作品タイトル不明
プロローグ「ぐっすり眠るんじゃね?」
由良夏樹はベッドの上ですやすや眠っていた。
久しぶりに戦わなかったせいか、異世界から帰還してから全快したことのない身体がゆっくり休めることができていた。
「むにゃむにゃ……こ、これは……良いギャラクシーな河童ですねぇ」
きっと幸せな夢を見ているのだろう。
にこにこしている。
四月も終盤だが、最近は暖かくなったので半袖半ズボンに羽毛布団一枚だけで快適に眠れている。
「もにゃもにゃ……はるこしゃぁん」
床に敷いている布団の上では、シルクのパジャマを着たサタンが布団を丸めて抱き枕にして眠っている。
夏樹同様に、ニコニコとしているのできっと良い夢を見ているのだろう。
明日も休みなので、夏樹はゆっくり休むことにしていた。
イベントがないのであれば、存分に休ませてもらう。
そういうことで前もって起こさないでくれと頼んである。
一度、身体を全快したいというのもある。
異世界では負けなしだった夏樹だが、地球には強い相手がたくさんいる。
魔族からは魔王サタン、魔族サマエル、リリス。遠い星から、いつる・ディロン・マルセー・ロットロット・ナイジェルマリー・赤星。そして、月読命、天照大神、素盞嗚尊など日本を代表する神たちもいる。
素盞嗚尊とはガチバトルをして、一応は夏樹の勝ちとなっているが、お互いに本当の意味で全力は出していない。特に、素盞嗚尊は本気ではなかったはずだ。
異世界で全力で戦ったアマイモンも、夏樹が限界を超えなければ戦えなかった。対して、アマイモンは強くなりすぎたせいで身体が限界であったのだ。お互いに万全の状態で戦えば、結果はわからない。
小梅の姉花子も夏樹より数段階強いだろう。
幸いというべきか夏樹よりも強い神や魔族たちは敵ではない。
良き隣人であり、友であり、家族である。
新たな神々にも強い敵がいるだろう。
ならば、夏樹は力を取り戻す。
力を得るのだ。
よく食べ、よく休む。
健全な肉体に健全な力を宿すのだ。
肉体も成長期である。
心も身体も成長させて、かつての限界を超える力が欲しい。
家族を守るのだ。
友を守るのだ。
そして、自分自身を守るのだ。
夏樹は眠る。
もう悪夢は見ない。
――由良夏樹のレベルを上げようかどうしようか悩んでいる。
「―― Warum(なんで) !?」