軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

要塞

「あ、でも食料の問題は、小型で栄養が取れるものが開発中だって聞きました」

マキちゃんが言ってた。

志崎さんが苦笑いする。

「食料を運ぶのも大変だけど、一番の問題は睡眠」

「あ、軽量テントとかもいるという?」

雷電さんがふははと笑った。

「探索者なのに、何も知らないんだね有希さぁ。そっか、初心者ってこんな感じかぁ」

恥ずかしくなって顔が赤くなる。

「すいません、何も知らなくて……」

「謝ることないよ~。なんていうの、教えてあげたくなる。えーっと、ウチらが当たり前だと思ってることも、全然当たり前じゃないんだなぁって。なんていうか、ああそうかって感じ?な、志崎もそう思うよね?」

シーザーさんも笑った。

「雷電、おまえのああそうかって感じが俺にはわからん。が、まぁ、中途半端な知識を語られるよりよっぽどいい」

シーザーさんの言葉に雷電さんが何かを思い出したように顔をしかめる。

「わかる。経験もしてないくせに、ネットで得た知識で語られると殴り倒したくなるっ!」

ああ、どういうことでもあるよね。机上の空論的なこと?現場を知らずに上で勝手にいろいろ言っちゃうやつ。

「もしかすると、荷物を減らせば拠点必要ないなんてやつもいるのかもって、有希の言葉聞いて気がついたよ。ね、志崎」

「ああ、そうだな。もっと口を酸っぱくして訴えた方がいいかもな。拠点の重要性……ってやつを上のやつに。食料やテントとかじゃなくてさ、拠点に求めるのはそんな山登りとは違って、うーん、そうだな……要塞か」

要塞?

「あー、そうそう、要塞とか砦とかそういうやつ!だからテントじゃ全然たりないの!」

「あ、睡眠って、テントがあればとか寝袋があればじゃなくて……魔物を警戒せずに寝るって方向の話……」

ぽんっと手を打つ。

「そう!もちろん見張りを立ててなるべく魔物が出ない場所を選んで寝るんだけど、落ち着いて寝れるわけないよねー!精神もすり減るし!」

雷電さんの言葉に志崎さんがうんとうなづく。

「こっちはどんどん精神すり減って疲弊していくのに、逆に魔物はどんどん強くなってくんだ」

「ゲームと違って、安全地帯もないし、ワープだとか転移もない、収納魔法なんて便利なものもないしさ、結界魔法すらないの、詰んでるよねぇ。だいたい世界一の記録の62階層だって、結構被害者出だしてあの記録だからさぁ、もう限界なんじゃない?物が食われるダンジョンの仕組みじゃ……」

志崎さんが雷電さんの頭をぐりぐりと撫でた。

「まぁ、レベルを上げて、無防備に寝てても傷一つつけられないような怪物になるしかないんだろうな」

「うへー、先は長い。でもまぁ、夢はある、夢は!んじゃ、さっそく行きますか!じゃ、またね!」

ばいばいと手を振りながら二人が立ち去る。

「3か月で4階層に進んめるレベルを8まで上げるのは難しいって言ってたよね……」

ため息をつきながらダンジョンへ。

昨日以上に、ダンジョン管理事務所は人であふれている。

「ただいま1階層は入場を制限しております。2階層以上へ向かう人はこちらから入場をお願いします」

どう見ても20代の人達の姿もある。

「法律改正前に探索者になっといてよかったよなぁ。18歳で滑り込みで登録だけした俺たち勝ち組じゃね?」

「言えてる、言えてる。いいか、まず1階層でレベルを上げてさっさと2階層に行く。2階層のこの芋みたいなやつが人気らしい。薬効とか有用成分があるわけじゃないが、食べたらなかなかうまいって」

「あー、ツバメの巣みたいな珍味枠で結構な値段になってんだよな」

ダンカリを見ながら仲良く話をしている。

……そうか、みんないろいろ調べてきてるんだ。

私は、とりあえずレベルを上げるのが目標。

ダンジョンの中は花火大会でもあるの?というくらいの人込み。

「2階層に進むにはレベルが2か確認しています」

列に並んで、マキちゃんに教えてもらったレベルの確認方法を思い出す。

えーっと、ステータスを思い浮かべて、レベル開示と言えばレベルだけを見せれるようになるんだよね。

名前:-----

年齢:-----

レベル:3

HP:-----

MP:-----

スキル:-----

称号:-----