軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第142話 レッスン!

その後も採取を続けていくと、15時すぎくらいには今日、明日で作れそうなくらいの数を採取し終えた。

「こんなもんだな」

「これ以上採取しても2日じゃ作れませんからね。それにストックとして持っていても保存の処置をしないといけませんし、嵩張りますから」

必要になったら買うなり、こうやって採取すればいいからな。

薬草もエトナ草も毒草もそう珍しいものじゃない。

「よし、採取は終わろう。ウェンディ、見張りをしてくれてありがとうな」

ほぼしゃべってたけど、ちゃんと見ていてくれたのだろう。

「そのくらいならお安い御用ですよ。まだ夕方までには時間がありますが、魔法のレッスンをしますか?」

「そうだな。頼むわ」

「おねがーい」

エルシィも頷いた。

「それでは……これまで御二人は簡単な攻撃魔法、探知魔法、防御魔法などを学びました」

教えてもらったな。

あれからも暇さえあれば練習している。

「次は何だ?」

「魔法のカバンの容量のこともありますので空間魔法、相手の魔法を解除するディスペル、気配を希薄にするブラインド、あと便利なところでは内緒話用の魔法とかもありますよ。もちろん、別の攻撃魔法でもいいです」

色々あるな。

「エルシィ、どう思う?」

「実用的なことを考えますと、イラドから追われてる私達はブラインドか内緒話用の魔法ですかね?」

そんなところかね?

「確かに使えそうだな。ウェンディ、そういう魔法があるなら最初から言えよ」

便利そうだ。

「いえ、これらにも欠点があるんですよ。たとえば、ブラインドは確かに気配を希薄にしますが、完全に気配を消せるわけではありませんし、注視すればわかります。魔力感知に長けたものならば簡単に見破れちゃうんですよ。そして、その際に余計に目立っちゃうんですね。ほら、いかにも怪しいじゃないですか」

確かにそうだな。

そんな魔法を使うのは後ろめたいことがある奴だけだ。

「狩りとか暗殺で使う魔法なんだろうな」

「多分、そうじゃないですかね? 内緒話の魔法も同様です。周りから見たら口は動いてるのに声が聞こえないのでちょっと目立っちゃいます」

使いどころが難しいわけか。

「魔法も万能じゃないな」

「何とも言えませんね。万能なんでしょうが、相手も使えるし、人間はバカじゃないので対策をします」

まあな。

「じゃあ、空間魔法かディスペルか?」

「まずは私が空間魔法を覚えてー、先輩がディスペルを覚えるのはどうですかー? 容量が足りなくなったり、ディスペルが便利そうだったらあとで共有すればいいんですよー」

それが良いかもしれないな。

「ウェンディ、それでいこう」

「わかりました。では、教えましょう。まずは練習の仕方です。空間魔法はまったく別次元に空間を作ることになります。空間を歪ますイメージですね」

「うーん……空間?」

頑張れ、エルシィ。

「練習としては石か何かを持って、それを別次元に収納することです。まずは収納、それから取り出しですね」

「全然、わからないけど、やってみるよ」

エルシィは地面に落ちている石を拾った。

「難しい魔法ですからね。あとでアドバイスをします。次はレスターさんです。ディスペルですが、この魔法の仕組み自体は簡単です。要は相手が使う魔法の組み立てとまったく逆の組み立てを使い、相殺すればいいんですよ」

組み立て……逆……

「数式で考えればいいわけか? 要はゼロにすればいいんだろ?」

「うん……そうかもー……」

なんでお前がわからないんだよ。

天使だろ。

「ウェンディ?」

「これは練習も簡単です。まずは自分で魔法を放ち、相殺させる組み立ての魔法を展開してください。上手くいけば消えます。これができるようになったら私が魔法を放つのでそれを相殺してくださいね。では、私はエルシィさんの補助に回ります。頑張ってください」

逃げたよ……

仕方がないので誰もいない平原に向かって火魔法を放った。

そして、間髪入れずに自分が考える火魔法とは逆の数式で編み出した魔法を使ってみる。

しかし、火魔法は消えることなく、そのまままっすぐ進んでいった。

「失敗か……確かに難しいな」

これまで教えてもらった魔法とはレベルが違う。

一瞬で魔法の性質を解析し、それとまったく逆の性質の魔法を展開しないといけないのだ。

今は自分が放った魔法だが、実際は相手が使うので瞬時に魔法を解析する能力もいる。

「まずはそっちだな……」

とりあえず、ディスペルの練習をやめ、魔法を適当に放っていく。

それを眺めながら魔法の性質を解析する。

「ふむ……錬金術で使う鑑定に近いかもしれないな」

鑑定は品質を見る力だ。

材料でいえば、ぱっと見てわかる新鮮度などがある。

その他にも魔力の質や均一性を見て、ポーションなんかのランクを鑑定するが、ディスペルに必要な魔法を解析する力はそれに近いだろう。

「別空間って何ー?」

「あなた方がいる空間とはまったく別次元の空間です。世界を裏返すイメージです」

「何言ってんの?」

エルシィも苦戦しているようだ。

空間魔法はかなりレベルが高い魔法だから仕方がない。

でも、これを覚えられれば魔法のカバンを作れる錬金術師になれる。

「時間がかかりそうだな……」

まあ、気長にやるかと思いながらそれぞれの魔法の練習をしていった。