軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

60 食べますか?

「しばらくはジャンさんが一緒に行動するんですよね?」

「そうだよ」

「僕はこのまま森で生活しますけど、ジャンさんはどうするんですか? 毎朝通いますか?」

「行ったり来たりは面倒だからノア君が宿屋を使ってくれると嬉しいけど、嫌でしょ?」

「そうですね。ハクも一緒ですしお金もかけたくないです」

「なら、俺がこっちに来るよ。テントあるし野営も嫌いじゃないからね」

「ありがとうございます。皆さんはどうするんですか?」

「僕達は宿屋に泊まるよ。ジャンの分も依頼を受けるから、ゆっくり休みたいんだ」

依頼のときは別行動か、近くで見ているようになると思っていたけど、ジャンさんは依頼を受けないみたいだ。

付き合わせて悪いけど、これだけは仕方ない。問題が起きたらギルド長に対応してもらおう。

「4人でしか受けられない依頼があればその間は君も一緒に行動してもらうけど、依頼がなければある程度自由にして大丈夫だよ。勿論、ジャンと話し合ってからだけどね」

「ジャンさんはそれでいいんですか?」

「大丈夫だよ。用事があるときは他の人に手伝ってもらうけど、ノア君と行動するの楽しそうだし特に問題ないかな」

納得しているならいいか。面倒だから押し付けられたのかと思ったけど、そうじゃないならジャンさんに任せよう。

「細かいことはその都度話し合って決めようか。今決めても状況によって変わるからね」

「わかりました。よろしくお願いします」

大したことは話さなかったけど、結構自由にできることがわかったからよしとしよう。

「そういえば、いらない調理道具をくれるんですよね。何があるんですか?」

「出すからちょっと待ってて」

ジャンさんは魔道具のアイテムボックスからいろいろ出してくれた。包丁、フライパン、大きな鍋、まな板、たくさんの食器類など必要な物がかなり揃ったな。

「随分たくさんありますね。まだ綺麗なのに使わないんですか?」

「俺達、料理苦手なんだよね…。野営で必要だから一式揃っているけど、ちゃんと作ったりはしないんだ」

「レストマが1番上手いけど、肉を焼いて出すくらいしかレパートリーがないからね」

「それで充分だろ。ミーヤとガオルは全くできないからね」

「だから野営のときは保存食ばっかりで道具は使わないんだ。皆も道具は持っているからこれはあげるよ」

なるほど、使わないなら有り難くもらっておこう。折角もらったんだから使いたいな。

「ジャンさん、晩御飯どうしますか? 何でもいいなら用意しますよ」

「やった! 昨日と同じやつ食べたい!」

「同じでいいんですか? 違うのも用意できますよ」

「あれがいい!」

すごく気に入ってくれたみたいだな。簡単に作れるからいいか。

「皆さんはどうしますか?」

「昨日のって何?」

「レッドボアのステーキです」

「あぁ、俺はいらない。あの肉嫌い」

「僕も遠慮しておくよ」

ガオルさんとレストマさんは食べないのか。獣臭いって言ってたから、それが苦手なんだろう。

「ミーヤはどうする?」

「旨いのか?」

「昨日はおかわりしたよ」

「なら食べる」

じゃあ3人分用意すればいいか。ミーヤさんの食べる量がわからないけど、多目に準備しておけば大丈夫だろう。

「ちょっと待っててください」

早速もらった道具を使って料理をする。ボールやお玉もあるから小麦粉を使うときも楽だな。

アイテムボックスから小麦粉と塩を出してボールに入れ、水を適量加える。クレープって言うよりチャパティみたいな感じだ。

フライパンで生地を焼いている間にレッドボアのお肉を準備しておこう。昨日と同じだから簡単でいいな。

ジャンさんが隣で準備をしているのを見ている。楽しそうにしているがちょっと邪魔だな。

「そろそろ出来ますよ。座って待っててください」

「何か手伝う?」

「じゃあ、お皿用意してもらえますか」

待ちきれないのか。早く食べさせてあげよう。

準備ができたので持っていこうと思ったがテーブルや椅子がない。とりあえず、土魔法でそれっぽいのを出しておけば使えるかな。

料理が置ける大きさのテーブルと椅子を作って配膳する。椅子の強度が少し心配だったが大丈夫そうだ。

「お待たせしました。どうぞ」

ジャンさんがすごい勢いで食べ始めた。今気がついたけど、いただきますって挨拶はないみたい。様子をうかがいながらミーヤさんも食べ始める。

よく食べるから味は大丈夫だったようだ。…追加で焼いたほうが良さそうだな。