軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

プロローグ

「ねぇアレド」

「どうしました?リオール様」

私は、さっき連絡鳥が置いていった紙をヒラヒラさせてみせた。

「また愚王からの無茶振りですか?」

アレドの嫌そうな声色が響く。

「そう。って言うか、腑抜けで日和見でポンコツクソバカ王と、隣国その他諸々のこの世界のクソガキ王達の連名」

ホントに腹立たしい。

私がどれだけこの国、この世界に貢献してきたと思っている?

300年だぞ?

あっ、ばばぁじゃないからね?

300歳超えてるけど、見た目は20代ですからね?

今は関係ないから、おいておくけれども。

しかし、ふざけるのも大概にしてほしい。

「はいっ?連名ですか?世界規模でスタンピードでも起こりましたか?」

普通はそう思うよねぇ。

「魔女王リオールを討伐するらしいわよ?死にたくなければ、研究資料と魔石や素材を提供すれば命は取らないってさー」

「はっ?意味がわからないのですが。魔女王ってなんですか?」

そうよねぇー。

私にもわからないわー。

「私って、いつ魔女王になったのかしら?大賢者からジョブチェンジした覚えはないのだけれど?」

「私の記憶でも記録でもそんな事実はありませんけど」

そりゃそうだわ。

そんな事実ないものねぇ。

ステータス確認したって、大賢者だものねぇ。

「さて、どうしようか」

「そもそも魔女王リオール?の討伐の理由はなんなんですか?」

「あーそれねー、魔女王リオールは、世界滅亡を企てているらしいわよ?」

バッカじゃないのかしら?

ホントに滅亡させてやろうかしら?

「あの愚王どもは、頭おかしいんですかね?そんなもの企てる必要なんてどこにもないですよね?」

そうなのよねぇ。

「だって、リオール様の魔法一発でできますから」

「まぁね、ホントに滅亡させてもいーけど、アホども以外の人達にとばっちり喰らわせるわけにも、いかないしねぇ…どうしようかなぁ」

クソガキ王達だけ、潰せないかしら?

うーん…。

「リオール様?の討伐?なんて、できるわけないじゃないですか?どうやって討伐しにくるんですか?ここ魔の森の最奥ですよ?魔物蔓延ってますよ?誰が討伐にくるんです?辿り着けるんですか?」

「さぁ?騎士団とかー?冒険者とかー?各国から集めるんじゃないのー?」

バカだわー無理に決まってるじゃなーーーい。

「何を勘違いして血迷ったんでしょうね?愚王達は」

まったくよねー。

「ねぇアレド?私って、騎士団とか冒険者とかが手に余った魔物倒してあげてたわよね?」

この国のポンコツクソバカ王のジジイのジジイの更にジジイ王の時代から、ずっっっっと。

「そうですね」

「空飛ぶトカゲとかー」

ドラゴンですねってアレドのツッコミは無視しつつ、

「劣化版空飛ぶトカゲとかー」

ワイバーンです?

「でっかいカメとかー」

ジャイアントトータスです。

「でっかいイカとかー」

クラーケンです。

「首たくさんのヘビとかー」

ヒュドラです?

「水蛇とかー」

シーサーペント?リヴァイアサン?

「色んな色のクマとかさー」

あーいましたね。

レッドベアとかアイスベアとかファイヤーベアとかブラックベアとかフォレストベアとかウォーターベアとかもいましたね。

「リオール様、あげてたらキリないです」

「わかってるわよー」

はぁぁぁ、特大のため息だって吐きたくなるわよ。

「実際問題として、どうやってここまで来るつもりなんでしょうね?誰も辿り着け…あっ」

んっ?何?

「アレド?」

「あのリオール様?あの方なら来れちゃいませんか?唯一のお弟子さんの…」

「あっ…ジェラールっっっっっ!?」

あいつなら来れる。

ってか、あいつしか来れない。

あいつが来たら面倒だわ。

どうする?

逃げる?

隠れる?

「もしジェラール様が派遣されてきたら、逃げても追いかけてきますよ?」

あいつ弟子のくせに、技術学んだら速攻出ていったんだよ。

育ててやった恩はどこいったーーーー!!

まったく、師匠の私の手伝いも何もせずにっ、俺の方が強くなったとかほざいて、出ていったんだよ、

あのクソ弟子がっっっ。

いや、ホントにどうしよう?

あのクソ弟子、しつっこいんだよねー。

そして、そこそこ私の次くらいには出来るのよ、強いのよ。

「…逃げ隠れするの面倒だよねー」

ってか、なんで私が逃げ隠れしなきゃならないのよっ。

負けたみたいで業腹じゃないの。

うん、決めた。

「アレド、研究資料やら魔石やら素材やら全部インベントリに収納するわ」

「承知しました」

「空の魔石ってあったかしら?」

「ありますが、大きさと数は?」

「大きいほうから大量に」

アレドはインベントリから山積みになるほど出してくれた。

「どうするんですか?」

私はニヤリと笑って言った、

「転生するわ」

「はっ?転生?」

「そう、あのクソバカ達がいない時代に転生する。これから転生魔法陣用意して、起動に必要な魔力以外は空の魔石に移すわ。魔力自動回復をキャンセルすれば、転生後、魔力が無くなったこの身体は朽ち果てる。」

さすがに300年以上生きてるからね。

魔力なくなれば、枯れ木よ私の身体なんて。

しかも、魔の森全体に張ってある結界も解けるわね。

そしたら、魔物はどうするかしらね?

見ものねー、見られないけど。

「死んだ後まで、利用なんてされてやる必要ないからね。アレドは自身とインベントリを保持できるだけの魔力込めた魔石を使用して、私が転生するまで持ち堪えて。転生先で必ず再会するからね」

今更、アレドがいない日常なんて考えられないものね。

「承知しました。他に指示は?」

「そうね、転生後その時代の情報収集ができればお願い」

「承知しました」

「とりあえず転生の魔法陣用意するからよろしく」

転生の魔法陣…

この時代の人間がいないくらい未来よね?

もちろんジェラールも生きてないくらいの未来じゃないとダメね。

転生ってことは、生まれ変わるってことだから…

いきなりリオールの記憶あったら、キツイわよね。

授乳とかオムツとか…

恥ずかしくて死ねるわ。

どうせ赤子だと自分の意思で動けないし、もどかしいだろうしね。

うん、3歳の誕生日に覚醒するようにしよう、そうしよう。

魔法陣に条件を加えていく。

よし、後は魔力流して起動するだけね。

残りの魔力は魔石に入れた。

私の魔力は膨大だから、中々にすごいことになったわね。

「アレド、魔石もインベントリに収納してくれる」

「はい、リオール様」

「アレドの方は、準備どうかしら?」

「問題ありません」

部屋を見回してみると、ずいぶんとすっきりしていた。

「大丈夫そうね」

「はい」

「じゃあ、転生するわ」

あっさりと私は魔法陣に横たわり、魔法陣の起動をはじめた。

「それじゃアレド、よろしくね!おやすみ」

「はい、おやすみなさいませ、リオール様」

私の意識はそこで途切れた。