軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

三十九.指先はまるで別の生き物のように動く。すっかり柔らかく

指先はまるで別の生き物のように動く。すっかり柔らかくなった白い髪の毛を櫛が通り、編んで、結んで、まとめる。シャルロッテは気持ちよさそうに目を細めた。

「はい、出来上がり」

リボンを結び終わったユーリがにっこり笑う。目の前の鏡を見てシャルロッテはにまにまと笑う。

耳の前で作った三つ編みを後頭部に回し、そこで合わせてリボンで留めてある。リボンは薄青で、シャルロッテの白い髪とよく合った。

シャルロッテは髪の毛に手を添えながら、肩越しにユーリを見返った。

「ありがとう! えへへ……」

「ふふ、どういたしまして。シャルちゃん、髪の毛綺麗だからやり甲斐あるわぁ」

「素材が良いと技が生きる……ユーリさん、グッジョブ」

傍で見ていたアンジェリンがビシッと親指を立てる。

シャルロッテは椅子から立ち上がり、アンジェリンの後ろに回って背中を押した。

「お姉さまはわたしがやってあげる! 座って!」

「ほほう……よし、やってもらおうじゃないか」

アンジェリンは鏡の前の椅子に腰かけて、その後ろにシャルロッテが立ち、その黒髪をいじくり始めた。

今はユーリの家に遊びに来ている。今日は休日だが、アネッサとミリアムは別の用事で出かけているから、シャルロッテとビャクとの三人で来た。

ユーリはギルドの建物にほど近い所に一室を借りて暮らしていた。

女性の部屋らしく、ものはそこそこあるものの、きちんと片付けられて清潔感があった。

これが汚かったら、ベルグリフの嫁候補としては見直しが必要やも知れぬ、と勝手に思っていたアンジェリンは胸を撫で下ろし、やっぱりユーリがお母さんだといいなあ、と思った。

アンジェリンがシャルロッテたちを保護してから十日ばかりが経とうとしていた。襲撃者たちは現れないどころか気配も見せなかった。

すっかり忘れてしまったか、それでも面倒臭くなってやめてしまったか、現れないなら現れないままでいいけれど、それならそうと一言言って欲しいとアンジェリンは思った。

何せ、警戒し続けるのはくたびれる。神経を張りつめなくてはいけないし、咄嗟の出来事に対応できるように、大なり小なり武器になるものは常に身に着けておかなくてはならない。ダンジョン探索や護衛依頼などで慣れてはいるけれど、やはり長く続けば疲れる。

その点、こうやってユーリのような実力のある人物と遊ぶのは気が抜けていい。一線を退いたとはいえ、ユーリは元AAAランクの冒険者だ。受付嬢という、冒険者と触れ合う職に戻って来たせいか、時折見せる鋭い視線は、まだ衰えを感じさせぬものだ。

いざとなった時には背中を任せられる人物が一緒というのは頼もしい。

シャルロッテに髪の毛をいじられながら、アンジェリンはビャクの方をちらりと横目で見た。退屈そうに壁にもたれかかって腕を組んでいる。

この少年も実力的には高位ランク冒険者に匹敵する。なにせ、不意を突いたとはいえ、ライオネルとチェボルグの二人を相手にして退けたのである。生半可な実力ではない。

しかし、何となくアンジェリンはビャクを戦わせるのが嫌だった。

魔王どうこうは彼女にとってはどうでもよかったが、自分よりも年下の、冒険者でもない少年を戦わせるのは気が引けるのである。

自分を守るなとは言わない。しかし、あえて戦いに出させることもしたくはなかった。戦い続きの血生臭い生き方が、彼の心に何か暗い影を落としているとも思ったからだ。

もちろん、そんな事はビャクには言っていない。だが、アンジェリンは内心で、シャルロッテと一緒にビャクも守り抜こうと決意していた。そして、いずれお姉ちゃんと呼ばせてやるとも思っていた。一途に自分を慕う妹も嬉しいが、生意気な弟というものも捨てがたい。

