軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

ダンジョン攻略:ボス部屋前相談のターン

その日、ロクコは悩んでいた。

折角好きにしていいダンジョンを作るのだから、ボスも好きなものにしたい。

ドラゴンは好きだが、折角ならさらにもっと強いドラゴンにしたい。

「そうよ、強化すればいいのよ!」

とても良い名案を思いついた。

別に出たモンスターをそのまま使うという必要はない。DPで強化するだけでなく、他の手段を使っても良いのだ。

むしろ、DPを使うのは時短ではあるが効率は良くない事が多いと経験で知っている。

外注できるなら、できる人物に手伝ってもらえばいい。なんでもひとりでやる必要はないのだ。と、これも経験で知っていた。

そして、ドラゴンを強化できる人物の心当たりも当然あった。

「というわけでソト、レオナにウチのドラゴンを強化してもらえないかしら」

「いくらママの頼みだからって、恋人を安売りする気はありませんよ!」

それは娘の恋人だった。

それは娘の頼みを断れない。

つまり娘を説得すれば、仕事を頼めるのだ。

「ところでダンジョン村のゴミ処理ってどうやってるか知ってる? ダンジョンに捨てるのよ。ダンジョンで吸収すれば多少はDPにもなるしWin-Winなの。――そして、その中には当然使い潰して捨てるしかなくなった靴下も」

「お家のお手伝いってすごく娘っぽいですよね!」

カリソト区にゴミ収集場ができた。

* * *

『というわけで、光と闇の属性ドラゴン。相反する2属性を持つ素敵なヤツよ!!』

「……なんかこう、こちらの効果無効にしてきそうなやつだな」

『全属性はさすがに頼むのをやめておいたのよ? 今回は』

うんうん、次の機会があったら全属性ドラゴンを発注しようってことね、レオナにもちゃんと報酬払ってやるんだぞ?

『光と闇が合わさり最強に見えるそうよ! 名前はライダー君だって。乗り物らしいわ?』

「絶対嘘だ……まぁそれはいいか。で、弱点は?」

『知らないわ? あ、本当に知らないのよ。隠しているわけでもなく。……でもそもそも自分で攻略してよね! ボススポーンに登録してて殺していいやつだから!』

うん、まぁどういう相手か分かったかだけでもコッソリとロクコに連絡を取った甲斐はあったよ。

……さぁてと。戻るか。

「ただいまー」

「む、お帰りですぞキョウ殿。腹具合は大丈夫ですかな?」

「大丈夫だ。問題ない」

「ボス戦に支障がありそうならしっかり休みましょうキョウ様。遠慮しないでくださいね?」

「大丈夫だっつってんだろ」

さて、一応ドラゴンについての情報を少し開示しておくとしよう。

さすがに 混沌神(レオナ) が手を出してる、っていうのは秘密の方が良いよな。

「どうやらあのドラゴンは光と闇の属性を持っていると思われる。弱点は何だと思う?」

「む? 光と闇……なるほど、だから白と黒なのか」

「光属性なら光に耐性があり闇が弱点、闇属性なら闇に耐性があり光が弱点……と一般的には言われていますが、その両方となると……両方に耐性があるということでしょうか」

「まぁそう見て良いだろう」

あるいは打ち消し合ってどちらに対しても耐性も弱点もない、という可能性もあるが、あのレオナが改造したドラゴンなら両方に耐性があると見たほうが良い。

「そうなるとキョウ様のジャッジメントレイは効果が薄そうですね。火属性や風属性をベースに戦闘を組み立てた方がよいでしょうか」

「物理攻撃系のスキルも良いだろうな」

「キョウ様、物理系はどの程度?」

「あまり、だな。近接は任せる。効果は薄いだろうが遠距離から支援しよう」

「元々私とナリキン様だけで戦う予定でしたし、それでもありがたいですね」

相談終了。さぁ戦闘を開始しよう。

俺達はボス部屋の扉を再度開けた。

……試しに一発。えいっ、【エレメンタルバースト】!

飛んでいく光の帯。光と闇のドラゴンはそれを翼でガキンッと弾き飛ばした。

……おぅ、ちゃんとガードしてくるタイプの優秀なヤツか。

これは倒した後、復活して正式にボスになるのが楽しみだね。

「ボス部屋の外から連射で倒せるような甘い相手じゃないようだな」

「ダンジョンによっては行けるんですけど、ここは生憎、のようですね。あ、扉から狙えない位置に隠れましたよ。賢いです」

「だが、完全に効かないのであれば逃げもしないはずだ。つまりダメージは入るということ。援護射撃を頼みますぞ、キョウ殿」

すぅ、はぁ。と深く呼吸を一度。

「いくぞ、戦闘開始だ!」

俺達は扉を蹴破り、ボス部屋に乗り込んだ。