軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

蘇生失敗、試練成功。からの

故ロネスキーを操っていたゴーストをコッソリ回収すると、故ロネスキーは再び死体に戻る。

ゴースト自体はウチのダンジョンでDPを使って普通に出せる存在だったので、錬金術云々と言い訳しつつ使わせてもらった。

うん、ゴーストをテイムするネクロマンサーに近い技能に近いダンジョンマスターなんだ。済まない。光神教なこの場所では絶対に言えないけど。まぁ前教皇もダンジョンコアだったし秘密だったし。良いだろ別に。

「……さて。ラギル殿。試練はどうしますかな? 一応は蘇生は成功したような、それでいて失敗したような。新しい試練を出していただいても構いませんぞ」

「……」

ラギルは地面に大の字に横たわっている。

なにもかも、どうでもよくなったかのような、そんな自暴自棄な雰囲気を感じる。

「……達成で良い。ああ、認める。認めるとも……」

「おお! であれば、これで一応3つの試練を達成ですかな?……ああいや、故ロネスキー殿の分はやり直しでしょうか」

「まぁ、そりゃ仕方ないね……明日にでもバラクドを呼ぼうか、はぁ」

マグニがため息をついた。

きっと慣れない儀式魔法に疲れたのだろう。うんうん。……いやぁそれもあるだろうけど大半はちょっとやり過ぎた事に対するため息だろうな。

けど、前教皇の『奇跡』を貶めるために、ちょっと色々と仕組みをバラさせてもらった。

本当に教皇がゴーストを使って蘇生モドキをさせていたのかは知らん。が、ゴーストにはそこは無視してそう言ってもらった。

前教皇の作ったハードルが高いと、色々面倒臭いことになるからね。仕方ないね。

マグニがナリキンに話しかける。

「とりあえず、ナリキンや。アンタの連れについては無罪放免とするよ。もう帰しても良い。手続きは……こっちでやっておこう」

「おや。ありがとうございますぞマグニ殿。よかったですな、ロクファ、キョウ」

「はい。無事帰れそうで何よりですナリキン」

「ですねー。やれやれ疲れましたよー」

……尚、今『キョウ』は俺ではない。ネルネご本人とこっそり入れ替わって『キョウ』をやってもらったのだ。特別ボーナスを兼ねてリザレクションのスクロールを与えたので喜んでやってもらえている。

俺は 鳥(トラン) に【超変身】してこっそり見守っていたわけだ。念話でアドバイス――ネルネにはあんまりしゃべるなとは言っといた。

え、なぜこんなことをって? そりゃ俺抜きでも【リザレクション】ができないと、蘇生を行うたびに俺が呼び出されちまうからだ。本当に儀式魔法として実行してもらって、ちゃんと俺抜きでも実行できることが確認できた。

これなら 妻の実家(ダンジョン) から『リザレクションのスクロール』を差し入れて使い手を増やせばナリキン達すら必要なくなるだろう。そのためなら光神教内にバラまいてやってもいい。どうせ【ちょい複製】でタダみたいなもんだ。

「……」

聖女アルカがチラリと キョウ(ネルネ) を見ている。俺ではないことに気付かれたかもしれないな。まぁ、気付いたところでどうでも良いだろう。もうそこに俺は、本物のキョウはいないのだから。残念だったな!

とりあえずネルネには聖女アルカを無視するように念話を飛ばしておく。

さて、故ロネスキーの試練の分、1試練やりなおしだ。

バラクドは一体どんな試験を出してくるんだろうな? 死者蘇生まで試練にしたんだ、さすがにもうこれ以上難しいのはないだろう。

キョウについては聖女に絡まれることもなく、無事帰還に成功した。

* * *

そして翌日。

改めて4番目の試練が発表されることになった。

俺は 小鳥(トラン) に『憑依』してこっそり付いてきていた。

「……ええっと。このたびは故ロネスキーが神の御下へ昇ってしまったがため、改めて第一の試練を再試練することになりました」

ラギルの腰巾着であるバラクド。しかし当のラギルはもはや力なく項垂れており、バラクドは特に指示を受けているようでもない。

これは簡単な試練になるな。

「というわけで、こちらから提示する試練ですが、ええと。それでは発表します」

「はっ」

「第1の試練、の、再試練ということで……あー、えっと。あの途中まで攻略していたダンジョンを最後まで攻略しきってください。そして聖女アルカも連れて行くように」

「はい。……は?」

え。あのハリボテの撮影ダンジョンに、聖女を……!?

「え、あー、いや、ダンジョンの攻略は自分一人で十分ですが?」

「ああ、それは……要望が多かったのですよ。聖女とのタッグでダンジョンを攻略しているところが見たいと。なのでよろしくお願いします。聖女はダンジョン攻略に慣れていますし、有力な味方になれど邪魔にはならないでしょう」

元々の第一の試練で使ったアレで。

第二の試練で実力を示し合った聖女と。

「少なくとも、聖書よりも役に立つのは間違いないでしょう」

「……そうですな」

「この試練を終えればいよいよ教皇ですな。頑張ってくだされ」

この国で頂点の冒険者と言って差し支えない聖女に対し、足を引っ張るから一人で行きたい……とは、言えないだろう。

ましてや第一の試練では聖書を守ってすらいたのだ、聖女を連れて行く余裕が無いなどありえないだろう。

こっそりと、ナリキンがこちらを見た。

……あの撮影ダンジョンに連れて行かなきゃならんのか。聖女を。

最後の最後に、まさかのこんな難題が出て来るとは……くっ、第一の試練でダンジョンを爆破させておけばよかった!!