軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第149話 まさかの再会

「カルロ?」

「ニーナちゃん?」

なんか同級生が妹とカップルしか乗りそうにないボートに乗っているんだけど?

というか、こいつら、なんでここにいるの?

「よう」

「なんか邪魔しちゃってごめんね」

いや……

「なんでいんの?」

「まあ、ちょっと待ってくれ。よっと……」

オールを持っているカルロが桟橋にボートを着ける。

そして、俺達とは違い、軽快な足取りで桟橋に上がってきた。

「兄さんがモテないのはそういうところでしょ。レスター先輩の紳士っぷりを見てなかったの?」

ニーナがまったく手を差し伸べる気配のないカルロに文句を言いながら拙い足取りで桟橋に上がってきた。

「お前に抱き着かれても気持ち悪いし」

「私はエルシィみたいなわざとらしいことはしないし、そもそも兄さんに抱き着くことなんてない」

相変わらず、仲の良い兄妹だな。

「いや、私もわざとじゃないんだけど」

エルシィが顔の前で手を振り、否定のジェスチャーをする。

「無理無理。エルシィは何をしてもそういう風にしか見えないもん。悪いけど、ケガをしても『男の前でわざとか?』って思う」

「ひっど」

うん、ひどい。

でも、めっちゃ甘い声で『いたーい』って言いそうではある。

「で? お前らは何してんだ?」

「うーん、旅行?」

カルロが答える。

「兄妹で?」

「ニーナがお兄ちゃんと一緒がいいって言うもんでな」

「言うわけないでしょ。仕事ですよ、仕事」

まあ、そうだろうな。

「それでボートか?」

「兄妹で?」

エルシィと共にじーっと見る。

「ニーナがボートに乗りたいって言ったんだよ。これは本当」

「レスター先輩がいるなら先輩と一緒に乗りたかったですね。1人は嫌だったから兄さんを誘ったけど、よく考えたら兄とボートって……」

いやまあ、何とも言えんな。

「先輩は貸さなーい」

エルシィが両腕でバツ印を作った。

「エルシィだなぁ……」

ニーナが呆れる。

「いや、マジでお前ら、なんでいるんだ? この前、ターリーで別れたばかりだろ。何年も会えないと思っていたのにひと月も経たずに再会はさすがに予想外だぞ」

しかも、ランスで会うって……

「あー、それな。悪い。ちょっと待ってくれ…………どうする?」

カルロがニーナと相談し始めた。

「どうするって……ちょっとマズくない?」

「でも、こいつらもイラドの人間だぞ。そっちの方がマズくないか?」

「あー……」

こいつら、内緒話をしているつもりなんだろうか?

声がでかくて普通に聞こえるぞ。

「しかも、レスターもエルシィも元は宮廷錬金術師で宮仕えだぞ」

「確かに……よりマズいわね」

何を話しているんだろう?

良くなさそうなことなのはわかるんだが……

「ちゃんと事情を話そう。友人だろ?」

「そうね……」

なんかニーナが納得したようだ。

「レスター、エルシィ、ちょっと話があるんだが、時間はあるか?」

カルロが聞いてくる。

「時間はあるが……」

「じゃあ、飯でも食いながら話すか。お前らってどこに泊まっているんだ?」

「銀月の宿ってところだな」

そう答えると、カルロとニーナが唖然とした表情になった。

「銀月の宿……」

「一泊10万ゼルはするっていうあの?」

あそこ、そんなにするんだ……

「ギルドの厚意で泊めさせてもらっているんだよ。イパニーアで色々とあってな」

「まーた何かあったのか?」

ターリーでもあったからな。

結果的には財宝をゲットできたけど。

「そんなところだな。食事代も何もかもギルド持ちだろうからお前らも食べるか?」

追加メニューも無料って言ってたし、大丈夫だろう。

「マジか……」

「超VIPじゃないですか……こりゃギルドが何かやらかしたな」

正解。

「とにかく、話もしたいし、暗くなる前に戻ろう」

「それもそうだな」

俺達はとりあえず、町に戻ることにすると、湖をあとにし、夕日に染まる森の中を歩いていく。

「レスター先輩、イパニーアで何かあったんですか?」

歩いていると、ニーナが聞いてくる。

「色々あったな。イパニーアに着いて、観光していたんだが、ちょっとした仕事を受けたんだ。内乱のことは聞いているか?」

「ええ。新聞で見ました。レスター先輩達がイパニーアに向かってすぐだったんで大丈夫かなって思ってましたよ。というか、てっきり、それでイパニーアで足止めを食らっていると思っていました」

「だな。大丈夫だったのかよ?」

さすがに2人も内乱のことは知っているか。

「その仕事っていうのがその内乱に関係することだったんだよ。詳しいことは言えないが、お偉いさんをランスに逃がす手伝いをしたんだ。その際に反乱が起こることも事前に教えてもらったからいち早く逃げることができた。ちなみに、ギルドからVIP待遇なのもその影響だな」

さすがに王族の庶子のことやオフェリアの名前は出さない。

「そのお偉いさんって相当ですよね……」

「聞かないようにしよう」

そうしろ。

「とにかく、内乱のごたごたに巻き込まれる前に脱出して、ここにいるんだよ」

「ふーん……まあ、イパニーアの次はランスだわな。オーレーにいるってことは次はゲイツか?」

「そうなるな。イラドに戻っても仕方がないし、ゲイツに行って、そこからはポードの知人を訪ねるか、さらに北上になると思う」

そこはまだ決めていない。

「なるほどな……ラッキーか?」

納得したカルロがニーナに聞く。

「そうね。やっぱりレスター先輩とエルシィは持ってるわ。神様に愛されているんじゃない?」

マジで2人が言っている意味がよくわからないが、神というか天に愛されているのは確かだな。

ウェンディがいるし。