作品タイトル不明
第317話 一時休憩
カナレ城。
次の戦に向かわないと行けないのだが、兵たちの体力なども考えて、少しだけ休息を取っていた。
センプラーまで移動して、カナレに戻ってきた、それからさらに、サイツとシューツの州境あたりまで向かうのだ。
かなり体力を使うだろう。
流石に休みなしで向かうと、兵たちも戦えないだろう。早く援軍に行っても、戦えないとなったら、意味はない。
急いで向かいたいところではあるが、休息は必須だった。
私は城にある書物室に行き、読書でもすることにした。
「アルス様」
書物室に行くと、リーツとロセルがいた。
二人とも真剣に何かを読んでいるようだ。
「何を読んでいるんだ?」
「昔の戦の資料などを読んでいました」
「前も読んだことあるけど、改めて読んでるんだ。実戦経験を積んでから、読んだら新しい発見もあると思って」
「二人とも真面目だな……休養中にも勉強をするとは」
「読んでいても体は休められますから」
二人とも真剣な表情で書物を読んでいた。
まあ、動かないから体は休まるのか。
「しかし、昔の戦か少し興味はあるな」
私はそこまで勉強熱心ではないので、知らないことも多い。最近戦が多いので、知っていても良いと思った。
「そうなんだ!」
私が興味あるというと、ロセルが目を輝かせる。
「今読んでるのはこれだね。アルカンテスの戦いってのが七百年前くらいにあったんだ」
アルカンテスはミーシアンの首都だ。
数年前、バサマークが支配するアルカンテスに、クランが攻め込んで、見事攻め落とすという戦があった。
七百年前も何かあったようだな。
七百年前というと、まだサマフォース帝国ができる前の話だと思う。
「一時期パラダイル州、当時はパラダイル王国ですが、かなりの強国になっていた時期がありまして、一時期アルカンテスに大軍が攻め込んできて、大ピンチになった時があります。当時、ミーシアン国の大将軍だった男が、自ら少数の兵を率いて、パラダイル軍を奇襲し、敵の将軍を討ち取り、パラダイル軍は大崩れして大勝利を収めたという戦です」
「ほう……」
リーツが戦について説明をする。
私はなんか桶狭間みたいな戦だなと思った。この世界にも奇襲で敵軍を倒すみたいな戦があったんだな。
「天候や密偵などを利用して、奇襲が成功しやすい状況を作り上げたみたいなんだ。運が良かったのもあるかもだけど、それ以上に判断力が凄いと思う。奇襲が成功すると思ったら、迅速に行動して奇襲を仕掛けているからね。戦はあまり悩みすぎてもよくない。俺も見習わないと」
真剣な表情をしてロセルがそういった。
悩むなか。中々私一人では決断は下せないが、優秀な家臣たちが言っていることなら、自信を持って決断は出来る。
それ以外にもさまざまな戦について二人は勉強していた。
私は途中で頭がパンクしそうになったので、書物室を後にして別の場所へと向かった。