「ふふ……家族……」

二人を連れて帰ったら、お父さんはどんな顔をするだろう? きっと驚くだろうけど、嫌な顔はせずに暖かく迎えてくれるはずだ。そしたら皆で岩コケモモを食べに行くんだ。

アンジェリンは、家族が増えて驚くベルグリフの顔を思い浮かべてほくそ笑んだが、実家に既に居候が随分増えているとは夢にも思わなかった。

「はい、できた!」

シャルロッテの声でアンジェリンは我に返った。顔を上げると鏡に映った自分の顔が見えた。

いつもは無造作に束ねている黒髪に綺麗に櫛が入り、流れを以て整えられて、ふわりと緩く編まれた大きな三つ編みが右肩から前に向かって垂れていた。

「おお……これは」

「えへへ、お姉さまには三つ編みが似合うかなって思って!」

「こういうの何だか照れるな……でも素敵。シャル、ありがとう」

「うん!」

アンジェリンに撫でられると、シャルロッテは嬉しそうに笑った。背伸びするようにつま先で立ち、撫でる手に自分から頭を押し付ける。

十日ばかりの共同生活でアンジェリンが可愛がり続けた事もあり、すっかり彼女に懐いていた。

ユーリが後ろからアンジェリンの頬をつまんだ。

「アンジェちゃん、折角だからお化粧もしてあげましょうか」

「え……いや、わたしはお化粧はちょっと……」

尻込みするアンジェリンに、シャルロッテが抱き付いた。

「えー、なんでなんで? お姉さま可愛いんだから、お化粧したらもっと可愛くなるわよ!?」

「いや、性に合わないっていうか、なんていうか……」

「もー、それじゃあ彼氏もできないわよぉ? 物は試し。ほら、やってみましょ」

「けどなあ……顔に何か塗るっていう感覚が苦手……ダンジョンの虫よけを思い出す……」

くつくつと笑い声がしたので、そちらを見るとビャクが小さく笑っていた。

アンジェリンは顔をしかめた。

「なんだよ」

「テメェは化粧しても美人どころか魔獣に近づくだけだろ。やらないで正解だ」

アンジェリンはムッとしたように口を尖らせたが、すぐに何か思いついたらしく、いたずら気に笑った。ユーリを見返る。

「ねえ、わたしじゃなくてあいつを化粧しよう。で、可愛い服着せて遊ぼう」

ビャクの顔から表情が消えた。同時に逃げるように踵を返して扉に向かう。しかし瞬く間にアンジェリンに捕まって壁に押し付けられた。

「は、放せテメェ!」

「……むかーしむかし、ある所に」

「誰が話せっつった!! 放せって言ってんだよ!!」

「お姉ちゃんジョーク……観念しろビャッくん……可愛くしてやるから」

「ビャッくんって呼ぶんじゃねえ! おい、こいつを――服を選んでんじゃねえよ!!」

ユーリと一緒に女物の服を選ぶシャルロッテを見て、ビャクは絶望的な顔で叫んだ。シャルロッテは楽しそうな表情で服を取り上げてビャクに見せた。

「ビャクにはこれが似合うと思うの!」

「ふざけんなクソガキが!」

「えー、そうかしらぁ? こっちの方がいいんじゃないかなぁ?」

「こら年増ァ! テメェも悪ノリしてんじゃねえぞ!」

「あらあら、もう、ビャッくんたら。女の人に向かってそんな事言っちゃ駄目よぉ? これはお仕置きが必要ねぇ」

ユーリはにこにこ笑いながらフリルの沢山付いた服を手に持った。ビャクは青ざめた。

脳裏に服屋での悪夢がよみがえる。男の尊厳を完全に踏みにじられた瞬間。自分を道具のように使っていた連中ですら、あんなむごい事はしなかった。

……というのはオーバーだが、こういった羞恥に慣れていないのは確かである。

殺していた筈の感情と心が無理矢理こじ開けられるようで、ビャクは困惑し、狼狽し、妙な感覚に恐怖した。自分の中の何かが変えられてしまうような気がした。

