軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

初心者狩り狩り

新人狩りの2人は、処分してダンジョン奥へ遺棄したということで話が付いた。

証拠としてアイツらの持っていた串刺し状態のギルドカードを提出したところ、かなり感謝された。

ちなみに、奴らの『コレクション』についてはニクがサキュバスわんこになって魅了し、すべて吐き出させた。

襲撃を返り討ちにしたときは見つけていなかったが、当然、最下級のGランクカードが刺された串もあった。3本くらい。

……というか、男の方はなんで死体の体の一部をコレクションとかしてるわけ? 耳とか指とか突起物系のを。焼却供養したわ。

「……古い方のカードから見るに、聖王国、ダイードを経てラヴェリオへ移動していたみたいですね。かなりの数になりそうです。が、ざっと見たところ問題になりそうな貴族の子弟は居ないようですね、安心しました」

ギルドが気にしてたのはそこか……あるいは被害者を見てその中に貴族がいなければ良いということだろうか。

貴族の被害者は確認されていないので完全にないと言ってもいい、みたいな。

貴族が紛れてたら余計な仕事が増えるところだった、的な。

一応、報奨金も貰えるらしい。……ま、くれるってんなら貰っておくか。

協力者のマイオドールやシキナにも報酬分けないとな。冒険者として。

さて、そんなわけで捕まえた初心者狩りの処遇だ。

ギルドには殺してダンジョンに食わせたと言っておいたが、当然まだ生きている。

「それでケーマ、どう処分するの? 生かしては返さないんでしょう?」

「もちろんだ。俺の抱き枕を狙った罪、その命を存分に使って償ってもらう」

「となると、前に作った人間牧場に入れて管理するの?」

そういえばそんなのもあったな、と思い返す。たしかレイに管理を任せてたっけ。……まだ生きてるんだろうかアレ。もう村できたしいらないよな?

「今回のにはダンジョンのテスターになってもらう」

「テスター?」

「要するに、あの2人相手にダンジョンボスの戦闘訓練とか罠の実験をさせてもらおうってわけだ」

作ったはいいものの、今のところダンジョンの奥深くへの侵入は黒い狼のリンと聖女のみ。初心者・中堅向けの4階層までを除き、圧倒的に対人経験が浅すぎるのがこのダンジョンだ。

ハニワゴーレム、アイアンハニワゴーレム、そして罠を組み込んで作った最新ボスのゴーレムドラゴン。

一応ニクやイチカを相手にテストはしてもらっているが、どうしても手加減してしまう。というか手加減しないと死ねる。

手加減不要なゴーレムを使ってのテストもしてるが……やはり人間相手の経験なら人間が一番だろう。

他にも油の池に割れたガラスを隠した通路とかも、実際どのくらい有効なのか、一度も試せていないのだ。

折角のCランク冒険者だし、有効活用するとしよう。

「ついでにニクとネルの憑依サキュバス訓練もできるしな」

ダンジョンの最終兵器、わんこサキュバス。 無闇矢鱈(むやみやたら) に試すわけにもいかないこれも、死刑囚相手なら遠慮なく試せるというわけだ。

どうせなら恐怖で足が 竦(すく) むようなことがなく、常に新鮮な気持ちで挑み続けていただきたい。魅了による記憶操作ならそれが可能とくれば、やらない手はない。

万一襲い掛かってきたとしてもあのくらいの腕なら、ニクで確実に対処可能だしな。

既に一度、証拠物件を押収するために使ったが、効果は 覿面(てきめん) だった。

お金やアイテムも併せてくれたので、検分してからダンジョンのお宝に回しておこう。

どこまでやったら死ぬか、【ヒーリング】とかの回復魔法はどのくらいまで使えるかとかの練習もできるな。

俺もできるだけ経験を積ませてもらおう。

徐々にハードルを上げつつ、ゴーレムドラゴンやハニワ達、罠のテスト、ついでにゴーレムたちやゴブリンの集団戦練習もできた。

なかなかグロいことになりつつも、回復魔法の訓練もたっぷりできた。腕がちぎれても紛失してなければくっつけて治ることが分かった。結構魔力を食うけど、指くらいなら生やせる。

