軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

13、マーティン家の両親

夜。アレクは我が家に泊まることになった。クタナツでは大抵私と二人で宿に泊まることが多いのだが。

今夜は父上も帰ってくるので、情報の共有をしておこうってわけだ。

「カース、聞いたぞ! 本当によかった! お前にいつか魔力が戻ると信じていたぞ!」

「父上……ありがと。」

「本当によかったわね。エルフの飲み薬が効いたのかしら? 不思議な薬よね。」

「キアラが全魔力を入れてくれたのも良かったのかもね。」

井戸の呼び水的な効果があったのかも知れないな。まあクタナツみたいな大きい街には井戸もポンプもないけど。

「キアラっ! あれはやっちゃダメって言ったでしょ! カースでなかったら死んでるかも知れないのよ!」

珍しい、母上が怒ってる。

「うん。だからカー兄にしたのー。私の全魔力を入れたのにー、それでもほとんど空っぽだったよー。」

ははーん、さてはやりすぎるとパンクとかするんだな? だから母上は禁止してるわけだ。五年前の私なら危なかったってことだな。

推測だけどキアラのアレ、仮に魔力注入と名付けるが、消防車の放水でコップに一杯の水を入れるようなものか。だから普通は水が溢れるどころかコップ自体を破壊してしまうわけだ。

ならば今の私の魔力はキアラの五〜十倍ぐらいか。追いつかれないように頑張ろう。

「全く……あなたたちは……よく似た兄妹よね。」

キアラに負けてもいいやと思っていたが、こうなると欲が出てしまうものだな。負けたくなくなってしまったぞ。

夕食後、私とアレクはお風呂タイムだ。最近はキアラを洗ってやることもなくなった。寂しい気もするが、成長を喜ぶとしよう。

風呂ではアレクにたくさん甘えてしまった。人生最良の日だもんな。いつか戻ることを期待はしていたが……本当に戻ってきてくれるなんて。

その頃、カースの両親やベレンガリアは。

「いやー、ホントによかったな! これで安心して退役できるな! 後一年半か。」

「本当ね。カースが魔力を失ったと聞いた時は、目の前が真っ暗になってしまったわ。それなのにあの子は……本当に強く生きてくれたわ。」

「奥様……私も嬉しいです。それにしても復活したばかりなのに、カース君の魔力……凄すぎません?」

「うふふ、そうね。キアラの全魔力でも全然足りないなんてね。恐ろしい子達ね。」

「その割に感知できる魔力がほぼありませんでしたよね……何なんですかね? 以前のカース君みたいな隠そうとしても溢れる魔力感がないですよね?」

「そうね。何かが変わったんでしょうね。元々私の理解を超えていたんですもの。今更何があっても驚かないわ。」

「いやー、めでたい! ほれベレン、お前も飲め! イザベルも!」

「うふふ、あなたったら。」

「いただきます。おいしいです!」

「そうだわベレン、今夜はお祝いよ。私達の寝室に来ていいわよ。見たいんでしょ?」

「お、奥様、ぜ、ぜひ!」

「はっはっは。イザベルはレベルが高いな! かわいい奴め!」

この夫婦は一体何をするのだろうか。

ふう、いいお湯だった。

やっぱり我が家の湯船は最高だ。ついにクランプランドにお願いしっぱなしで放ったらかしだった湯船も受け取りに行ける。マギトレントの湯船は最高だ。

さて、おやすみの時間だ。

私の部屋でアレクと二人きり。消音の魔法、私が使うのは久しぶりだ。免震とか耐震の魔法があるといいのに。

魔法が復活したそばからこれかよ! 全く私ときたら……いや、私達ときたら……