されるがままになるものかと壁にかじり付くようにして抵抗するビャクを、アンジェリンは引きはがして羽交い絞めにした。

「あんまりクールぶっても詰まらないぞ……人生は楽しんだ者勝ちだ」

「うるせえ! 少なくともこれは楽しくねえ!!」

「いいのだ。気にするな……」

「いいわけあるかあッ!!」

アンジェリンは唇をへの字に結んで、ぺしっとビャクの頭を叩いた。

「そんな風に周りを拒絶してばっかりでどうするんだ……お前はこれからも生きて行かなきゃいけないんだぞ? ずっとそうやってしかめっ面でいるつもりなの?」

「それと女装が何の関係があるってんだよ!」

アンジェリンはにやりと笑った。

「お前が一番感情的になるから。自分が対象にならない他の事だと、いつもわざと感情殺して詰まらないようにしてるでしょ、お前……」

確かに、うまい食事も、美しい風景も、札やボードなどのゲームも、いつもビャクは一歩引いて、にこりともせずに見ている事ばかりだった。自分に矢印が向く事を極力排しているような感じだった。

利用される環境から逃げ出して、自由になったように思われたのに、ビャク自身は何かが変わったようには見えない。変わろうとも思っていない。

それがアンジェリンは気に食わなかったらしい。自らで自らの人生を灰色に染める。そんな事に何の意味があるだろうか、と。

それでもビャクは顔をしかめたままだった。

「……人の心にずけずけ踏み込んで来やがって。気に食わねえんだよ。同じ穴の貉の癖して」

「別にわたしの事は嫌いでもいいけど……でもお前がいつまでもしかめっ面だとシャルが悲しむ」

ビャクは眉をひそめてシャルロッテを見た。楽し気に服を物色して、ユーリと何か囁き合ってくすくす笑う。

ルクレシアから逃げ、ソロモンの巫女として遊説して回っていた時とはまるで違う、十歳の少女そのままの姿だ。

ビャクは目を伏せて諦めたように嘆息した。

「……くそ」

「ふふ……お前も本当はいい子だもんな。お姉ちゃんには分かってる……」

「何がお姉ちゃんだ、馬鹿が……」

アンジェリンはにっこり笑ってビャクを押さえる手に力を込めた。

「さあ、ユーリさん。お化粧よろしく」

「おー、任されたわぁ。ふふ、楽しみ」

化粧道具をごそごそと取り出すユーリを尻目に、ビャクはアンジェリンに話しかけた。

「……おい」

「なに?」

「……やっぱり女装は関係ないと思うんだが」

「……そんな事ない」

「というか、テメェ絶対楽しんでんだろ……?」

アンジェリンは黙ったままぺろりと舌を出した。

はしゃぐシャルロッテと、ぐったりしたビャクを連れて、アンジェリンはユーリの家を出た。

化粧をし、女物の服を着せられたビャクが予想以上に可愛かったので、女子たちは大興奮だった。ビャク自身はずっと渋い顔をしていたのは言うまでもない。

三人は昼食を取ろうと往来を下って行った。

人が大勢行き交っていて、気を抜くとはぐれてしまいそうだ。アンジェリンはシャルロッテと手をつなぎ、シャルロッテはさらに反対の手でビャクの手を握った。

空には小さな雲があるばかりで陽射しは強く、暑い。その上人いきれや砂埃が凄いから、歩くだけで大変だ。

手近な店を探してきょろきょろするアンジェリンを前に、シャルロッテはビャクに話しかけた。

「ねえ、ビャク。お前は何が食べたいの?」

「……別に。お前の好きにすればいいだろ」

「もう! そんな素っ気ないとお姉さまに言いつけるわよ!」

「……すっかり懐柔されやがって」

ビャクはうんざりしたようにため息をついた。

アンジェリンは表から裏路地に入り、細い小道を辿って行った。小さな階段があり、坂道があった。その先に小さな食堂があるのを知っていて、時折アンジェリンはそこに訪れた。

