軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

489 観光旅行 1

旅行である。

『ソロリティ』と孤児関連が一段落し、ベアトリスちゃんに迷惑を掛けちゃったことへのお詫びと慰安の意味も込めて、私、ベアトリスちゃん、サビーネちゃん、そしてコレットちゃんの4人で、小旅行を行うことにしたのだ。

日本語を勉強しているみんな、……特にまだ片言でしか喋れないベアトリスちゃんの、現地実習という意味もある。

なので当然、行き先は日本である。

ベアトリスちゃんには、仲間に入ってもらった時に少し日本を案内した。

でも、それはゼグレイウス王国に対する日本の特異性を理解してもらうことが目的だったから、 そういうトコ(・・・・・・) をメインにしたのだ。スカイツリーの展望台とか、新宿NSビル29階のレストランとか……。

その後の、お詫びの買い物ツアーは、デパート回りがメインだったしね。

なので今回は、もっと庶民的な、ベアトリスちゃんが日本に馴染めそうなところをのんびりと回るつもりだ。

サビーネちゃんとコレットちゃんも、今までそういうところにはあまり行っていないしね。

そういうわけで、私の仕事のスケジュール調整、王様やボーゼス侯爵様の許可、その他諸々の準備を整えて、日本の庶民旅行にGO!

* *

「……というわけで、ここが某地方都市にあるスーパー銭湯だよ」

「「「…………」」」

転移でやって来た、スーパー銭湯。

わざわざ地方都市のを選んだのは、規模が大きくて、あまり混まないからだ。地方だと土地の価格や人件費、その他諸々が大都市より安いからね。

そしてサビーネちゃん達が固まっているのは、今まではヤマノ家日本邸があるような住宅区の普通の建物、都会の高層建築とかは色々と見てきたけれど、こういう平面的に広くて高さは3階までしかなく、特殊な外観の建物は見慣れていないからだろうな。

スーパー銭湯らしく、屋根の一部に 瓦(かわら) を使っていたり、旗や 幟(のぼり) が立てられていたりして、今まで行ったところとはかなり 趣(おもむき) が違うから……。

まだ、奈良や京都には連れて行っていないんだよね。

「さ、入るよ!」

「「「うん!」」」

* *

普通の大きな浴槽だけでなく、ジャグジーバス、薬湯、打たせ湯、サウナ、岩盤浴、露天風呂、そしてレストラン、マッサージコーナー、休憩室、カラオケ、ゲームコーナー、その他諸々……。

いや、これ、もうスーパー銭湯の域を超えて、健康ランドだよね!

健康ランドは、スーパー銭湯より大規模な、クアハウスとかスパとか呼ばれるやつだ。

……で、3人はというと……。

「「「ふにゃああぁ〜〜……」」」

……溶けてる……。

まだお風呂コーナーだけで、マッサージとかレストランとかには行っていないのに……。

まぁ、身体が柔らかいお子様には、マッサージは必要ないけどね。

ジャグジーその他のお風呂シリーズだけで、溶けちゃったか……。

サビーネちゃんとコレットちゃんは、温泉宿には連れて行ったことがある。

でも、あそこは格調高い旅館で、温泉は普通の大浴場と露天風呂しかない、古式ゆかしいところだったからね。ジャグジーとかはなかったのだ。

ま、この後は更衣室で腰に手を当ててフルーツ牛乳を飲んで、レストランで食事して、その後はカラオケとゲームコーナーかな。

カラオケは、日本語の勉強を兼ねて……。

ゲームの方は、サビーネちゃんとコレットちゃんは家庭用ゲーム機でかなりやり込んでるけど、アーケードゲームはまだやったことがない。

戦闘機物とか、銃撃物とか、クレーンゲームとか、あるかな……。

ポケットの中身を全部出しておいて、座席に固定された身体がぶん回されるやつとか、画面に現れる敵を拳銃やアサルトライフルで撃ちまくるやつとか、今でも現役なのだろうか……。

いや、私は町のゲームセンターとかには行ったことがないんだよ。

家にあるゲーム機なら 無料(タダ) なのに、何が悲しゅーて百円玉を大量に貢がなアカンねん!

