軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第084話 無人島へ

4人で話をしながら過ごしていると、1時間ぐらいが経過する。

「あまり揺れないな」

軍船は揺れるイメージがあった。

「海が穏やかなんだよ。ああいう雨が降った後は穏やかになるんだ。逆にちょっと荒れてくると、雨が降るって言われている」

「へー……そんなもんか」

そういう経験も含めた気象予報なんだろうな。

「あ、島が見えてきましたよ!」

ウェンディが嬉しそうに教えてくれたので立ち上がり、窓の方に向かった。

そして、窓に張り付いているウェンディをどかして抱えると、窓の外を覗く。

「ほー……」

島はそこまで大きくなく、直径で2、300メートル程度しかないと思う。

何故大きさがわかるかというと、島の岸にはこの船と同じ船があるからだ。

「見せてくださいよー」

エルシィが服を引っ張ってきたので場所を譲った。

「おー、島だ」

「私も、私も」

「俺も見せてくれ」

エルシィ、ニーナ、カルロと窓の外を覗いていく。

「ふーん、そんなに大きくないな。船の被害もそこまでって感じだ」

カルロが窓の外を眺めながら頷いた。

「1日で終わりそうか?」

「多分な。ここから見る限り、損傷はないし、船底をやられたってところだろう。島に木がたくさんあるし、材料が足りないってことはない。2日はかからないだろうな」

専門家は遠くから見てもわかるらしい。

俺達が交互に外を眺めていると、島に到着し、船が止まった。

外を見ると、物資を下ろしたり、船を確認している兵士の姿が見える。

これからどうするんだろうと思っていると、ノックの音が部屋に響いた。

「はい?」

カルロが答えると、扉が開き、少佐が部屋に入ってくる。

「無事、目的地に到着した。しかし、少し、準備がいるので待っていてくれるか? 準備ができたらまた呼びに来る」

「はいよー」

カルロが返事をすると、少佐が頷き、退室した。

「あの……先輩、あの船って軍船ですよね?」

窓の外を見ているエルシィが聞いてくる。

「そうだろ。どうした?」

「いや……ちょっと」

エルシィが手招きしてきたので一緒に狭い窓から外を覗く。

この位置からは漂着した船が見えており、やはり軍船だと思う。

しかし、船の近くにはその船の乗組員がいるのだが、軍服を着ていないうえにガラが悪いように見えた。

というか……

「海賊っぽいな……」

「ですよね……」

「どれどれ」

ウェンディがやってきて、上から逆さの状態で窓の外を見る。

「何してんだ?」

アクロバットだな……

というか、ゴ……

「別にいいんじゃないですか。それよりもあの人達は海賊さんなんですか?」

「っぽく見えるな。でも、軍の連中が捕まえる雰囲気はない」

こっちの船の軍人と普通に話しているし、中には治療を受けていたり、もらったパンを食べている人間もいる。

「カルロ、わかるか?」

「んー……何て言おうか……海賊っていうのも半分当たりだな」

半分?

あー、そういうことか。

「私掠船か」

「あ、それそれ」

カルロが頷いた。

「それ、何ですか?」

エルシィが聞いてくる。

「国に認められた海賊船だ。敵国に限り、海賊行為をしていいってやつだな」

「そんなのがいるんです?」

「戦略の一つだろ」

「えーっと?」

エルシィが説明を求めて、カルロを見る。

「ウチは西のランスやイパニーアとは同盟を結んでいるし、仲が良い。しかし、東の諸国とは昔から仲が悪く、中には何度も戦争をしている国もある。今は落ち着いているが、それでも多少の小競り合いがあるんだよ」

「その小競り合いが私掠船……ですっけ? それなんです?」

「その一つだな。これについての善悪は言及できない。好意的に見れば国や町を守ってくれているわけだしな」

というか、軍も海賊も相手から見たら変わらんだろ。

「なんか怖いですね」

「カルロ、さすがに襲われないよな?」

「そりゃそうだろ。あれが軍籍なのかどうかは微妙だが、味方の民間人を襲ったら縛り首だ。軍は厳しいからな」

まあ、さっさと仕事をして帰ればいいか。

「エルシィ、俺のそばから離れるなよ」

「はーい。先輩、かっこいい!」

エルシィがご機嫌で腕を組んできた。

「兄さん、私にも何か言ってよ」

「言ってほしいのか? 俺に?」

「やっぱいいわ……」

俺達はその後も外を眺めながら待っていると、再び、ノックの音が部屋に響いた。

「はい?」

今回もカルロが答えると、扉が開き、少佐が部屋に入ってくる。

「待たせたな。まずは船の状態を見てほしい」

「わかった」

俺達は少佐と共に部屋を出ると、船から降りた。

そして、砂浜に漂着している船のところまで行く。

すると、船の中から大柄で髭面の40代くらいの男性が出てきた。

雰囲気的に船長のように思える。

「おう、少佐! そいつらが修理屋か?」

なんというか……いかにもだな……

「ああ。優秀な錬金術師を連れてきた」

「おう! 俺はこの船の船長のアラムだ! よろしくな!」

アラムはそう言って手を差し出してくると、先頭にいたカルロも手を差し出して握った。

「カルロだ。早速だが、破損箇所と破損具合を確認したい」

「頼むぜ! こっちだ!」

アラムが少佐と一緒に船の中に戻っていく。

「ちょっと俺が見てくるからお前らはここで待っててくれ」

「わかった」

頷くと、カルロも船の中に入っていったので残った俺達はその場で待つことにした。