軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

11層 マイペースが肝心です。

キュアポーションをその場の流れで寄付した翌日、俺は学校をサボ……人類のためにお休みをとってダンジョンの攻略サイトを仕上げて投稿した。

自分的には満足できる出来だったので反応とかは調べず、久しぶりに家でゴロゴロしていた。たまには何もしない時間があったっていいよなー、なんて幸せを噛み締めていると、現実へ引き戻すチャイムが鳴った。生意気なことにピンポーンと間抜けな音を出して。

「はいはーい」

玄関先に出ると、そこにはなぜか いつもの受付の人(ロリきょぬー) こと 司條(しじょう) さんが居た。

道路には黒い高級車が住宅街からゴリゴリに浮いている。

「本当に家にいるとは…… 八百枝(やおえだ) さん」

「え、なんすか」

ジトーと何かを責める目線を向けてきている。こんなこと……ときどきされるな。なんだいつものことか。

「出頭命令が出ています!」

「……逮捕ですか!? 俺そんな心当たり――な、ない、です、よ?」

うん。自衛隊の落としたスキルを覚える巻物を使っちゃったり、全裸で11層の海を彷徨っていたくらいだ。

「攻略サイトの件でお話があるそうです」

「あ、それか。ちなみに誰のお話ですかね? 校長先生とか?」

「探索者協会本部の本部長です」

――バタン。

俺はお説教が嫌でそっ閉じした。

よし、逃げよう。こうなったらダンジョンだ。俺はすぐに身支度して、枕ができたと連絡来ていたのも思い出してまず親方のもとへ転移した。

「親方ァ! 枕!」

「るせぇ! 昼飯中だ! そこに置いてあるから持ってけ。色々詰めといたからな」

「サンキュー親方。ほいチップ」

「お前チョコって食い合わせ――」

チップに小さいチョコをあげて転移した。焼きそば食べてたから確かに食い合わせは最悪かもしれない。

まあ食べるタイミングなんて好きにできるのだから問題は無いだろう。

転移先の、協会本部の裏手から急いで入る手続きをしてダンジョンへ。探索者の人気が再燃しているのか、いつもより人も多く、受付の人も新人さんっぽくて特に呼び止められることなく通過できた。人目のつかないところへ向かい、11層へ転移。

「ふう、実家のような安心感。殴り合いこそ世界の真理だよな」

口論なんて時代遅れ。だから説教とか聞きたくない。文句あるなら殴りにこいって話だ。

怖い人はヤダケド。

「さてと、レッツお着替えタイム!」

11層はセーフエリアと言ってモンスターが出ない安全な場所。つまり俺にとっては留まる理由の無い場所だ。マッピングも前回来たときしたし。

なので早速、海の中にある階段を降りることになるのだが、前回は事前情報がなく全裸で探索する羽目になった。あれはダメだ。開放感が気持ちよすぎで引き返せなくなる。

なので俺は服の下に水着を穿いてきたのだ。学校指定のピチピチしたやつを。プライベートで海なんて行かないのでこれしかなかったから仕方ない。誰に見せるわけでもないから大丈夫大丈夫。フラグじゃない。

「レーッツ! ダイビング!! ひゃっほーい!」

地上は絶賛冬景色だが、自衛隊の人いわく、ここはどういうわけかその寒さが無いらしい。そもそも多分【平常運転】のせいで寒さも暑さも感じなくなってるんだけどネ。

「あの潜水艦見たいなやつ自衛隊のやつかな?」

チラッと見かけたイカつい潜水艦が一体どんな性能なのか、内なる男の子が顔を見せたものの、今は男の子だの女の子だの、そういうのに厳しい時代なのですぐに顔を引っ込めた。

水没した階段を降り、俺は12層へ足を踏み入れたのだった。