その後しっかり動かせていなかったので本来リハビリは必要なのだろうが、なんと魅了で脳に「ちゃんと治った」と刷り込ませることでこれも動いたのだ。

ヤバイ。魅了の万能っぷりが【クリエイトゴーレム】に迫る勢いだ。

さすがに腕は生やせなかったので男の左腕がクレイゴーレムの義手となった。

本人は魅了で本物の腕だと思い込んでるし、少しガタガタしてるがちゃんと動けるあたりすごくて、逆に恐ろしい程だ。

クレイゴーレムだからこれだけど、オリハルコンで義手作れば本物以上の腕になるんじゃないか? 俺はやらないけど。

まぁそんなこんなで……串にさしてあったギルドカードの数だけ半殺し&回復+記憶消しをしようかと思ったが、そろそろその前に回復魔法の限界を超えそうだ。

さて、あとどれくらい行けるかなー……っと。

あっ。女の方、ゴーレムドラゴンのブレス(火炎罠)をモロに食らった。

うわぁよく燃える。服に油が染み込んでたからか? いやそれにしても骨しか残ってないぞ。死んだな……これで生きてたら怖い。

力加減を誤った……魅了による記憶消去のかけ過ぎでガタガタになってたから、まぁ仕方ない。

『う、うわぁああああ! いやだ、いやだ、死ぬのは嫌だぁあああ! へぼぉ、な、う、腕が取れ……ひぃ、ゴーレムの腕!? 僕の腕はどこだよぉ!?』

こっちも限界かな。と、俺はゴーレムドラゴンに介錯させる。

DP収入がぽこんっと入ってきた。何度も倒しているだけあって、あっさりとカタはついたな。

こっちもブレスで火葬したから骨しか残らなかったわけだが……さて。

「命尽き果てても、まだお前らには利用できるところが残っているようだ」

そして俺は、こいつらの骨を手元に取り寄せた。

この時の俺は、治癒魔法の練習でだいぶグロいのを見てきたもんだから感覚がマヒしていたのだろう。うん、きっとそうだ。

「てりゃー! くらえ!」

「うおー!」

後日、ゴレーヌ村冒険者ギルドの訓練用広場。

そこには、新人相手に戦闘訓練の相手を務める2体のスケルトンが居た。

ウレタンの武具で武装したこいつらは、そう。ゲスーノとキワミの骨をゴーレム化したものだ。ゲスーノの左腕部分は鉄製の骨を作り補っている。

今は新人用戦闘教材スケルトンとしてギルドの臨時職員扱いとなっていた。

ぽこんぽこんとウレタン製の安全な武具による攻防はベテランからすれば鼻で笑ってしまうようなヌルさだが、新人たちには貴重な戦闘訓練になる。

うちのダンジョンではゴブリンが安定して出るため、戦闘訓練を積みたい新人が集まっている。おかげでこのスケルトンたちは結構な人気者となっていた。

今の名前は誰が付けたか知らないが「プジ」と「ロダア」らしい。そう呼ばれていた。意味は知らんしどっちがどっちの名前かも知らん。ポチとかタマとかジョン・ドゥみたいな定番の名前なのかもしれない。

俺は、訓練を眺める受付嬢さんに話しかけた。

「どうです、2体の調子は」

「ああケーマさん、この度はまたおかしなものを見つけてきましたね。……スケルトンの奴隷でしたか?」

「ええ、ダンジョンの奥の方で見つけましたよ。オフトン教の経典にも書かれている犯罪者の末路の一つに一致します」

ということで、不眠不休無給で働くスケルトンの奴隷は、オフトン教の経典にも記される極刑の一つとなった。おお、なんと恐ろしいことか。

「コンビネーションも良く、たまに中々に鋭い一撃を繰り出すこともあって結構緊張感があると評判ですね。冒険者ランクでいえばDランク、時々Cランクといったところでしょうか」

「なるほど、そこそこやれるようですね」

「ええ。いい訓練になります。……しかしあの動き、まさかこの間の初心者狩りが? なんて、そんな気もするんですよね……」

さすがは受付嬢さん、鋭い考察である。ヒヤリとするぜ。

それからしばらく見ていたが、スケルトンは初心者相手にポコポコ殴ったり殴られたりを繰り返していた。

まぁなんだ。新人を狩り続けてきたあいつらには、今後は新人のために働き続けてもらうのが丁度いいだろう。

せいぜい身を骨粉にして働いてくれ。