軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第二十九話 確認

□■<北端都市 ウィンターオーブ>・郊外

『…………』

自らと同じ存在が倒される光景を見ても、『獅子面』に動揺はない。

三重最終奥義の爆心地に、迅羽の姿はない。

だが、どこにいるかは視えていた。

『獅子面』が 視線を上げる(・・・・・・) と同時に、上空から黄金の爪が振り下ろされた。

『獅子面』はそれを避けることはせず――爪は『獅子面』を 素通り(・・・) した。

「チッ!」

その光景に、上空から少女の舌打ちが聞こえる。

だが、攻撃はそれで止まらない。黄金の爪と繋がる龍の身体の如き金属――その表面の符が輝き、放たれた熱線が周囲に乱舞する。

それはやはり『獅子面』の身体をすり抜け、代わりに空間上の何もない空間に命中した。

直後、『獅子面』を襲った爪――テナガ・アシナガは引き戻され、そのまま『獅子面』から離れた地面に手を着く。

そして伸縮によって落下速度を調整しながら――一人の少女が着地した。

「たしかに、当たり判定の特典武具を拾ったのはソイツだったな」

それは顔と声を隠していた符を帽子ごと失くした迅羽だった。

今の迅羽を見て迅羽と分かるものは多くないだろう。

まず左腕に続き、両足のテナガ・アシナガも消失している。

加えて、着用していた道服がもはや衣服と言えない状態になり、装備としての性能もロストしていた。

しかし、三重の《大崩壊》を受けてその程度で済むはずがない。

『…………』

「『どうやって生き延びた』って聞きたそうなツラだな?」

変声の符が既にないため、年相応な可愛い地声になっている。

しかし、笑みは符の内側で浮かべていたものと同一だ。

「見てのとおり、あるもの使って何とかしただけだよ」

彼女が生き延びた理由はさほど複雑なものではない。

直撃を避けた上で、耐えただけだ。

彼女はまず、両脚部のテナガ・アシナガを超音速で真上へと伸長させた。

これは相手の最終奥義に対応してのことではなく、元よりその手筈だった。

『獅子面』に当たり判定操作による空間超越攻撃があるのは分かっていた。

ゆえに最初から奥義発動後に立ち止まることはせず、自分の周囲だけ空洞になる炎の筒を目くらましに空へと逃れる算段だった。

その動きが相手の最終奥義発動と噛み合い、周囲から拡大する振動波の直撃を最も避けやすい空へと逃れることができた。

しかし、伸長した段階でテナガ・アシナガ自体は振動波に呑まれた。

振動の伝播によって自身にもダメージが入ることを懸念して迅羽は装備を外し、両脚部のテナガ・アシナガは砕かれて消滅した。

そして直撃を逃れたからと言って、それで終わりではない。

余波でさえも、迅羽を絶命させるには十二分の破壊力を有していた。

それを阻んだのは彼女の装備だ。

普段着ているサイズの合わない道服とその内側に編み込んだ無数の苻。

それらは決闘では使えない類の防御アイテムであり、迅羽の隠し玉の一つ。

かつてはその内の耐火用のもので水爆の直撃からも生き永らえている。

今回は振動波に対して効果を発揮し、さらに【ブローチ】も発動した。

両足の<エンブリオ>と防具のほぼ全てを犠牲にして、迅羽は《大崩壊》を生き延びたのだ。

「これもそっちの狙い通りだろうから癪ではあるが……生き延びてはやったぜ」

