軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

92話.難易度の上がった人工ダンジョンへ

保健室に影縫先生を運び、後を藤堂先生とローガン師匠に任せる形になった。

目が覚めたら影縫先生と話したい事があるので、もし時間があれば話す時間が欲しい事を伝えて欲しいとお願いした。

ただ、影縫先生は軍から一時的に抜けてきたらしく、正式な隙間時間では無かったようで、もしかしたらすぐには無理かもしれないとは藤堂先生に言われた。

急ぎではないのだし、影縫先生と話したい事があると伝えて貰えるだけでもありがたいからね。

そんなわけで俺達の用事も終わり、少し遅めの昼食を取る。

いつもは騒がしい学食も、今日は時間が遅い事もあってがらんとしていて、静かだ。

まるで世界に俺とリーシャさんしかいないような錯覚に陥ってしまう。

「ん? どうかした玲央君?」

「あ、いや! な、なんでも!」

「? おかしな玲央君ね」

なんて微笑まれてしまって、心臓の音が五月蠅くてしょうがない。

いい加減慣れて欲しいと思うんだけど、こればかりは無理な気もする。

だって、推しが目の前にいて、それだけでなく二人きりだよ?

いや割と二人きりではいるのだけど、こうして何も用事がなくってのは珍しくて。

長いまつ毛や、綺麗な瞳、柔らかそうな唇を見ていると、顔に熱がこもるのを自覚する。

「あの、あんまりマジマジと食べるところを見られるのも恥ずかしいのだけど。見てないで玲央君も食べなさいよ」

「そ、そうだね!」

そう言われて口に運ぶも、味なんて分からなかった。

うう、なんでこんなに二人きりだと緊張するんだろうか。

「ああほら、口元にソースがついてるわよ」

「おっと、ありがとうリーシャさん」

正直感覚が麻痺しているのでどこについているのかすら分からないので、適当に拭う。

けど、それがいけなかった。

「クス、取れてないわよ玲央君。仕方ないわね、動かないで。ん、これで良いわ」

「~っ!?」

リーシャさんが身を乗り出して、俺の口元を布巾で拭う。

お母さんですかね!?

「あ、ありがとう」

「どう致しまして。ほら、この後轟君達の待ってるあそこに行くんでしょう? 早く食べましょ」

「そうだね」

ライムに烈火達皆からメッセージが届いていて、今はそこで遊んでいるらしい。

良いなぁ、皆が遊んでいるところを離れた所から後方腕組彼氏面で見ていたいって思ったのは皆には秘密である。

「おっしゃぁっ! 俺の勝ちだな美樹也っ!」

「くっ……! この俺が負けるとはっ……!」

「いやそれでも最後から二番目だかんね烈火」

「ふふ、ババ抜きですからね。っと、玲央さん、リーシャ!」

「「「!!」」」

「やぁ皆。楽しそうだね」

「トランプまで持ち込んでるの貴方達は……」

「二人とも遅かったな! 用事はもう済んだのか!?」

「うん。皆はダンジョンには行かなかったの?」

「フ……それも考えたが、どうせなら玲央と行きたいからな」

「そゆこと!」

「はい。なので、こうして待っていたんです」

「皆……!」

感動である。

皆が俺と行きたいと思ってくれるなんて……!

「確かパーティは六人まで登録できたはずよね。なら私達全員で丁度行けそうね」

「へへ、一年のロイヤルパーティだな!」

「フ……足を引っ張るなよ烈火」

「ったりめぇだろっ! おめぇこそ途中でへばんじゃねぇぞ美樹也!」

烈火と美樹也がバチバチとやりあうのを間近で見れる至福のひと時である。

ああ、これだよこれ。

最近色々と起こって推し成分が足りなかった。

こういうのもっと欲しいんだ俺は……!

「まーた玲央君は本当に……」

「なんで烈火と美樹也を見てその表情になるのか、私には理解できないわ……」

「まさかライバルがリーシャではなく、烈火君と美樹也君なんて事は……いやいや、そんな事……でもクレハが渡してきた本には男同士で……」

あれ、何やら不穏な事を言っている人が居る気がしたけど、気のせいかな。

「それじゃ、皆は行きたいダンジョン候補はある?」

「それなんだけどよ。どうせなら玲央が俺達に丁度良いと思うダンジョンを選んでくれねぇか?」

「そうだな。俺達は鍛錬を続けてきた。その腕を見せる為にも、適切なダンジョンを選んでもらいたい。それが出来るのは、玲央だけだろう」

「私も異議なし! まぁ毎回玲央に任せきりで悪いとは思うんだけど、この手の事で玲央の右に出るのは居ないじゃない?」

「ふふ、ですね。玲央さん、宜しければお願い致します」

「そうね。私も玲央君が選んだダンジョンなら構わないわ」

「皆……」

こんなに信頼して貰えているんだ。

なら、それに応えるのがファンの役目というものだろう!

「任せて! 皆ならクリア出来る、それでも滅茶苦茶難易度の高いダンジョンを選ぶね!」

「「「「「え?」」」」」

よーし、俺の脳をフル回転させるぞ!

今の皆なら、どこのダンジョンが良いかな……!

「おい美樹也、これはやばそうだな……」

「フ……違いない。この時の玲央は、とんでもない事をしでかす前触れだろう」

「うへぇ……言っといてあれだけど、玲央の場合限界ギリギリを攻めてきそうで怖いんだけど!?」

「リーシャ、私達全員でもクリア出来ないダンジョンは、学園でどれくらいあると思います?」

「私に聞かないで。そういうのを知ってるのが玲央君でしょ。ついでに言うと、多分玲央君は難易度が追加された情報すらすでに加味してると思うわ」

「「「「……」」」」

「よし! 決めたよ皆!」

「「「「「!!」」」」」

この時期の皆でも結構ギリギリで、でも経験値をたっぷり稼げるあのダンジョンにしよう!

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