* *

食後、ゲームコーナーで全ての体力を使い果たした私達は、再びお風呂で汗を流してから、転移で自宅……日本邸へ戻った。

そして、そのまま爆睡。

いや、スーパー銭湯から戻ってきて、お風呂には入らないよ。

さすがにダブルサイズの私のベッドでも4人は厳しいため、ベッドは3人に譲って、私は床で寝た。

床とはいっても、コールマンのマットと 寝袋(シュラフ) を使っているから、身体が痛いとか寒いとかいうことはない。エアコンもつけているし……。

……でも、これからずっと、寝る時には私だけ仲間外れになるのか?

しかし、これ以上大きなベッドにするわけにはいかないだろう。クイーンサイズとかにしても、いくら子供とはいえさすがに4人は苦しいだろうし……。

うぬぬ、どうすれば……。

あ、同じ型のセミダブルを2台買って、くっつければ?

境目の部分は、マットレスパッドでうまく埋められるだろう。

……但し、私の部屋の殆どがベッドで埋まってしまうけれど……。

まあ、今は私の本拠地は雑貨屋ミツハと領地邸だし、居間を私の部屋ということにしてもいいし。

とにかく、今日は疲れた……。

何しろ、一日中スーパー銭湯……という名の健康ランド……で過ごしたからなぁ。

まあ、一番大変そうなのを元気な初日に済ませて、あとは食べ歩きと観光だ。

夜はうちに戻ってゆっくりと休めるから、疲労が蓄積することもないだろう。

移動には時間がかからないし、荷物は最小限で済むしね。

ま、明日からは、のんびりと行こう……。

* *

「こ、ここは……」

「秋葉原だよ。昔は電気の街、その後はポップカルチャーの街、……そして今は、ビジネス街化、国外からの来訪者目当ての観光地化、そして古き良き時代の雰囲気を徐々に失って無個性化が進み、衰退しつつある街だよ」

「「「…………」」」

みんな、どうして日本の観光なのにそんな寂れつつある街に、と疑問を抱いているような顔をしているけれど……。

まだ、秋葉原らしさが残っているうちに、見せておきたかったんだよね。

お父さんやお兄ちゃんが愛した、この秋葉原という街を……。

なので、最初に案内するのは、まだ生き残っているアマチュア無線機器の店、真空管やトランジスタ、LSIとかを売っている怪しげな店、盗聴器や隠しカメラとかを売っているもっと怪しげな店。

その次は、『 臼異本(うすいほん) 』やフィギュアを売っている店。

……勿論、『 臼異本(うすいほん) 』を手に取ることは禁止。

フィギュアも、見るだけ。

そして最後に、コンカフェ巡り。

メイドカフェ、執事カフェ、動物カフェ、妹カフェ、その他諸々……。

「「……」」

コレットちゃんは、よく分かっていないみたいだった。

……でも、メイドや執事に日常的に接しており、そして自分自身が『妹』であるサビーネちゃんとベアトリスちゃんは、多大な衝撃を受けているみたいだ。

「……嘘。何、この異常なメイド達は……」

「執事とは……、執事とは、こういうものじゃないわよっ!

そして、お兄様にこんなに甘える妹なんていないわよっっ!!」

サビーネちゃんとベアトリスちゃん、大混乱!

ふはは、予想通り……。

そして、どの店でも3人はモテまくり、メイドさんやらケモ耳女性やらにチェキを撮られまくった。

……勿論、お金を取られることはなく、お店の取り分はお姉さん達の自腹。

何枚かは、サビーネちゃん達が貰っていた。

まあ、こんなに可愛い異国の少女とツーショットを決められる機会なんて、まずないだろうからねぇ。

私だって、払うよ。1000円くらい……。