頼みとする<超級エンブリオ>はもはや四分の一……右腕のみ。

これでは伸縮による超音速機動もままならない。

加えて、装備や符も軒並みなくなってしまっている。

命までは獲られなかったが、ザカライアの戦術通りに戦力を削ぎ落されてしまった。

対して、『獅子面』もあと一人にまで削れたが……。

「そっちの戦力は…… ろくに減ってねーな(・・・・・・・・・) 」

迅羽は苛立たしげにそう吐き捨てる。

そう、人数こそこれまでに五人が死した『獅子面』だが……残る一人については話が別だ。

最初の『獅子面』が持っていた当たり判定の特典武具【ヒット・ボックス】を、今はその『獅子面』が装備している。

それだけではない。

「当たり判定の奴だけじゃねーな。レーダーの特典武具も持ってんだろ?」

『…………』

「お前だけオレの位置に気づいたのもだけどよ、そもそも最初のときにもその特典武具はあったんだろ。扉越しに正確な距離で攻撃を仕掛けたのもそれを併用してた訳だ」

迅羽の読みは正しい。

一人目は【ヒット・ボックス】だけでなくコンパクト型の逸話級特典武具、【瞑捜鏡 クリア・ブラインド】も所持していた。

それはレーダー機能を持つ特典武具であり、装備した状態で片目を閉じることでロボットアクションゲームのようなレーダーマップを見ることが可能になる。

そちらは迅羽に攻撃して《五感迷彩》が解除されるよりも先に、この『獅子面』が回収していた。存在のバレていた【ヒット・ボックス】だけをこれ見よがしに回収したのも、ブラフの一種だ。

(……そこまでなら、一人目と条件は同じだが……)

しかし、迅羽は察していた。

こいつは 他にも持っている(・・・・・・・・) 、と。

「こっちの魔法がクリーンヒットしたはずだが……気のせいか? お前の強さが落ちている気がしねーぞ」

『…………』

『獅子面』は無言であり、面に隠された顔から表情を窺うことはできない。

だが、その身から漂う余裕の気配は、察せられた。

(防御系の特典武具か。『HP低下で性能が落ちる』なんて性質にアジャストするなら…… 外付けHP(・・・・・) か?)

仮に、追加HPを持たせる特典武具があったならば、そちらを削り切るまでは本体のHPが削れることはない。暫く性能低下は起こらないだろう。

(……こいつは他と違う)

この場に立つ最後の『獅子面』。

彼には、複数の特典武具が集約されていた。

最低で三つ、あるいはそれ以上の特典武具をオリジナルから持たされている。

恐らくは最もオリジナルに体格が近く、上書きした人格が戦いやすいゆえに。

複数の特典武具を搭載し、性能の劣化しない『獅子面』。

それは数で押してきたときと同等か……それ以上の脅威だった。

(一番強い奴を最後まで温存しながら、こっちを削りに削ってきたのか。やっぱり性質が悪……ん?)

追い詰めたことで攻勢に出てくると思われた『獅子面』だが、なぜか攻撃してこず……懐から何かを取り出した。

それはレンズのついた小箱のようで、攻撃用のアイテムには視えない。

迅羽が警戒心と疑問を抱いていると……。

『――ここまで持ち堪えるとは流石ね』

――小箱から誰かの声が聞こえた。

その声は顔の符を失くす前の迅羽と同じように変声が掛けられている。

(ボイスチェンジャー……。けど、こんな状況で話しかけてくる奴なんて……)

