軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

果物おいしいです^q^

さて、DP補充もできた。万全の準備が整ったところで、管理されたダンジョンとやらの捜索しようかなーっと。

「今日は果樹園の方に行ってみるかなーっと、先にトイレ行ってくるか」

『憑依』している間におもらしなんぞしたくないからな。

自分の身体から切り離して意識を飛ばすため、寝る前以上にしっかりと出すもの出しておくことが肝心だ。なにせ漏らしてからじゃなきゃマスタールーム在中のエレカにも分からないので。

定期的に憑依を解除してトイレへ行かないと長時間の憑依は大惨事になりかねない。

……うん、先日のダンジョン跡地訪問の時はこっそり『浄化』してくれてたとかね。ありがとうエレカ。ロクコにも黙っててくれてありがとう、ロクコはトイレ要らないダンジョンコアなので大丈夫だったみたいだけど。

まさか、うん、『憑依』にこんな罠が仕掛けられていただなんて……

今後は! トイレ! 大事に!……大事に!!(とても大事な事なので2回)

そんなわけで、俺は『憑依』の前に一旦マスタールームから村長邸の自部屋に戻り、トイレへと向かった。

「おっご主人様や」

「ん?」

トイレにいこうと村長邸の廊下を歩いていると、唐突にイチカが話しかけてきた。

「最近なんか聖王国調べとるんやっけ、どない?」

「あー。とりあえず果樹園を調べてこようと思ってるよ」

「果樹園?」

「なんか色々と珍しい……というか、季節がおかしい果物が手に入ったからさ」

と、そういえばその果物はナリキンの【収納】に入れてある。ソトに持ってきてもらって、イチカに見せてみようか――

「ああ、ソト様の食ってたヤツ?」

「……ん?」

「ん? ちゃうの? ウチもソト様に【ちょい複製】してもらったの食ったけど、めっちゃ美味かったで。オレンジ、バナナ、リンゴにメロン」

「……んん??」

よし、ちょっとソトに用事ができたな。俺はロクコに憑依中止を告げて、ソトを探した。

「か、勝手に食べてごめんなさいでした!」

村長邸に増築したソトの部屋で優雅に漫画(ロクコの部屋に有ったものを持ってきたそうな)を読書していたソト。日本語が読めるのかと少し驚きつつも、つまみ食いの件を追求しようとしたらソトはあっさり犯行を認めた。

初めてのお使いに合わせて、ナリキンの【収納】と空間を繋げたときに俺の【収納】スペース、つまりソトの ダンジョン(おなか) の中に転がり込んでしまったらしい。うん。それでつい食べちゃったって? そっかー。

「……まぁ反省してるようだから今回は許すけど、今度から食べたかったらちゃんと言ってくれ」

「うー、ごめんなさいパパ」

「それよりも、調査用の果物が消えたのがちょっと痛いか……?」

いや、それこそソトに【ちょい複製】で出してもらえばいいのだろうか。

「……出せるの、1つだけですよ?」

「あ、そうだった。まぁ、バナナやミカンやら、果物くらいDPで出せるしいいんだけどもさ。現物とちょっと違うけど……」

と、試しにDPでバナナを出してみる。2DPで1房だ。

「パパ! これ、私が食べたのよりおいしいです!」

「……まぁ、こっちのは日本で手に入る品種改良済みのだからそうなるか……ほらこれとかどうだ?」

試しに20DPの輝くマスカットを出す(実際に輝いているわけではない)。品種改良の粋を集めた、緑に輝く大粒マスカット。皮ごと食べられて種もなく、芳醇な香りと甘さ。木に 生(な) るゼリーと言っていいかもしれない。日本のスーパーでも2000円以上はする代物だ。

食べてみんしゃい、とソトにひと房渡すと、一粒食べたソトが目を見開いて驚いた。

「――!? ぱ、ぱぱっ!? これ、はっ……格が違い過ぎます!!」

「こっちの世界で売りだしたらヤバイことになるなコレ。絶対厄介事が舞い込んでくるだろうから身内用な。絶対よその人に食べさせたり食べるところ見られたりするなよ」

「はーい」

そんなわけで、銀貨で購入した代物よりいくらか質のいい果物詰め合わせが出来上がる。……うーん、これを見せて「これはどこで作った?」とか聞いたらさすがに不自然か?

「……って、美味しかったからまた買いに来た、とか言って商業ギルドで買えばいいだけじゃないか。ソト、ナリキン達に果物代を届けてくれ」

「はーい。【収納】ちょっとつなげて放り投げるだけだからお安い御用ですっ! だからマスカットのお代わりを所望します」

「この果物詰め合わせをそのままあげよう。……あとでちゃんと歯は磨いておけよ?」

「わーい!」

というわけで、ついでにナリキンへの指示を書いた手紙も渡しておく。サンシターの果樹園に行くのはまた明日だな。