「ついに再会じゃね?」②
かつて――と、言っても数日前のことだが、夏樹と一登はジャックと共に宇宙に飛び立ったことがある。宇宙を満喫している彼らの元に、ジャックの妹であるジェシーから救難信号を得た。なんでも、宇宙海賊に船ごと襲われていると言う。
ジェシーを助けに行かないという選択肢は夏樹たちになかった。
すぐにジェシーの元へ駆けつけ、夏樹は魔剣と魔法を使い海賊をひき肉とし、戦艦を潰し、両断した。一登はジャックから借り受けた宇宙的なサーベルと、ビームの出る拳銃だった。夏樹も使いたかったが、宇宙的な武器を使うよりも夏樹自身のほうが強かったので、泣く泣く我慢した一幕があったりしたが、無事に三人で無双してジェシー・ランドック・ジャスパー・ウィリアムソン・花巻をはじめ、多くの宇宙人を救ったのだ。
その際、幾人かに「あの、お名前は」と尋ねられた夏樹と一登だったが、「名乗るほどものではございやせん」とカッコつけて地球に帰っていた。
その際、夏樹や一登に「とぅくん」してしまう者が何人かいたのだが、そのひとりがジェシーであり、「とぅくん」した一登と再会するために地球に来ていたのだ。
「ジャック兄さんのお友達と聞いたので地球に来れば会えると信じていましたよー! でも、こんな早く会うことができるなんてー! 創世の神々に感謝ねー!」
もう離さないよー、と力一杯一登を抱き締めるジェシーだが、その豊かな胸部が一登の顔に押し付けられてしまい、思春期な少年は顔を真っ赤にしていた。
「ちょ、ジェシーさんが探していた想い人って一登きゅんだったんですか!?」
「そうでーす! 運命の人でーす!」
「ま、まさか懇意にしているジムインストラクターさんが恋のライバルだったなんて……」
ショックを受けた天照大神は、自分とジェシーを比べた。
顔だけなら大和撫子といえる美人な部類に入る天照大神に対し、ジェシーはアメリカンなブロンド美女だった。ここは互角でいいだろう。
胸部も控えめながらそれなりにある天照大神と、ばいーんと効果音がつきそうな豊かなバストを持つジェシーだ。悔しいが、敗北かもしれない。
続いてウエストは比べるまでもなく天照大神の圧勝だ。
ヒップに関しては、たゆんたゆんしている天照大神に対し、どーん、と引き締まりながらも大きさを誇るジェシー。これは好みの問題だろう。
「――いい勝負ですね。しかしこちらも大和撫子の代表と言ってもいい女神です。なかなかやる、と褒めてあげましょう」
「いや、おどれの負けじゃろう! なんで上から目線なんじゃ!」
「小梅さんだって負けているじゃないですか! いくら長身のモデル体型とはいえ、全体的にすらっというか、すとんっ、な小梅さんだってジェシーさんのわがままボディには太刀打ちできませんよ!」
「……わがままボディとか久しぶりに聞いたんじゃが。というかのう、俺様はこの洗練された肉体が売りだからええんじゃ! 見よ! このスレンダーな肉体! 戦いで鍛えたおかげで引き締まり、足も長く美脚じゃ! 茶の間でお茶飲んでいる時に夏樹がちらっちら視線を向けてしまうほどじゃぞ!」
「ちょ、やめて! 思春期の少年を追い詰めないで!」
「えぐいですねぇ。海外のモデルさん顔負け美人な小梅さんですから、思春期の男の子がチラ見してしまうのは仕方がないと思います。聞けば、由良くんは美脚派のようですし」
「太陽神にまで美脚好きが知られちゃった! 俺もうお天道様の下を歩けない!」
なぜか夏樹の性癖と、小梅に対する視線までバレていることが明らかとなり、思春期の少年には大きすぎるダメージが当たられてしまった。
そんな夏樹の肩を、義政少年が慰めるように叩いた。
「年を重ねると性癖は増えるものなので気にしなくていいんですよ。征四郎おじさんも、そろそろJKに陥落しそうですし」
「待て、義政! おじさんのプライベートを暴露しないで! それにまだ陥落はしないぞ!」
「時間の問題かと思います」
くいくい、と義政少年が征四郎の秘密を口にする。
「やれやれ、こいつらはまともな話ができやしない」
「だよね」
千手と祐介が呆れながら肩を竦めたが、ふたりも大概である。
「……賑やかだね。今までの水無月家とは違うから驚きかな」
「違いすぎるでしょう! こんなに愉快な家になるなんて思いませんでしたよ!」
苦笑する澪だが、都は頭痛を覚えたように額を抑えるも、
「まったくっすね。常識人は苦労するっす」
「あんたも向こう側だろ!」
こっそり常識人ポーズする銀子に、声を張り上げるのだった。