軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

謁見の結果

その後、奥様とおだてられたロクコが気を良くして米俵1つプレゼントすることになった。

米袋ではない、米俵だ。約60kgの米俵がドンと謁見室に置かれていた。

「こ、こ、これが伝説の……コメダワーラ! おお、ゴレーヌ奥様、ロクコ様は神様じゃあ……」

「ふふん。崇め奉りなさい?」

「ははぁーーーーッ!!」

五体投地する勢いでロクコに頭を下げるミカドさん。

得意げに鼻を高くしてるロクコ。

「……なぁ、売りつけてやれば金貨600枚くらいにはなったんじゃないか?」

「今更お金はそんな必要ないでしょ? 村に帰ってもそんなお金使わないじゃないの」

「それは確かにそうなんだけど」

DPならともかく、金貨は既にたっぷりと金庫にある。

というかDPも最近はさほど使わないし、ハクさんからの報酬も貯め込んでるし、安定期に入ってると思う。

実際安定してるからこうして旅行にも行けてるわけだしな。

無駄に村を大きくしても管理しきれなくて大変になるし。今くらいが丁度いいんだろうな。

と、ロクコがそっと耳打ちしてくる。

「むしろ、GPを稼ぐにはこういうことした方がいいんじゃないのかしら」

「GPか……そういやそんなのもあったな」

GP。神様ポイントだ。確かにお金でもDPでも買えない貴重なものなので、こうして何かを与えてGPを稼げる機会があるならやっといた方が良いのかもしれない。

とはいえ、100GP貯めたところでもうハクさんには認めてもらってはいるらしいので、使い道がないともいえるけど……今後何があるかも分からないし、貯めておけるなら貯めておいた方がいいか。

こっそりメニューを開いてみれば、GPが72になっていた。

……最近チェックしてなかったけど、なんかすごい増えてるな!?

米俵で増えた分がどれくらいか分からないけど、これはワコークに米を卸してもいい理由にはなりえる話だな。

「いいこと? このお米を食べる時は、いただきますの前に私に感謝し、ごちそうさまの後に私に感謝しなさい!」

「ははぁー!! ありがとうございますゴレーヌ大明神様! おっしゃられるとおりにいたします! ありがとうございます!」

ゴレーヌ大明神ってなんだよ。それ俺も入ってるんじゃないか?

「ふふん、いい気分ね、ケーマ?」

「俺はあんまりそういうのはなぁ……慣れないというか……」

「オフトン教の教祖しておいて今更何言ってんのよ」

それはそうなんだけど。とワタルをちらっと見る。

「見てくださいネルネさん。ケーマさんが崇め奉られてますよ」

「さすがマスターですー、オヤスミナサイー、ですよー?」

「僕も拝んでおきますかね。ご利益普通にありそうだし」

カップルで拝まれた。よし、ワタルには一生ネルネの尻に敷かれる祝福を授けてやろう。

……普通に喜びそうだなぁ。

* * *

こうしてミカドへの謁見は終わり、その後は適当に着物などのお土産を買い漁って俺達はワコークから帰ることになった。

行きと同様にワコーク商会の船で海を行き、パヴェーラまで送ってもらう。

途中でクラーケンが出たのでワタルに退治させ、巨大イカ焼きパーティーを船上で開催したりもしつつ、俺達は無事に帝国まで帰ってきた。

パヴェーラの港で色々感謝されつつ船から降りると、嗅ぎ慣れた帝国のニオイがした。

「……はー、ここまで帰ってくると、帰ってきたなーって感じするなぁ」

「そうね。空気の味っていうのかしら? やっぱり違うのよねー」

「おっ、分かりますかお二人とも! 実はそういう空気の違いって、国毎に使われてる調味料とかの香りなんだそうですよ」

そう言われてみるとほんのりウスターソースの香りのような気がしてきた。ここら辺ではウチの村から大量に流してるからなぁ、ウスターソース。

パヴェーラの訛りって関西っぽいからついつい流しちゃうんだよね……

「なるほど。言われてみればワコークはカツオブシみたいなニオイだったわね」

「あと昆布とかで。出汁の香りでしたねー」

そう考えるとウチの村は醤油とかの香りなんだろうか。そう考えると、ワタルが気に入ったのもそれが原因かもしれない。

「ま、家に帰るまでが旅行だ。さっさと帰るぞ」

「また馬車出してくださいよケーマさん。僕引きますよ?」

「……普通に馬は借りるか。あとでダイン商会に駄賃払って返させよう」

「それならー、普通にダイン商会で馬借りればいいのではー?」

ウチの村のダイン商会、パヴェーラ支店があるらしい。……いやアイツパヴェーラ出身だしこっちにあるのが本店なのかな。

馬を借りるべくダイン商会に向かうと、そこは大繁盛していた。

主力商品は俺達のダンジョン『欲望の洞窟』で産出したアイテムの販売の他、魚介類の加工食品等も取り扱っている。

そういや俺の出した金は加工品の工場を建てるのにも使ったとか言ってたっけなぁ。

「いらっしゃいませ……あ、オーナー! ようこそっす! 何か入用ですか?」

「ん? あ、うん。ゴレーヌ村に行くから馬を」

「うっす! すぐに馬車用意しますわ! ちぃとおまちくだせぇ!」

「馬だけでいいぞ、馬車はあるから」

「了解しましたぁ!」

店員は俺の顔を見て、すぐに対応してくれた。……俺の顔、そんなに知られてたのか。

教祖でミサとかもしてるしなぁ。よく見たら村でも見たことある顔、のような気もする。

「馬持ってきました!」

「お、早いね」

「ええそりゃもう。ダインさんからもオーナーには最優先で対応しろ言われてますからね! ウチの商会があるのもオーナーのおかげですもん」

「へぇ、ダインがそんなことを。まぁ俺としちゃ助かるけど。そんじゃ馬借りてくよ。村でダインに返せばいいよな?」

「はい! 問題ないです! いやー、それにしても最近はゴレーヌ町のおかげでウハウハですわ」

……ん? ゴレーヌ町?