軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第13話「なんでこう面倒ごとに巻き込まれるかな!?」

なぜだろうか? 前から言われることはあったが、みんな俺を見ると揃って「変な奴だな......」と口にする。

それは目の前の男、クロノス・アルベルトも同じことで......

「お前、変な奴だな......」

「全く、全員それしか言えないのか」

「戦い以外の才能はあるんだろう。それは認めよう。だから——」彼は真顔に戻った。「精々その才能を潰さないように、無駄に危険に近づくな。怪我しないよう、大人しく引っ込んでいな」

「それはどういう意味で言ってる」

「字面通りの意味だ」

「俺の勘違いだったら悪いんだがな、俺にはその言葉、俺のことを”心配“しているように思えたぞ」

「……そんなわけがないだろ、俺はお前みたいな弱者のことが嫌いなんだ」

「語気が強くなったな......図星か?」

「うるさい!!黙れ!!」

「……まあ、おとなしく黙っといてやるよだがな.......」俺は少し考えて言った。「一応、中の構造の話だけしておいてやる」

「フッ、弱者の言う事をこの俺が聞く必要があると本当に思っているのか」

「あー、これは俺の”一人言“だから、聞きたくなきゃきくな。.......入り口は広くて入りやすいが、奥に進むほど出口が減っていく構造だ。簀の子と同じで、知らずに進むと戻り道がなくなる。だから気をつけないとなー」

クロノスが少し止まった。

「……それは確かな情報か」

「弱者の感覚だから保証はできないが、まあほとんど外れたことはないな」

「やっぱり”あいつ“と同じなんだな——参考にさせてはもらおう」

それだけ言って、クロノスは仲間を引き連れて歩き出した。

「あ、あと」俺は背中に声をかけた。「戻れなくなったら呼べよー!出口まで大体のことはわかってるから」

クロノスは振り返らなかった。しかし、耳が少し赤くなった気がしたのは俺の気のせいだろうか.......

(にしても”あいつ“って誰なんだ.....?)

あの一言の中に、クロノスの行動の真意が含まれている事を、まだ、そこにいる全員が知らなかった。

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それからの三十分が、人類史上最もうるさい待機時間だった。

廊下のベンチに三人で座って、俺が本を読んでいたら、アイラが五分おきに「まだ来ないの」「私が行った方が早くない」「金髪、絶対ピンチになってるよ」と言い続ける。

「うるせえな!!一旦落ち着け!!!」

「落ち着けないんだよ!! あの人、私のことバカにしたし!!」

「お前のことはしてないだろって.......」

「なんか全体的にしてた気がする!!」

「気のせいだ、気にするな」

「気のせいじゃないー!!」

セレフィーナは手帳を開いたまま、静かに言った。

「アイラ、少し声を落としてください。……レインもですよ」

「俺、注意しただけなのに、世界は理不尽すぎる!!!」

「そんなことは置いといて、本当に彼らは大丈夫だと思いますか?」

「どっちの意味でだ」

「アルベルトたちが、無事に戻れるかどうかという意味です」

俺は本のページをめくった。

「……正直に言うと、厳しいかもな」

「やっぱり......」

「中の構造を話したと思うが——あの簀の子型の罠、入った後で気づいても遅いんですよね。本人たちが気づく頃には、もう戻れなくなってる可能性が高い」

「ーーー行くつもりですよね」

「.......状況次第だがな」

「状況が悪化したら行くということですか、」

「まあ……そうなのかもな」

「一応聞きますが、行かないという選択肢は....」

「セレフィーナが一緒に来るというなら止めるが、俺だけが行く分にはは止めなくていいだろ」

「私も行きます! いや、行かせてください!」

「それはダメだ」

「なぜですか!」

「セレフィーナが一緒だと、心配で集中できないからな」

「……」

「準備運動しているところ悪いが、アイラも同じ理由だ」

「なんで私まで!!」

「二人のことを同時に心配するのは難しいからな」

しばらく沈黙があった。

アイラが「……ずるい言い方するじゃん」とぼそっと言う。

セレフィーナの手帳を持つ手が、ぴたりと止まり、耳が赤くなった。

「…………それを言うのはずるいです」

「本当のことだからな」

「本当のことだとしてもずるいです!」

「おい、学年主席! 語彙が矛盾してるぞ」

「うるさいです! そんな軽口を叩く子は知りません! さっさと行ってきてください!」

廊下の向こうでエリクが「なんか、また俺だけ蚊帳の外で悲しぃ」と呟いていた。

それから三十分後.....顔面蒼白の一年生が走ってきた。

「た、大変です!! 北棟からアルベルト先輩の連絡が——出られなくなったと!!」