軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

15層 週末ダンジョンブームと大好物

うな重を堪能した学校タイムも終わり、俺は協会本部へやってきた。やはり週末というのもあってかいつもより人が多い。入口の傍には明日の日付と探索者認定試験という文字が。どうやら追加もあるようで、今後は更なる混雑が予想されるだろう。

こないだの配信で興味を持った人達もいるかもしれない。へへへっ、なんだか照れくさいなー。

「すみません! もしかしてあの 八百枝(やおえだ) さんですよね! 私、ネクサス放送のものです!」

「すみませーん、新東日報です、こちらに目線お願いします」

うわ、マスコミだ。またの名をマスゴ――おっと危ない。何で俺の名前を、とも思ったが配信で身バレしてるからだろう。誰だよ個人情報流したやつ。

面倒なので受付の傍へ転移、逃げるようにダンジョンへ入ったのだった。

見飽きたうな重……じゃなかった、巨大ウナギを捌きつつ、次の15層へ到達した。

水没しているものの、とても狭いものだったのでリザードマン階層のような構造だと当たりをつけ、上へジャンプする。案の定地上であった。

深い水溜まりが点在するフロア。

しかし、共通していあのは水溜まりだけ。フロア全体で異質な様相を呈していた。

「こりゃまた面白い趣向だな」

11層のような海岸風景、そしてバケツをひっくり返したような土砂降りと雲の隙間から差し込む眩しい太陽(?)光。稀に見られる天気雨というものだろう。

後ろは壁で、うっすらと四方を四方を囲っているそれだけがここをダンジョンだと告げていた。

海のように見えるそれは、大きな水溜まりに、先程這い上がってきたような深めの穴が時折ある形。要は視界不良の中足場が無いところがあるよ、という意地悪な仕掛けである。この降水量だと、確かに見えにくいのかもしれない。

――俺はいつもと同じように見えているため、水の中で擬態している 麗(・) し(・) の(・) 君(・) の存在にも気づけているが。

俺はそっとそれに向かって接近し、一気に飛びついた。水の中から楕円形を取り出して天に掲げる。

「スライム、とったどー!!」

深めの青のスライム、サファイアのようなスライムが潜んでいるのだ。実に、実に美味しそうな輝き。早速実食タイム!

まずは一口。

「こ、これは……!?」

夏を思い出させる清涼感、喉を通る軽やかでエネルギッシュな風味。これあれだ。ラムネだ。過去一美味しいスライムかもしれない。ダンジョンは懐かしの味再現チャレンジでもしているのだろうか。

ダンジョンくんちゃんの趣味はともかく、稼げて美味しいものを飲めるのだから文句は無い。

「ふへへ……そう、これはドロップの確認だから。攻略サイトのためだから……悪いが 狩り(飲み) 尽くさせてもらおうか!」

フハハハハと高笑いを響かせながら、この階層のスライムというスライムを飲み尽くしたのだった。

――結果はっぴょー!

ここ数年分のラムネを3時間ほど堪能しまくったオマケこと、ドロップ品を取り出した。

「たぶんポーションかなー?」

それが8本。飲んだスライムの総数はおよそ500。えーと……確率は1%から2%くらいか。希少性はそれなりだし効果も期待できそうだ。魔石も大量だし買取金額が楽しみである。

ひとまず味わい尽くして満足したので、そのまま次の階層へ進む。狩りながらマッピングと階段の発見もできているので悠々自適に進める。目印が穴の配置くらいしかないのが、視界不良の影響を受けていたら大変そうではあるが、もう俺にとっては庭も同然。

ルンルン気分で湧き直したスライムをつまみ食いしなかわら16層へ突入した。