軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

流石悪友

「ここはノイエの魔眼の中枢なのよ。一番魔力が集まりやすい場所だから、普段私はここに居るのよ」

「そうなんですか」

様子を見ながら戻って来た先生がそう説明をしてくれる。

ただ普段の様子から似合わない短めのスカートから覗く白い足がすっごい綺麗なんですけど。

何この美脚? 僕ってばいつもこの足に踏まれてたの?

「で、ずっと私の足を見ている理由は?」

「その足に踏まれていた喜びを噛み締めてました。済みませんっ!」

素直に自供して土下座しておく。

何故か先生はスカートを下に引っ張って足を隠そうとした。

無理です。丈が……何より上が大変なことに。先生の膨らみの無い胸ならこぼれることは無さそうだけど。

「失礼な視線を感じたわ」

「先生の魅力が強すぎてどこを見たらいいか分かりませんっ!」

「……顔でも見てなさい」

「綺麗すぎて一番見れないです」

「…………そう」

頬を紅くして先生が顔を背けてくれた。それでも綺麗な横顔です。詐欺ですよね……色んな意味で。

「こほんっ……話を戻すわ。普段外に出る人がここに来て自分の魔力を使ってノイエの体を使うの。でもここに人が集まり過ぎると魔力だけが蓄積してノイエ自身に悪影響を発する。つまりノイエが泡を噴いて転がる事態になるのよ。こんな状態は今回が初めてだけど」

「そうっすか」

分かったような分からないような。まっ詳しい話はどうでも良いや。

「それで先生」

「ん?」

「自分……外に出れますかね?」

「え~。アルグちゃん帰っちゃうの? お姉ちゃんとここで、すっごいことしましょ?」

キッと先生が睨むと青い髪が逃げて行った。

確かに今のお姉ちゃんと凄いことをするのは……してみたいかもですが。

「帰りたいの?」

「はい。だってノイエが待ってますし」

チラリと視線を送ると、セシリーンが片手で耳を押さえ渋い表情を浮かべていた。

外からずっと聞こえるノイエの泣き声が辛いらしい。

一緒に帰るはずが、僕だけノイエの中に帰ってしまったのはどんな事故かと責任者に問いたい。

「ノイエが泣いているから帰りたいんです」

「そうね。貴方はそう言う馬鹿よね」

苦笑して先生はセシリーンを見た。

「レニーラは近くに」

「はいは~い」

元気に手を挙げてレニーラが飛び込んで来た。ただ先生の睨みでそのままの勢いで後方に飛んだ。

器用な奴だな。天性の舞姫の名は伊達では無いしい。

「……グローディアの居場所は?」

「無理をしたみたいで近くで蹲ってるわ」

「丁度良いわね。レニーラ」

「は~い」

「グローディアを引き摺って来て。大至急」

「あはは~。了解だよ~」

ビュ~ンと彼女が駆けて行った。しばらくすると遠くから聞き覚えのある声が迫って来る。

「レニーラ。削れるからっ! お尻がっ! お尻がっ!」

「大丈夫。誰も触んないし見もしないお尻なんて削れてても問題無いよ~」

やって来たレニーラが掴んでいた荷物を放り込んで来た。

ゴロゴロと転がって来たグローディアと偶然目が合った。

「……何よ?」

「大変なんですね」

「同情なんてしないでっ!」

「立場を理解なさいグローディア。今の貴女の立場は底辺なのだから」

「ぐぐぐ……」

本当に悔しそうに歯を剥きだして、グローディアが悔しがる。

「遊んでいるのは良いけどノイエがまた泡を吹きだしたわ」

「そんな? たった4人でしょう?」

「たぶん彼の存在が大きいのかもしれないわね」

セシリーンがそう言うと、非難がましい目を向けられる。

いそいそと歩いて僕が部屋らしき場所を出る。

「治まったわ。やっぱり彼が居ると負担が大きいみたいね」

「そうね。私たちとは違う方法でこの場所に来たみたいだから……出来れば詳しく調べたいけど」

苦々しい感じで先生が呟いた。

イヤン。恥ずかしいことを思い出させないで。

先ほど研究熱心な先生に『本当に馬鹿弟子よね?』と念を押されて全身を撫で回された。

股間まで触られた意味が分からないが、あの美人に触られるのはそれはそれで悪くないのです。

「なら早く外に出した方が良いわね。何を引き起こすか分からないし」

通路っぽい場所から見ていると先生とグローディアが何やら話し出す。

どうやら僕を転移させた魔道具を使って、今度は今の体に戻せるかの話をしているみたいだ。

ノイエの中からの召喚とか僕って本当に何をしているんだろう? 悪いことはしてないのに。

ああ……早く戻ってノイエを撫でたい。

「ん?」

服の裾を引っ張られて気がして振り返ると、そこにファシーが居た。

「アルグスタ、様」

「ファシー。良い子良い子」

「……嬉しい」

甘えるように抱き付いて来てやはり可愛い。

いや待て僕よ。もしかしたら実体あるファシーと会えるのはこれが最後かもしれない。ならばやらなければならないな。

しゃがんでファシーの顔を見る。

目を隠すような前髪をそっと上げると……可愛らしい黒目が見えた。

「恥ずか、しい」

慌ててファシーが頭を振って目を隠す。

うん。想像通り可愛いぞ。何この子……こんな娘が欲しいかもしれない。

「ファシーは可愛いね」

「本当、に?」

「うん」

「……嬉しい」

抱き付いて来て甘えだす。そんなファシーの頭を撫でていたら、奥の方から何やら擦り合う音が。

恐る恐る振り返ったら……お姉ちゃんが放送できないような表情で歯軋りをしていた。

「アルグちゃんは……そうやってお姉ちゃんを蔑ろにするのね?」

「落ち着こうかお姉ちゃん?」

「私と言うお嫁さんが居ながら~!」

ワラワラと動く髪がこっちに向かい襲いかかって来る。

流石に死んだかな~と思ったら、その髪を不可視の何かが迎撃した。

「ホリー、だけの、夫じゃない。アルグスタ、様は、私の、夫」

「へ~。ファシー? 言うようになったわね? ならどっちがアルグちゃんの妻に相応しいか勝負する?」

「する。私が、勝つから」

ユラユラと蠢くホリーに対して、ファシーもまた立ち上がり迎え撃つ。

何これ? 普通ハーレムって平穏無事に纏まるんじゃなかったの?

命の危険を感じつつその場から這って逃れようとすると、奥の方でレニーラが『こっちこっち』と手を振っていた。

流石悪友。気が利くなマジで!

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