戸を開けるとひんやりした空気が溢れて来た。

ここの店主はドロップアウトした魔法使いで、店には 空調魔法(クーラー) の術式がかけられている。本職の魔法使いとだけあって、その調節は見事だ。しかし居心地の良さにもかかわらず、看板も出さずに営業しているせいもあって、お客はあまりいないようだった。

席を見回すと、なんだか見覚えのある姿がある。アンジェリンは早足で近づいて肩を叩いた。

「マリアばあちゃん……!」

椅子に腰かけて何か飲んでいたマリアは、面倒臭そうな表情で振り向いた。

「アンジェか……妙な所に来やがるな、お前は」

「ばあちゃんこそ町に来るなんて珍しい……どうしたの?」

「フン、ちょっと材料が入用になったんだよ。自分で見たい素材だから、わざわざ来たが……相変わらず不健康な町だな、ここは」

マリアはそう言ってマフラーの位置を正した。成る程、足元に素材が入っているらしい袋が置かれている。

「髪型変えたのか? アンジェ」

「ふふ、分かる……?」

アンジェリンは嬉しそうに三つ編みに手をやった。

マリアはグラスの中身を少し飲み、シャルロッテとビャクをじろじろと眺めた。

「で、なんだ、そのガキどもは」

「妹と弟」

「……あ?」

「冗談。訳あってうちに居候してるの」

「しょうもねえ嘘をつくんじゃねえよ……」

「ふふ、ごめんね。こっちがシャルロッテ。こっちがビャク。ほら、挨拶……」

アンジェリンに促されてシャルロッテはぺこりと礼をした。ビャクも小さく会釈する。

マリアは目を細めてシャルロッテを見、それからビャクを見た。

「どっちも随分魔力が多いな。小僧の方は魔力の質も変じゃねえか。何だ、お前は?」

「……さあな」

「はっ、生意気なガキだな。だが、魔法陣を飛ばすのはほどほどにしとけよ」

ビャクはピクリと眉を動かした。アンジェリンは怪訝そうな顔をしてビャクを見た。

「お前、立体魔法陣飛ばしてるの?」

「……まあな。不意の奇襲対策だ」

「自動防御に不可視の術式込みとは中々だ。だが雑だな。もっと上手く組めるはずだ」

「余計なお世話だ……」

「黙れ。そういう適当な魔法を使われるとむず痒くて適わん」

マリアは小さく何か呟き、さっと指を振った。周囲に立体魔法陣が浮かび上がる。ビャクは驚いたように目を細めた。

「見ろ。お前の陣はこの部分は平面でしか捉えられていない。ここの円形は球体だ。そこに三角錐と立方体が組まれる。立方体は枠だけじゃ駄目だ。ここは面で加えなければ魔力の気配が漏れる」

