軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

おしっおしろしろっおしろれふか?

「……グ様。アルグ様っ」

「ん?」

グイグイと体を揺さぶられて目を覚ますと、ノイエが僕の顔を覗き込んでいた。

あれ? 軽く寝て……のはずだったのに何がどうなったの?

「起きた」

「……起きたね」

「ん~」

迷わず抱き付いて来た彼女が甘える。

「あれ? ノイエ」

「はい」

「仕事は?」

「終わった」

「あれ?」

ノイエと会ったのは昼前くらいだったはず。

それから帰宅して……何故起こされなかったのか?

「まあ良いや。まず」

「する」

「……はい?」

「頑張る」

「ちょっとノイエさん? そんな強引なっ」

お嫁さんと夫婦の営みをし、2回搾られてからお風呂へと向かう。

今後はポーラが居るから、エッチなことは回避の予定がノイエったら強引なんだから。

でも寂しかったのか、僕の腕に抱き付いて離れない。本当に可愛いな。

お風呂へ向かいのんびり入浴していると、普段なら数人グループでノイエの面倒を見るメイドさんが今日は1人だけだ。その1人もブツブツと何か言っている。

『ノイエ様が1番です。小さければ良いって訳じゃ無いんです』

僕の耳が腐っていないなら絶対にアウトな言葉だと思う。

ただ古参のメイドさんたちは、少女だった頃からのノイエを大切にしているので妹のように思っている節がある。そう考えれば納得だけど。

「ねえ?」

「はい旦那様」

ノイエの髪を丁寧に洗っているメイドさんがこっちを見る。

馴れって怖い。もうメイドさんに裸を見られても何とも思わなくなったよ。

「ポーラは?」

「……奪い合っております」

顔を背けてそんな言葉が。

「はい?」

「ですから奪いおっております。何を着せるかで言い争いながら」

ノイエの髪を流したメイドさんが、光を失った目でこっちを見た。

「昔のノイエ様のようだと皆で可愛がり出し、壮絶な奪い合いをしております」

「……」

つまり僕は勘違いしていた訳か。

この屋敷のメイドは幼子に反応しないが、ノイエ似には反応するのかっ! どんだけノイエラブかと!

「仕方ない回収しに……ノイエさん?」

「ダメ」

「ちょっと……今上がろうと」

僕の腕をホールドしたノイエに引きずられてまた湯船に。

気を利かせたように出て行くメイドさんの気配りが……ちょっと待ってノイエさん? 実は違う誰かが出てませんかっ? ねえっ!

確りまた2回搾られ……僕は抱き付くノイエに支えられながら屋敷の中を歩いていた。

向かう先は衣裳部屋だ。

僕ら夫婦の衣服などが収められている部屋で、歴代のノイエの衣服なども少しだけ残されている。

ただ廊下にも聞こえて来るメイドさんの声はとても華やかだ。

姦しいとはこのことを言うのだろうか?

「入るよ~」

一応声をかけて扉を開いて中へと進む。

ギロッと血走ったメイドさんたちの目に出迎えられ、一瞬怯んだ僕のことなど構わずノイエがグイグイと突き進んで行くのです。

部屋の中央には、燃え尽きた様子で椅子に腰かけるポーラが居た。

髪の毛も整えて貰ったのか、お人形さんな感じで座っているポーラは白かった。

ウエディングドレスかとツッコみたくなる白いドレスを着せられ、僕に気づいたポーラがその目に涙を浮かべて突撃して来た。

「アルグスタさまっ」

「お~よしよし」

「ん~!」

ポーラも可愛がれていることは理解しているのか、何とも言えない声を悲鳴にして甘えて来る。

その頭を優しく撫でながら僕はメイドさんたちに目を向けた。

「もう少しこの屋敷になれてから玩具になさい」

「ん~っ!」

何故か不満げなポーラの声が聞こえて来た。

「いいんですか?」

「好きなだけ食べなさい」

「……はい」

豪勢な料理を前に目移りして手が出せない様子のポーラには、くじ引きで本日の世話係を勝ち取ったメイドさんが甲斐甲斐しく世話を焼いているのでお任せしよう。

大食漢なノイエはさっさと食べ始めているから僕も夕飯を頂くことにする。

普通こんな場面だと祈りを捧げて……とかになるんだろうけど面倒臭いから各自好きにしてスタイルだ。

ポーラは高カロリーな食事をピンポイントで食べさせられているから、しばらくここでそんな生活をしていれば痩せすぎは解消できるだろう。

「そだ。ポーラ」

「……はい」

「明日はお医者さんに行ってから、服を見に行って……それからお城に行くからね」

「……」

ポーラの薄い顔色から増々色が無くなったっ!

「おしっおしろしろっおしろれふか?」

「そんなに緊張しないで良いから」

「れも」

緊張し過ぎて舌が回らなくなったな。

まあ数日前まで田舎の集落で洗濯をしていた少女が、突然お城に行くとか……拷問か。

「別に王様に会うとかそんなことじゃ無いから」

「……はい」

「僕は普段お城勤めだからね。仕事に行くだけだよ」

「……わたしもですか?」

「うん」

この辺は誤魔化しても仕方ないから、はっきり告げないとね。

「ポーラには僕の仕事を手伝って貰うと言ったでしょ?」

「はい」

「それにはまず色々とやらなくちゃいないこと、覚えなきゃいけないこととかもあるんだ。大変だけど……嫌?」

フルフルと可愛らしくポーラが頭を振る。

メイドさんたちが総出で、ほふっと生温かな息を吐いたのは見なかったことにしよう。

「がんばります。わたし……アルグスタさまのおてつだいをしたいです」

「そっか。なら頑張ろう」

「はい」

緊張している様子だけど、ポーラがそう言って頷いて来る。

あんな辛い仕打ちを受けていただけあって根性はありそうだな。

で……

「ノイエさん?」

「なに?」

「何故に抱き付くかな?」

「……気のせい」

右腕で僕の腕に抱き付いて、左手でフォークを動かし食事を摂るお嫁さんがとんでもない言葉を言い出したぞ?

ポーラを優しくし過ぎるとノイエが嫉妬するのか……これはこれでちょっと楽しいかも。

「ノイエはお姉ちゃんなんだから、少しは我慢なさい」

「……」

少し頬を膨らませて、ノイエはもきゅもきゅとお肉を口に運び続けた。

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