軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

213、アンタレス VS カース

タイムリミットまで残り六分か。まあそもそもあいつの言うことなんか信じてないけどね。

「俺に何か用か?」

浮身を使ってそろりそろりと武舞台に降り立った。足元すら見えないからな。

ところで、この会話も会場中に聴こえてるのか?

「大した用じゃないさ。死ね!」

いきなり後ろから刺してきやがった。しかし私の自動防御は破れない。最近立て続けに破られたものだから今日はかなり魔力を込めてある。破れるのはフェルナンド先生ぐらいじゃないだろうか?

『水鞭』

周囲を無差別攻撃する。どうせ私には奴の居場所が分からないんだから。ついでに姉上を回収。『解毒』

効くか分からないけど、魔力特盛でかけてみた。解毒なら姉上も使えるはずなのだが……

その時、上からポツポツと雨が降ってきた。

よし! でかしたアレク!『風操』

闇雲を全て上空にぶっ飛ばして会場を明るくした。アンタレスは……そこか!

『魔弾』

これも弾くのかよ……

まだまだ!

『榴弾』『榴弾』『狙撃』

とどめに!

『魔弾』

百や二百どころではないベアリング弾が奴を襲う。ヌエには効かなかったから速度もかなり上げてある。しかも、その合間に魔力特盛のライフル弾もぶち込んでやった。

その結果……

頭以外を穴だらけにしてやったのにまだ生きてやがる……

「ぐふっ、さすが、だな、魔王……」

「テメー何モンだ?」

「知ら、ないか? 魔蠍(まかつ) 、だ……」

「あぁ? もしかして魔蠍のボスなのか? 何だってこんな大会に参加してんだよ!」

「ふん……お前には、分からない、だろうよ、俺達の仕事、に失敗は、ない!」

いきなり元気になりやがった!

話してる間に姉上は場外に出したからな。もういいや、殺してやる。

『徹甲魔弾』

胴体に大穴をあけた。終わりだ。

それより姉上の容体は……なっ!?

危なっ! 水弾が飛んできた。絶対ただの水弾じゃないよな。自動防御の魔力消費がおかしい。鴉金のシンバリーが使った溶解魔法より消費してるじゃないか!

それより何でそんな大穴あけられて生きてんだよ!

しかも塞がりかけてるし! さては……

「テメー、あれを飲んだのか……」

「どうせ死ぬんだ。お前も道連れだ魔王……」

魔王を道連れに死ぬってテメーは勇者かよ! 殺し屋のボスのくせに!

『火球』『火球』『火球』

情報が取れないのは惜しいが『神酒の欠片』を飲んだ以上、こいつを制圧などできない。フェルナンド先生がいたら軽くやってくれただろうに。

仕方ないから灰にしてやるよ。

アレクの時と違って手加減なしだ。武舞台だろうが何だろうが全部燃えたって構うものか!

ちっ、嫌な臭いがする。人間を生きたまま焼くとこんな臭いがするのか……

そんなことよりも!

「姉上! 姉上!」

「カース……罰が下ったのかしらね……」

「そんなことより! 具合は!?」

「良くないわ……」

「これ飲んで!」

効くかは分からないが高級ポーションだ。

咳き込みながらも全部飲んでくれた!

早く治療室へ! ナーサリーさんに診てもらわないと!

『結局、カース選手が跡形もなく燃やしてしまいましたね……いや、選手ではありませんけど……』

『魔蠍のボス、アンタレスか……幹部達をどんなに尋問魔法にかけても辿り着けなかった奴がなぜわざわざ公の場などに出てきたのか……』

『分からなくなってしまいましたね……ですが、これで魔蠍は全滅。王都も健全になるでしょうか?』

『分からぬな……それよりエリザベスが心配じゃ。ワシは治療室に行く。場合によってはオウタニッサ選手は不戦勝で優勝じゃな。』

『そうなります。ではゼマティス卿のお帰りを待っておりますので、それから判断することにしましょう。会場の皆さんも今しばらくお待ちください! それに……武舞台が使い物になりませんのでっ!』