軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第110話 別にいいけど……

俺達はその後、その辺にいる馬に餌の人参やリンゴを与える体験をした。

ちゃっかりサカリアスも来ており、俺のリンゴを食べてくれたので非常に嬉しかった。

餌やり体験も終わり、西門をあとにすると、中央の広場に戻ってきた。

「さて、そろそろ昼ですが、どうします? その辺で食べても良いですし、北のメインズ神殿の広場で食べても良いです」

オフェリアが聞いてくる。

「どうする?」

いつもと髪型が違うエルシィに聞いてみる。

「せっかくですし、メインズ神殿の広場に行きましょうよ」

「そうしましょー」

いつもと髪型が違うウェンディも同意した。

「では、このまま北に参りましょうか」

特に髪型を変えていないオフェリアがそう言って北の大通りに向かったので俺達もついていく。

「北は公共施設が多いんだったか?」

「そうですね。役所や図書館なんかがあります。観光客であるあなた方はあまり利用されないと思いますが、飲食店などの店もないことはないですね」

確かにちらほらと喫茶店みたいな店が見えている。

ただ、冒険者の姿はない。

そのまま歩いていくと、大通りの先に広場が見え、大きな白い石造りの建物とその前に広がる広場が見えてきた。

広場にはここからでも人が多いのがわかる。

「あそこか」

「ええ。この王都……いえ、この国一番の観光名所であるメインズ神殿とその広場ですね」

旅行雑誌にもイパニーアといえばメインズ神殿と書いてあったくらいだしな。

俺達はそのまま歩いていくと、広場にやってきた。

「ほー……」

「広いですねー」

「中央の広場とは比べ物にならないな」

広場はかなり広く、前世の都内にあった広い公園をほうふつさせた。

広い芝生は緑が美しく、敷物を敷いた家族連れやカップルが休日を楽しんでいるように見える。

道には屋台が立ち並んでおり、所々にあるベンチやテーブルで食事を楽しんでいる人達もいる。

「ここがメインズ神殿前の広場の公園です。大陸広しといえど、これだけの広さを誇る公園はありません。民衆や観光客の憩いの場として冬以外はいつも賑わっています。ご覧のように屋台が立ち並んでおり、飲食も楽しめます。もちろん、夜になると、飲みの場として姿を変えますね。さらに飲食だけでなく、市が開かれておりますので掘り出し物も見つかるかもしれませんよ」

へー……

「あれが神殿か?」

奥にある石造りの神殿を指差す。

「はい。メインズ神殿です。王族や貴族の結婚式、祭事などの様々な儀式で使われる施設になります。普段は開放していますので中を見ることもできますよ」

ふむふむ。

後で見てみるか。

「オフェリアさん、あれがお城ですかー?」

今度はエルシィが右の方に見える城を指差す。

「ええ。王が住む居城になります。あそこは近づかない方が良いですね。ちょっと今はピリピリしていますから」

政変があったって新聞で見たな。

まあ、刺客のことがあるから城に近づく気はないが。

「王家が倒れたんだったか?」

「うーん、どうでしょう? 詳しいことは一般市民である私にはわかりませんね」

そうか……

「観光案内はここが最後か?」

「そうなりますね。ここが一番ですから最後にしました。ご覧のように広いですし、いくらでも時間は潰せます。ぜひ見て回ってください」

ここまでかな?

「お前は帰るか?」

「ええ。あとは案内はいらないでしょうから」

まあ、それもそうか。

「オフェリアさん、せっかくですし、昼食を一緒に食べませんか?」

エルシィが誘う。

「よろしいので?」

「ええ。ここまで来たんですから屋台で適当に頼んで食べましょうよ」

「ふむ……では、せっかくですし、ご一緒しましょうか」

オフェリアと昼食を食べることになったので屋台がある通りを歩いていき、食べ物を見ていく。

「ウェンディちゃん、何が良い?」

「串肉」

即答だな。

お前、持てないだろ。

「じゃあ、買うね。オフェリアさんはどうされます?」

「串肉……あ、では、私もそれでお願いします」

こう言ったら何だが、オフェリアには串肉は似合わんな。

「先輩はどうします?」

「俺も串肉だな」

「じゃあ、私もー。すみませーん。串肉を5つくださーい」

エルシィが屋台のおっちゃんに注文する。

「あ、お金……」

オフェリアが財布を出そうとする。

「いや、ここは俺達が出そう。案内してくれた礼だ」

「それは……いえ、ありがとうございます」

オフェリアが上品な笑みを浮かべ、礼を言った。

「美味しそうですねー」

エルシィがおっちゃんが焼いている串肉を見ながら甘い声を出す。

「美味しいんだよ。ウチの串肉は人気なんだぜ?」

屋台のおっちゃんは上機嫌だ。

「すごーい」

「へへっ、サービスでこっちのイノシシ肉も焼いてやるよ」

「わぁ……! ありがとうございまーす!」

エルシィ……

「あなたの奥様、すごいですね……」

いつもニコニコと笑っているオフェリアがちょっと引いている。

「ああやって旦那も捕まえたんですよ」

「なるほど……」

いや、違う……でも、否定するのもどうなんだろう?

「あいよ、お待ち。2000ゼルでいいぜ」

安っ……

「ありがとうございまーす! 買いましたよー。あっちのテーブルで食べま……どうしました?」

エルシィが俺達を見て、首を傾げる。

「レスターさんがエルシィさんを可愛いって言ってます」

「素晴らしい奥様で良かったと……」

あれ?

「先輩は困ったさんですねー。そんなにポニテが良いんですかー?」

おかしいな……

実はさっきから俺は何もしゃべってないんだが……