軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

0層 ワンチャンある。ネコチャンもある。

学校では、やはりどんなスキルを手に入れたかで持ちきりであった。

危ない危ない、友達を作っていたらとんだ赤っ恥をかいて、 羞恥(嫉妬) 心のあまりその友人を手にかけていたかもしれない。危ない危ない。

俺は自身のスキル名の通り、平常運転でゲームをする。

……友達?

なにそれ美味しいの?

真面目な話、ソロゲー大好き人間なのであまり人と関わる必要性がないのだ。もちろん授業やらで必要ならそれなりに話すが、ソロゲーは自分との戦いだ。インターネットの掃き溜めのようなSNSをやっていないのも同じ理由である。

ソロゲー愛好家にとって、SNSに持っていかれる時間は無駄であり、ネタバレの宝庫なのだから当然である。

――閑話休題。

ゲームしながらクラスメイトのスキル情報を盗み聞きしていると、ふと気になる話が聞こえた。

「うち【虫キラー】だったんだけどさー、マジやばくない?」

「うーわ、たしかフンコロガシ飼ってたっしょ? どうなったん?」

「…………ふんぽんは、お亡くなりに」

「まじかー。なんかそーいうデメリットあるスキルって、ダンジョン深く潜ったら消せるらしいよ」

「マ?」

「ネット情報ね」

スキルが発現した三日目で、深くまで潜ってスキルを消したなんて話、眉唾にも程があるだろう。しかし、俺にとって僅かでも可能性があるなら縋りたい。だって童貞のまま死にとうない!

……待て、今のクラスメイトのギャル、フンコロガシ飼ってた? まあいっか。

かくして、運良く地元近くにできたダンジョンに放課後行ってみたものの、国家権力によって封鎖されていたので民間向けに開放されるか、独占されるかの続報までゲーム三昧の日々を送り――。

二週間ほど経ってからダンジョン協会の設立と、協会主導による資格持ちの民間人は潜れると聞いて、一目散に申し込んだ。

新たな資源の発見やらで日本の割に対応が早かったらしいが、そんなことより我が唯一の友を救うことで頭がいっぱい、アンド生理現象が無いのでゲームし放題で浮かれているので気にならなかった。

その後ダンジョン内のルールやらを覚えて筆記試験に挑み、最低限動けるかを測る二次試験の実技も滞りなくパス。

そして最終試験の面接に挑んだのであった――。

§§§§

「くっくっく……」

何も無心でゲームだけしていた訳ではない。これからのプランも考えてあるのだ。

その一、学生は勉強が本分、もとい学校やめるのはなんか嫌だし放課後通うのも面倒だから――週末に潜る。

その二、クソの役にも立たないスキルなので、安全第一で冷静に。

その三、戦闘に役立つスキルではない上週末だけなので、基本ソロで。

その四、どうせなら攻略情報は見ずに、普段やってるゲームと同じように手探りで全要素を回収する。

その五、俺と同じような境遇に陥った者のためにも、ダンジョンの情報を書く。ただし交流できる場に出すと俺の時間が奪われるので攻略サイトとして。

叡智なお姉さんを見ておっきしなかった時の絶望を味わった同志のためにも――!

そして、このゴミクソうんこたれ強制EDスキルとお別れするためにも!

「絶対に、踏破してやらあ!!」

――じー。

「ママー、変な人ー」

「こら、よく見ておきなさい。あれがネットのおもちゃになるようなタイプの人種よ。反面教師ね」

あ、ここ電車だった。