作品タイトル不明
蜜魔石〜連理
「 連理(れんり) 、どういうことよ」
突然、お母さんが朝から家にやってきた。
「どうしたの?お母さん」
「どうしたもこうしたもありませんよ、これよこれ!」
お母さんが手を開いてみせたのは、この間作った蜜魔石だった。
「この 蜜魔石(みつませき) が何?」
「連理、鉱物じゃないし、宝石でもないから付与できるかわからないけど、物理防御付与してみてほしいって言ったわよね?」
私が付与しようかと思ったんだけど、お母さんでも付与できるか確認したくて、お願いしたのよね。
「そうね、ダメだった?」
人工的に作った魔石だしね、ダメで元々だったんだけど。
「そうじゃないわよ、これすごいわよ!!」
えーっと?
「何が?」
「付与しやすいの!しかも効果が1.3倍ほどに高くなるわ!!」
「はっ?鉱物でも宝石でもないのに、お母さん付与出来たの?しかも効果が高い?本当に?」
「本当よ」
お母さんは、ものすごくしっかり頷いた。
「これ、どうやって手に入れたの?もっとほしいわ」
「あー、いや、これね。実は私と 理(さとる) さんと 理織(りおり) で作った人工の魔石、蜜魔石って言うのよ」
「何言ってるの?作ったですって?」
「そう、だからそれ1個しかないのよ」
「そんな…また作れるんでしょうね?」
恨めしそうに見ないでよ。
「この間は、実験的にやってみただけだから、人力で作ったけど、数が必要になるなら理さんに魔導具として、製作してもらわないとダメね。理さんには話しておくけれど。」
「お願いね。これアクセサリーにしても絶対可愛いでしょ」
確かにそれは認めるけど。
また、理さんの作業増えちゃうわね。
「で、それに物理防御付与出来たのよね?」
「えぇ、魔法防御も付与出来たわ」
「えっ?物理も魔法も両方?」
あの小さな蜜魔石に、防御付与が2つですって?
「これ、どうするつもりだったの?」
「髪飾りか何かに加工して、理織に身につけさせるつもりだったの、よく転ぶから」
「それなら、愛理にお願いしておきましょう」
「お願いしていい?」
お母さんは、任せてと笑った。
「この蜜魔石と蜜魔石を作る魔導具は、早めに登録しなさいよ、売れるわよ」
「売るにしても、作れないことには、ねぇ」
理さんになんとかしてもらうしかないか。
ごめん、理さん。仕事増やしちゃった。
「なんとかお願いよ、本当にこんな付与しやすい素材初めてよ」
「ただ、これ作るのに、結構な魔力が必要なのよ。その辺もクリアしないといけないから、どっちにしてもすぐにはムリよ」
「…わかったわ」
そんなガッカリしないでよ。
お母さんが帰った後、理さんの工房へ向かった。
「理さん、ごめん」
「連理さん?」
「この間、理織とつくった蜜魔石の付与を試しにお母さんにお願いしたの。そしたら、付与しやすい素材だったらしくて、効果が1.3倍ほどになるんだって。それでもっとほしいって言われちゃったの」
「僕たちで作ったことは?」
「説明したわ、魔力をたくさん使うからと話もしたんだけど、なんとかお願いって言われちゃって…ごめんなさい、理さん」
「僕が、なんとか魔導具を製作すればいいのかな?」
「出来る?」
「魔法陣は組み込めるけど、魔力をどうしようか…あっ!リジェネルで作った魔石を組み込もうか?だと、魔力の調整ができないか…少し時間くれる?考えてみるよ」
「ありがとう、理さん」
「しかし、1.3倍の効果とかすごいね」
「えぇ、しかも物理防御と魔法防御、両方付与出来たらしいの、あの小さな蜜魔石に」
「ホントに?すごいね!」
「びっくりよね」
「で、その蜜魔石は?」
「お母さんが、愛理に加工してもらうって。理織の身につけるものになるはずよ」
「リオのアイデアだもんな。リオだけじゃなくて、子供たちのアイデアには、使用料や売上なんかからも、還元しなくちゃいけないな」
「そうね、何かのためにその分貯めておいてあげないとね」
やっぱりうちの子達、すごいかも!