「……チッ」

正しいと分かっているのだろう、ビャクは言い返さずに舌打ちだけこぼした。

アンジェリンはくすくす笑い、マリアの向かいの椅子に手を置いた。

「ばあちゃん、ここ座っていい?」

「勝手にしろ。騒がしくすんじゃねえぞ」

マリアは椅子に深く腰掛けて息をついた。

シャルロッテは椅子に腰かけながら、おずおずと口を開いた。

「ばあちゃんって……?」

「うん。マリアばあちゃん。すっごい魔法使いなの。魔法で老化を止めてるけど、もう六十八……九?」

「ピチピチのな。乙女だ」

シャルロッテは「ほえー」と驚いたようにマリアをまじまじと見た。そしてもこもこと着ぶくれているその服装を見て、不思議そうに首を傾げる。

「あの、暑くないんですか……?」

「あ? 寒いくらいだよ。そういう病気だからな」

それを聞いてシャルロッテは恐縮した。

「す、すみません、知らなくて……」

「フン、そりゃそうだろうよ。ほら、あたしに構ってないでさっさと注文しな」

マリアはしっしっと手を振って、グラスに口を付けた。

驚くほどうまいわけでもないが、決して不味くもない食事を取りつつ、アンジェリンはマリアと歓談にふけった。

「ばあちゃん、今日は咳が出ないね」

「まぁな。新しい薬を試してみたんだが……材料が高過ぎだ。ちょくちょくは使えねえな」

「ふうん……研究、順調?」

「順調かどうだか分かりゃ世話ねえよ」

アンジェリンは兼ねてからシャルロッテにも自衛の術を身に付けさせたいと思っていた。

しかし彼女は剣は明らかに不得手だし、槍や斧、弓矢だって駄目そうだ。だが、身に宿る魔力の量は段違いである。ボルドーでは魔法で町を混乱させたのだし、戦うのならば魔法でだろうと考えていた。

しかし、アンジェリンは魔法使いではないし、ビャクの使う魔法は高度過ぎる。かといってミリアムは教えるのが上手い方ではない。

いずれマリアに相談したいと思っていたので、ここで会えたのは渡りに船であった。さっきビャクに手早く魔法陣の手ほどきをした技量から見ても、魔法の師としてこれ以上の人物はいないように思われた。

「ねえ、ばあちゃん。シャルは魔力がいっぱいあるよね……? 何か魔法を覚えられないかな?」

「あん?」

マリアはシャルロッテをジッと見た。シャルロッテは緊張したように表情をこわばらせた。マリアは思考するように眉根を寄せた。

「魔力の量だけで才能は決まらねえよ。実際にやってみない事にはな」

「もし頼めば教えてくれる?」

「いいが、あたしは厳しいぞ。中途半端は嫌いだからな」

「そっか……じゃあトルネラに行こう、ばあちゃん」

「……あ?」

話が斜め上に飛んで、マリアは目を点にした。

「お前……どういう話の持って行き方だ。なんでそうなる?」

「この子たちは悪い奴らに狙われてるの。だからオルフェンにずっといるのは危ないの」

「それが何の関係がある」

「だから、シャルたちはそのうちトルネラに連れて行く。多分あっちの方が安全。もし、ばあちゃんが魔法を教えてくれるなら、必然的にばあちゃんもトルネラに行かねばならない……」

公国の極北の村であれば、ルクレシア教皇庁の秘密機関だろうと、得体の知れない悪の組織だろうと、そうそうは追って行けないだろうと考えている。

よしんば一部が追い付いたところで、ベルグリフさえいれば大丈夫だと本気で思っているのだ。基本的に、アンジェリンはあらゆる点においてベルグリフに全幅の信頼を置いているのである。

マリアは呆れたように首を振った。

「馬鹿言え。トルネラじゃ素材が手に入らねえよ。あたしはだらだら隠居がしてえわけじゃねえんだ。戦うのは面倒だが、研究は続けたいんだよ」

「でもトルネラは空気が綺麗。きっとばあちゃんの肺にもいい。お父さんと結婚すれば面倒も見てくれるよ……?」

マリアは呆れたように肩をすくめた。

「またそれか。あたしはお前が娘だなんてごめんだよ。お前の親父にも興味なんかないね」

アンジェリンは唇を尖らした。

「ふん、ばあちゃんは知らないからそう言える……でもいいや。それ抜きにしてもトルネラには遊びに来て……療養になるし、一緒に来てくれれば道中も安心……」

「……ま、今の研究が一段落したら考えてやるよ」

マリアはそう言ってグラスの中身を飲み干した。