軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第三次ダンジョンバトル:戦い(4)

『そうだケーマ君。1つ聞きたいことがあるんだけどいいかな? 今、水生生物のコアって居ないんだ。なぜかっていうとパーティーに来れないからだったんだけど……ケーマ君、人魚のコアとかどうすればパーティーに来れると思う?』

「……開催場所を海辺にするとか、プール作るとか、台車に桶のっけてそこにいれてやれば参加できるんじゃないですか? あるいは、最初から人化覚えさせておくとか。人魚ってそういうのできる話聞きますし。――ああいっそもうスキルかなんかで空中泳げればいいんじゃないですかね?」

『いいねいいね、さすがケーマ君だ。参考にさせてもらうよ』

唐突に『父』から通信が入って、質問されたので、適当に答えた。

というか戦闘中に個人的な相談をしないでください、審判。

「ケーマ、あんた父様相手に普通に返答できるとか、凄いわね」

「お前の父ちゃんだろ、大体そんな感じで見てるよ」

ロクコの父親ということで、たとえ神だろうが気にしないことにした。気にしたところでつかみどころがないし。

「父ちゃんなどとは……お父様に失礼ですよケーマさん」

『うん? 好きに呼んでくれて構わないよ。まぁケーマ君も僕のことは気軽にお父さん……いや、 義父(おとう) さんと呼んでくれてもいいんだよ? リオン君はそう呼んでくれてたし』

普通に聞いてるのか、普通に返事を返してきたよオイ。っていうか誰だよリオン君って。

と思っていたら、イチカがちょいちょいと耳打ちしてきた。

……ああ、ラヴェリオ帝国の初代皇帝。つまりハクさんのマスターか。お金の単位にもなってるらしい。銅貨1枚が1リオン。

「アイツのことはいいでしょうお父様。過去の過ちです」

『そうかい』

こうして話を聞いてると、普通に父親と娘の会話に感じるからなんか不思議だ。初代皇帝があたかも元カレ……おっと、ハクさんから殺気。ナンデモナイデス。

さて、それはさておき、先ほどガーゴイルとの戦闘のどさくさに紛れてこちらで召喚した『スケルトン』で蛇にちょっかいをかけた。

龍王チーム、見事につられて魔王チームのスケルトンを攻撃。なんというチョロイやつらだ、と思ったね。しかし魔王チームはそのさらに斜め上を行った。

龍王チームの蛇を殲滅しにかかったのだ。

……ガーゴイルを殲滅してから、と言うのを見るに、こちらのちょっかいから龍王チームは単純に邪魔であると判断したのだろう。

蛇たちは蜘蛛の子を散らすように逃げて、別々に進むことになった。……まぁ水で流す都合上、このダンジョンほぼ一本道なんだけど。枝道があったとして、特に低層フロアは水門の分くらいしかない。結局行き止まりだ。

とりあえず蛇は殲滅されなかったが、完全に別々に分かれて攻略してくれるようだ。

ありがたい。2チームの勢力が協力して攻略してくることを考えなくてよくなった。

「おっと、ガーゴイル補充しないとな」

俺は詠唱をしっかりした上で【サモンガーゴイル】を繰り返し唱える。面倒だけどハクさんの目の前だ。

召喚したガーゴイルたちは、順次迎撃に向かわせる。

……と、次のフロアは完全水没エリアか。登り階段を進んだ先で、水の中に続く下り階段に一度降りなければならないフロアだ。

イメージとしては、排水口トラップである。下水からの害虫侵入を防ぐアレだ。

ダンジョンの制約として、突破できないダンジョンはアウトなため途中にいくつも空気を吸える休憩ポイントを用意してあるから完全水没というのもなんだが……

蛇はともかく、スケルトンには要らないよなぁ、休憩ポイント。

「とりあえずガーゴイルたちは休憩ポイントで出待ちな。海水に濡れてびっしょりの所を電撃魔法スキルの【スパーク】だ……なんだけども、なぁ」

「? 何か不安があるのケーマ? 聞いてるだけで効きそうなんだけど」

「……骨に電気って効くのかなぁ……」

「あー」

筋肉だったらビクンってなりそうだけど、骨だもんなぁ。

ちらっとハクさんを見る。

「聞きたいことがあるならちゃんと聞いてくださいね。【スパーク】は光属性の魔法ですし、スケルトンには結構効きますよ」

「あ、そういう感じなんですか」

「そういう感じというのがどういうことかは知りませんが」

でもまぁ、骨には休憩ポイント自体スルーされかねない。蛇相手ならいけるだろうけど。

あんまりスルーされるようなら水面から【スパーク】撃ってみても――海水で拡散するからダメか。

と、守りの方は置いといて、攻めの方はどうなってる?

「イチカ、ニク。攻めの方はどうだ?」

「魔王チームのダンジョンやけど、丁度今、サメで骨魚倒したとこや。ボス部屋扉開いたから、鰯たちを第3階層へ向かわせて引き続き探索するで」

「龍王チームのダンジョンは黒い鎧が無双してるので、探索と道案内だけであとは魔王チームに任せてますが、順調です。あと、ナメクジが防衛に出てきました。天井にびっしりいます。モニターに映しますか?」

龍王チームのダンジョンは見ないようにしよう。それにしても順調だ。気にするのは同じく攻め込んでる敵チームからの妨害ってくらいか。俺が言うのもなんだけど、ダンジョンの攻略はそこそこ協力したほうがいいよね、捗るから。

用意して置いたけど使わない手も出てきそうだな。ま、切り札が余ってて勝てるならそれに越したことは無い。

攻略進んでるみたいだし、水没エリアに入られる前に水攻めしつつ水を追加しよう。

「んじゃ水門開けろー。しばらく開けっ放しで、敵ダンジョンにガンガン水を流し込め」

「はーい。この位置なら第3水門かしら。開けとくわね」

ドドドド……と、海水が溢れ、うねり、スケルトンと蛇を襲う。

「……おや?」

「ケーマ、大変! 流れないわよこいつら!」

蛇は流されていた。が、スケルトンは流れずに、壁際に留まっていた。

スケルトンは通路の壁に沿って縦一列に並んで、水流を受け止め切って居たのだ。

勢いのついた水流を1人分の面積で受け、後ろ全員で踏ん張る。

これは、鉄砲水に対し複数人で対抗する方法であった。……思ってたよりも早い対抗だな。6番コアの入れ知恵か、はたまた666番コアかそのマスターの対応か?

「しばらく水を流しっぱなしとけ。水が流れている間は動けないようだし、なんかぶつけてやろう」

「わ、わかったわ」

俺は『マナポーション(樽)』の使用済み空樽にガーゴイルを一匹入れて、水流に乗せてスケルトンにぶつけさせた。

樽と、数匹のスケルトンが砕け、さらにガーゴイルが流れつつ追い打ちをかける。

これにはたまらず、スケルトンたちの隊列も瓦解して流れていった。

スケルトンと合わせて龍王チームのダンジョンまで流されたガーゴイルには、そのまま探索を続けてもらうことにした。

……樽とガーゴイルも対策されるかなぁ。別のも考えておこうっと。