この小箱は、カメラとマイクとスピーカーが一体となった……リアルでは珍しくも何ともない物品なのだろう。

しかし、『獅子面』にそんなものを持たせ、それを介して話しかけてくる人物は……。

「引きこもってたオリジナルが何の用だよ」

『獅子面』達に自分を上書きした張本人に違いない。

迅羽はそう考えた。

『少し話したいと思ったのよ。アナタも疲れているんじゃないかしら?』

「ハッ。お為ごかしはやめろよ」

言葉を交わしながら、迅羽は裏で探査魔法を使う。

音の振動を探知するものだが……周囲に反応はない。

迅羽は『スキルで隠蔽しているか、そもそもここにいないか。通信なんてしてきたなら後者か?』と思考を重ねながら、話を続ける。

「これは時間稼ぎだろ。数が減って弱気になったか……そうじゃなけりゃ 上(・) で何かトラブルでもあったか?」

『ふふふ、お見通しみたいね』

ラピュータはカルディナの投入した過剰戦力に加え、ウィンターオーブ領内へ空間的に閉じ込められたことで窮地に追いやられた。

そんな状況でも迅羽ならば対処できる可能性があるからこそ、『獅子面』によって足止め……あるいは始末されようとしている。

しかし、現状はカルディナが圧倒的に有利という状況でもないのだろうと迅羽は察した。

迅羽は知らないが上空では侵攻部隊が四名を除いて壊滅し、ウロボロスのガードを担っていたブレンダも落ちた。

まだ<超級>勢は無事だが、当初の予定よりも被害が大きい。

読めないからこそ過剰な戦力を投入して、なおこの状況。

カルディナも追加の細工を重ねる気になったのだと迅羽は判断し、この通信もその一つと踏んだ。

「話がしたいってんなら付き合ってやる。言いたいことがあるなら言ってみろよ」

『あら、そう?』

だが、迅羽は相手の策に乗った。

(オリジナルは周囲にいない。なら、話で戦闘を長引かせている間に『獅子面』を追加してこっちに向かわせる気か、それとも他に狙いがあるのか。……だが、長話に付き合うメリットはこっちにもある。広域探査と通信への逆探かけて、オリジナルをぶち抜く)

相手が通信越しとはいえ話しているならば、その音から魔法での探知が可能になる。

周囲にはいないが、ウィンターオーブも含めた範囲にまで広げれば見つかるだろう。

そしてこの迅羽の策もまた、実行するまでに時間が必要だった。

ここに、両者の思惑が合致する。

『用件は三つよ。一つは確認。もう一つも確認。最後の一つは……ああ、それも 結局は(・・・) 確認ね』

「はん? そんなに何を 確認(・・) する気だ?」

『一つはアナタのバトルスタイルについて。アナタの観察眼とこれまでの戦いの手際は大したものよ。“地雷”の迅羽。黄河で名が知られた決闘ランカーの割に、アナタは手の内を隠し続けている。見事なものね。アナタ、ジョブスキルと必殺スキル以外は極端に 使わない(・・・・) もの』

「…………」

『正確には、持っているとバレた手しか見せてこない』

先人がいるジョブスキル、有用性から多用の必要がある必殺スキル、そして持っていると周知されている超級武具。迅羽はそれ以外のカードを隠し続けた。

つまりは……【応龍牙】以外の特典武具を。

『能力的に特典武具を持っていない方が不自然なのに、アナタが使うシーンを誰も見ていない。けれど、とりあえず一つは明らかね』

「へぇ?」

『アナタの特典の一つは、クールタイムに干渉している』

「…………」

その言葉に、迅羽は相槌を打たなかった。

『今回の戦闘、あれだけの効果の必殺スキルを短時間に撃ち過ぎたら分かるわよ。クールタイムの短縮? それとも後回しかしら?』

通信相手の読みは正しい。

迅羽の服の内側に隠された伝説級特典武具【貸借対章 ジュェスゥァン】は、事前に対象に設定したスキルについてクールタイムが明ける前に三回まで追加使用できる。

その分のクールタイムは加算されていくため、追加三回の使用後は合計四回分のクールタイムが明けるまで使えない。

しかし、短期的に見れば必殺スキルもノーリスクで四連打が可能となり、決闘なら尚更デメリットもない。イナバの必殺スキルほど規格外ではないが、十分な性能と言える。

迅羽の必殺スキルは『獅子面』との戦闘でここまでに三度使用しているため、あと一回は使用できる。

『他には符の展開用もあるかしらね。よく使う伸長する腕に符を貼り付けて砲撃する戦術だけど、まさか自分で一々貼りはしないでしょ?』

「ま、そりゃそうだな」

【蝉書庫 シュユェン】。限定したアイテムボックス機能を持つ逸話級特典であり、符を周囲の任意の場所に多数同時に設置できる。シンプルだが、迅羽の戦術を支えている品だ。

