軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第165話 大金を得る

その後もニーナとフェルナンは硝石の交渉に入ったが、こちらに関してはニーナが早々に降り、50万ゼルで購入を決めた。

ニーナはまったく悔しそうにしておらず、おそらく、この辺りも経費としてイラドに請求すると思われる。

「今回は非常に良い取引でした」

「こちらこそ」

フェルナンとニーナが笑顔で握手した。

どちらも儲けが出るのだろう。

正直、一番ホクホクなのは俺達だったりするが。

「ところで、ニーナさん、50キロもの硝石はどうするのですか?」

フェルナンがニーナに聞く。

「明後日に貨物列車でゲイツのトールハイルに向かうわ。だから硝石は明後日に渡してくれればいい」

「もし、よろしければ北の駅までお持ちしましょうか?」

「いいの?」

「当店では馬車も用意しておりますのでそういうサービスもあります」

大手だな。

「それは助かるわ。魔法のカバンは持っているけど、さすがにそれだけの硝石は入らないからね。他にも買おうと思っているし、ぜひお願いするわ」

俺達のカバンでもちょっと難しいかもな。

私物が入っているし。

「いつの便ですか?」

「12時の便ね」

「では、11時に駅にお持ちしましょう」

「ありがとう。じゃあ、これが代金ね」

ニーナが札束を取り出す。

「ありがとうございます。こちらも8000万ゼルを用意しましょう。少々、お待ちください」

フェルナンがそう言って、ニーナから受け取った札束を数え始めると、シラスが立ち上がり、部屋から出ていった。

「8000万もよく持ってるわね?」

ニーナが笑いながら聞く。

「こういう取引は稀にあるんですよ。過去にはゼルを用意している間に他所に取られたこともあります。あれほど悔しいことはありません」

「わかるわね。でも、8000万ゼルをポンッと出せるのはさすが大手の商会さんよ。ウチはとてもじゃないけど無理」

普通のところは絶対に無理だろうな。

「高価なものを扱ってますから……さて、確かに50万ゼルです」

フェルナンは札束を数え終わったようだ。

「他にもチーズとかカカオを買いたいんだけど、良かったら店を紹介してくれないかしら?」

「そういったものなら西の方にあるバイヤール商店がよろしいかと思います。この町では老舗ですし、当店とも付き合いのある信頼できる店ですよ。紹介状でも書きましょうか?」

「いいの? お願いしたいけど……」

「もちろんですよ。8000万ゼルを用意している間に書いてきましょう。少々、お待ちください」

フェルナンはそう言って立ち上がると、部屋から出ていった。

「なんか至れり尽くせりだな」

「それだけ金貨がウハウハだったってところですよ」

インゴットの方ではなく、金貨か。

「そんなに高いのか?」

「金というより、歴史のある骨董品という付加価値ですね。ランスの貴族は見栄っ張りで有名ですから高値を出して買うんじゃないですかね? 多分、フェルナンさんにはその伝手があるんでしょう」

俺達にはない伝手か。

時間もないし、貴族に近づきたくない俺達にはどうしようもないな。

「そこは仕方がないだろう。それよりもおかげで店を経営する資金がかなり貯まったぞ。ありがとうよ」

実はこれでついに所持金が1億ゼルを超えた。

目標額の1億2千万ゼルまであと少しだ。

「それは良かったです」

俺達がそのまま待っていると、フェルナンと共に大量の札束が積まれたワゴンを押すシラスが部屋に入ってきた。

「お待たせしました。まずはこれが紹介状です」

フェルナンがニーナに封筒を渡した。

「ありがとう」

「いえ。そして、これが金のインゴットと金貨の代金です。お確かめください」

フェルナンがそう言って、シラスと共に札束をローテーブルに置いていく。

「確かめる?」

「これをですか……」

「お金がいっぱいです!」

俺とエルシィはめんどくさそうな顔になったが、ウェンディはローテーブルに降り立ち、喜んでいる。

「私も手伝いますから確認しましょう……」

ニーナがそう言うので俺達は手分けをして、札束を数えていく。

「大変だな……」

「お金を自動で数える機械でも作れば良かったですねー」

ホントにな。

「使い時が限られる機械ね……」

普通はこんな大金を得ることなんてないからな。

「まあまあ。幸せの数を数えているだけですよ」

ウェンディも手伝ってくれており、1万ゼル札を数えている。

なお、フェルナンとシラスはそんなウェンディを不思議そうな顔で見ていた。

「確かにそうだな」

「私達の夢の資金ですからね」

俺達はかなりの時間をかけて、数えていくと、1万ゼル札が100枚一束になったものがちゃんと80個あった。

「確かに8000万ゼルを受け取った」

「ええ。この度はありがとうございました」

フェルナンが頭を下げてくる。

「こちらこそ感謝する。俺達もアトリエを開く目的があったから非常に助かった」

「それは素晴らしいことですね。またの機会がございましたらぜひともよろしくお願いします」

フェルナンがそう言って手を伸ばしてきたので握手をする。

そして、立ち上がり、部屋を出ると、店をあとにした。

「もう昼だな」

すでに12時を回っている。

「お金を数えるのに時間がかかりましたからねー」

交渉の何倍かかったんだろう?

「レスター先輩、エルシィ、バイヤール商店に行くのは昼食後にしましょう」

それが良いな。

腹減ったわ。

「どっかで食うか」

「「さんせー」」

俺達は昼食を食べに行く。

そして、午後からはバイヤール商店に行き、ニーナが言っていたチーズやカカオを購入していった。