軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

34話.vs陽葵先輩・千鶴先輩②

「さぁ、行くしっ!」

「行きますっ!」

「「「!!」」」

凄まじい速度で二手に分かれ、斬りこんでくる!

「アインは左の千鶴先輩を! 剛毅は右の陽葵先輩の攻撃を凌いで! 弾くなんて考えちゃダメだ、まず防げない! リーシャは二人の援護を!」

「了解!」

「分か、った!」

「ええ!」

指示通りに動いてくれる皆だけど、恐らく単体では分が悪いはずだ。

文字通り一撃必殺な攻撃を繰り出す陽葵先輩の抜刀術を相手に、いくら剛毅でも耐えきれるとは思えない。

千鶴先輩はオールラウンダー、更に傷を負っても相手にダメージを与えたら回復するパッシブスキル、『吸血』を所持している。

それぞれがこちらの個々の実力より上な以上、こちらは連携して当たるしかない。

「抜刀術『三日月』」

「くっ!? はや、いっ!」

「頑丈だしっ!? なら、追撃だしっ! 抜刀術『新月』」

「きえ、た!?」

「そこぉっ!」

「チッ!? リーにゃん!!」

陽葵先輩最速の抜刀術、『三日月』は威力が低いとはいえ、この間見た時にゲームとは違い威力も高かった事は今も記憶にある。

それを受けても倒れない剛毅は流石だが、その連携で『新月』を出してきた。

『新月』は太刀筋どころか己の気配を極限まで薄くすることで本当に姿すら見せずに斬る抜刀術であり、奇襲に長けている。

あの剛毅ですら姿を見失った。けれど流石はリーシャさん!

「行くわよ水無瀬君!」

「しょう、ちっ!」

「わっ!? とっ!? 速い、速いしぃっ!?」

リーシャさんと剛毅の凄まじい連撃を、後ろに下がりながらなんとか避ける陽葵先輩。

あの二人の猛攻を凌げる陽葵先輩も陽葵先輩だけど。

「くっ……!」

「中々良い太刀筋ですが、まだ甘いですねっ……! 陽葵が敗れる前に、貴方を倒して救援に向かわせて頂きますっ!」

「させるかぁっ……!」

「!?」

アインが"邪眼"の力を解放した!?

「『アルティメット・ストライク』!!」

「うぐっ……! 素晴らしい剣閃です……! 避けきれませんでしたよ……!」

俺の目にも、十くらいまでしか追えなかった!

あの一瞬で一体どれだけの剣撃を振るったのか……!

避けきれなかった千鶴先輩は腕から血が流れている。

「これはお返しですっ! 『ブラッディ・ロストセイバー』!」

「!! 不味いっ! 『プロテクション』!」

「なっ!? うぁぁぁぁっ!!」

急いで結界を張ったが、それを突き破る千鶴先輩の剣閃。

アインが吹き飛ばされると同時に、千鶴先輩の傷が癒えていく。

やっぱり反則だろあのスキル……!

「ふふ、道が出来ましたね。今は敵ですから、覚悟ですよ榊君……!」

「!!」

一直線にこちら目掛けて走ってくる千鶴先輩。

だけど!

「させ、るか!」

「きゃっ!?」

槍を振り、千鶴さんを強制的に後ろへと下がらせる。

俺の前に仁王立ちするのは……

「榊殿は、やらせ、ない!」

「剛毅……!」

「彼がこちらに来たという事は、陽葵!?」

「わっ!? とっ!? リーにゃんマジ半端ないんですけどぉ!?」

「よく避けますね結月先輩! では、これならどうですっ! 剣聖技『 金翅鳥王剣(こんじちょうおうけん) 』」

「ちょまっ!? 負け! あーしの負け! 動けない死ぬぅ!?」

まさか、剣聖の技をもう身に着けているとは、流石である。

剣を大上段にとったリーシャさんの気魄で、陽葵先輩は動けなくなってしまった。

あのまま振り下ろした場合、陽葵先輩はひとたまりもなかっただろう。

それを確認した千鶴先輩はため息を吐き、

「ふぅ、こちらの負けですね。流石に三対一で突破出来るとは思えません」

「うぅー、悔しいしー! リーにゃんのあの技なんだしー!?」

「先輩達も流石でした。これまで戦ったどの班よりも、強かったです」

「先輩としての威厳がぁぁぁっ!」

「まぁ、陽葵には良い薬になりましたね」

頭を抱えてうずくまる陽葵先輩に、苦笑しながらそう言う千鶴先輩だったけど……正直、二対四だから勝てたようなものである。

これに後二人、先輩達の方に居たら……こうはならなかった可能性が高い。

戦況を読み、引き際を弁えた千鶴先輩は、まだ二人残っていたならば……恐らく、そのまま攻めてきたはずだ。

「むきぃー! 覚えてるしー! 次は勝つからなぁー!」

「あ、ちょっと陽葵!? すみません皆さん、また! 待ちなさい陽葵ー!」

まるで三下のようにそう言って走っていく陽葵先輩に、それを追う千鶴先輩。

いや貴女、滅茶苦茶強かったですからね……?