どちらにせよ、迅羽は基本的に補助性能の高い特典武具を得る傾向にある。

伸びる手足、符の連打、奥義、必殺スキル、超級武具。これら隠せない目立つ手札で他の手札を隠していたとも言える。

「で? お前のことはお見通しだ……ってマウント取りにきてんのか?」

『 そうよ(・・・) 』

迅羽の皮肉そうな問いかけに、通信相手はハッキリとそう述べた。

『戦力と情報。どちらも今はこちらが優位に立っている、という前提で話を進めたいからまずはこの話を先にしているの』

「……へぇ、それが一つ目の確認なら二つ目は何だよ?」

迅羽が先ほどよりも低い――けれどもやはり音程は高い――声で尋ねると……。

『ねえ、迅羽。アナタは遊戯派? それとも世界派?』

それは、<Infinite Dendrogram>のプレイヤーを大きく二分する考えだ。

電子遊戯(ゲーム) に過ぎないのか、あるいは もう一つの世界(ワールド) なのか。

どちらも本人の主観によるものであり、混ざらない訳ではない。

しかし、根底として重要なスタンス。

『皇子や王女を護るのはクエストのクリア条件だから? それとも死んでほしくないから? 仲が良いという話だものね』

「…………」

『でも、世界派にしてはドライね。 彼ら(・・) がどういうものか、もう分かっているでしょうに』

その言葉に反応して、『獅子面』が自らの胸をポンポンと叩いた。

『自爆させた三人はともかく、あとの一人は正体が分かった後も容赦がない。『乗っ取られただけの奴隷』を躊躇なく抹殺した。世界派らしくはない行動ね』

「…………」

『世界派の子供ならそうそうとれない選択。だからアナタは遊戯派だと思うのだけど?』

「そうだな。で、二つ目の確認が終わって……三つ目は何だよ?」

相手の言葉を迅羽は否定しない。

そんな迅羽の言葉を受けて、通信相手は問いかける。

『ねぇ、迅羽。――こちらにつかない?』

通信相手は、―― 勧誘(・・) で返した。

「……あ?」

『護衛なんて辞めましょう? その方が建設的よ』

「何言ってやがる?」

迅羽は理解しがたい言葉を吐く通信相手を、その声を発する機械のカメラを睨む。

『圧倒的に不利な状況、そこまでボロボロになるほど戦えば義理立ても済んだんじゃないかしら? クエストを失敗しても仕方ないわ。失敗したら報酬は減るかもしれないけれど、ここで諦めてくれるなら後ほどこちらからも十分以上の補償を渡すわ。肩身が狭くなるなら、カルディナに移籍しても構わない』

「……?」

迅羽はその会話内容に違和感を覚えたが、しかしそれに構わず通信相手は話を続ける。

『もう分かっているでしょうけれど、この戦いで倒れた四体はもう補充できている。超音速機動でそこに向かっているわ。ステルスで隠れても、探査魔法で警戒中のアナタなら魔法で探知できているのではなくて?』

「…………」

『アナタに勝ちの目はない。だったら、ここで止めた方が有益ではないかしら。私達も無駄な損耗は望まないわ』

それはまるで罠のような誘いだ。

しかし迅羽は『獅子面』に関する動きが本当であり、同時に相手の誘いも本気だと悟った。

迅羽が頷けば、それで本当に話は済まされるのだろう。

これは……優位に立った相手からの降伏勧告に等しい。

『どうせ皇子や王女が死んだところで、あなたにはゲームのキャラクターが死ぬだけでしょう?』

「…………」

もはや勝ち目はない。

負けたところで失うのはゲームキャラクターに過ぎず、命ではない。

だからもうやめたらいいと、通信相手は告げる。

その言葉に対し、迅羽は……。

「この前、歴史の授業で習ったけどよ。最初の電子フレンズ……バーチャルペットができたのって今から半世紀は前なんだってさ」

『…………?』

通信相手が意図を掴みづらい言葉を口にした。

「そこから対話ゲームとか、ロボットペットとか、AIとか、管理AIとか、色々発展してさ。オレが生まれた頃には『人と自然に話せる』とか『心を持った』と言われるAIが当たり前だったよ」

「パパンの会社にもいたしな」と迅羽は笑う。

『何が言いたいの?』

「わからねーか? わからねーだろーな」

迅羽は牙のような歯を見せながら、ニヤリと笑う。

「異世界だろうが、ゲームだろうが――『友達』は『友達』だよ」

『…………』

「生まれも、生命の在り方も関係ねえ。人は大昔から犬猫にだって友情を抱いた。そして命の捉え方だって、友達の捉え方だって変わるんだ」

情報の塊(ゲーム) に過ぎないのだとしても、自分が友達だと思えばそれは友達。

その主観は、AIが発展した後に育った迅羽の世代では然程珍しくもないものだった。

「オレにとって二人は何だろうと友達なんだよ。人間でも、ドラゴンでも、電子データでもな。それを損得で切り捨てるほど、オレはバカじゃねえ」

そして迅羽はアイテムボックスから一本の武器を――龍の牙の如き短剣を取り出す。

迅羽最大の武器、【応龍牙】。

それを抜くことは即ち――戦闘の継続と反抗の意思表示。

「頭が古かったな、 おばさん(・・・・) 」

そして挑発するように、獣の如き獰猛な笑みを浮かべる。

『……案の定、 確認(・・) だったわね』

通信相手は迅羽が『否』と返すことを確認した。

『やはり 視えていた(・・・・・) とおりになった』、と。

「ああ。それとな……こっちは友達の命が掛かった真剣勝負の真っ最中だ」

そんな通信相手に対して迅羽は、

「―― 横から(・・・) 茶々入れるんじゃねえ」

言外に――『お前、『獅子面』の オリジナルじゃねーな(・・・・・・・・・・) 』と告げた。

『そうね、これで私の話はお終い』

「ッ!」

通信相手がそう告げた瞬間。

迅羽は右腕を砂漠に着かせ、自らの身体を後方に跳ばす。

同時に、四本の剣閃が迅羽のいた場所を薙いだ。

そこに立っていたのは、新たに駆けつけた四体の『獅子面』。

これで再び、状況は一対五。

『――アナタの仕事を果たしなさい。どうやら、上も 妙な変数(・・・・) が噛み始めたわ』

『獅子面』にそう告げて、通信相手――カルディナ議長ラ・プラス・ファンタズマは通信を切った。

『…………』

そして残された『獅子面』達は満身創痍の迅羽の命をすり潰すべく、動き始める。

反抗を選んだ迅羽を、完膚なきまでに敗北させるために。

「チッ……」

(通信相手はオリジナルと別人だった。当然ここにはいないし、探知にも掛からねえ。あっちの時間稼ぎと戦力補充だけが上手くいったわけか。加えて、ちょいと『獅子面』も見誤ったな)

最初から<超級>クラスとは考えていた。複数の超級職を高レベルで持つがゆえに、<超級>と同格の戦闘力を獲得したのだろう、と。

だが、それは少し違うのだろうと察した。

『獅子面』の補充が 早すぎる(・・・・) 。

一人か二人の補充はあると考えていたが、相手はこの短時間で四人増やしてきた。

元から対象数が迅羽の想定より多かったか、あるいはクールタイムがないも同然なのか。

どちらにせよ、<上級エンブリオ>の域に収まるかは疑問だ。

仮に『獅子面』の性質同様、オリジナル本人がノーリスクであれば尚更に、だ。

(何より……だ。あの通信相手……。オレの所属どうこうまで差配できるなら、噂のカルディナ議長だろーぜ。そんな奴がこんな風に懐刀として運用するなら……きっと)

「……なぁ」

迅羽は確信と共に、特典武具をフル装備した『獅子面』に問いかける。

「――お前、< 超級(・・) > だろ(・・) 」

その問いかけに『獅子面』は――。

『――フフ』

――カルディナ 秘匿(・・) < 超級(・・) > 二号(・・) ザカライアの人格は仮面の奥で笑った。

To be continued