軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

155話

放雷を受けながらもサンタクロースはシュナイダーを右手で掴むと地上へ向かって放り投げる。

あわや眼下に広がる針葉樹林へ突っ込みそうになるシュナイダーだったが、飛翔スキルを使いピュンっとゼロの背中まで戻ってきた。

もちろんその間黙って見ていたわけではない。自分も黒龍剣を取り出し、まずは足を潰そうとソリをひくトナカイめがけて飛翔スキルで飛びかかった。

全身から煙をあげるサンタクロースがそうはさせまいとこちらへ向かって何かを放り投げてくる。

しかし一瞬こちらの方が早かった。赤い鼻をしたトナカイを黒龍剣で一刀両断し、サンタクロースの投擲してきた何かを咄嗟に左手に装備したフロストシールドで弾いた。

次の瞬間、大爆発が巻き起こりサンタクロースごと地上へ落ちていく。

至近距離での爆発は岩石鎧の効果を一撃で破壊し、全身に痛みを感じた。

どれほど意識を失っていたのだろうか? 気がつくと仰向けに空を眺めていた。背の高い針葉樹の隙間から星空が見える。身代わり人形がなければ危なかったかもしれない。

(いったい……久しぶりにこんなにダメージくらったよ。よく分からない物を叩いちゃダメだな)

視界を遮り、心配そうな表情でシュナイダーがこちらを覗きこんでくる。

大丈夫? と問いかけてくるシュナイダーに、なんとかと答え立ち上がる。

「回復してくれたんだ。ありがとう、シュナイダー」

身体に痛みはなく、岩石鎧なんかの強化魔法もかけなおされている。

周りにいくつかモンスターのドロップアイテムが落ちているのは、助けにきてくれたシュナイダーが倒したのだろう。

これが一人旅だったら一貫の終わりだったな。改めて旅の仲間に感謝だ。そもそも一人だったらまだ日本を攻略してそうだな。

そこでゼロの姿が見当たらないことに気づき、シュナイダーに視線を向け問いかけると、あっちで戦ってると答えが返ってくる。

耳をこらすと、戦闘音が聞こえてくる。自分が気を失っている間、回復魔法を使えるシュナイダーは救助へきて、ゼロが足止めを担当してくれていたようだ。

シュナイダーいわく、気を失っていた時間はそれほど長くはないそうだ。あのゼロがすぐにやられるとも思わないが、サンタクロースのあの爆発する攻撃は中々の脅威だ。

「急ごう」

シュナイダーと頷きあうと、一人サンタクロースと戦っているゼロの元へとむかった。

木々の間を飛翔スキルで駆け抜けていく。針葉樹同士の間隔は結構あいだが空いているため、あまり蛇行せず比較的まっすぐに飛べる。

シュナイダーは魔力の節約のためロケットフィッシュにまたがって飛んでいる。

道中他のモンスターに絡まれては面倒なので透明化でスルーしようとしたが、そもそもモンスター自体が見当たらない。

何故だろう。自分が落下していた辺りにはシュナイダーが倒したドロップ品が転がっていたので、この針葉樹林にモンスターがいないわけではないと思うのだが……

しかしゼロのところへ駆けつけると、その疑問も解消される。サンタクロースとの戦闘音に惹きつけられたモンスターたちが、うじゃうじゃとゼロの周りへ群がっていた。

群がるモンスターを尻尾でなぎ払い、サンタクロースへ威力を抑えたブレスを吐き牽制するゼロ。

その動きは倒すというよりは時間を稼ぐため、力をセーブして立ち回っているように見えた。

「ごめん! おまたせゼロ」

黒龍剣をふりかぶり、ゼロへ向けて例の爆発するヤツを投げようとしていたサンタクロースへと斬りかかる。

こちらの攻撃を見かけによらない俊敏さでかわしたサンタクロースは、狙いをこちらへ変えて爆発物を放り投げてきた。

この攻撃をまともに受けてはダメだということは、身をもって味わっている。こちらも十分な距離をとるようにかわしながら、サンタクロースの投擲物めがけ追尾をかけた業火球を放つ。

業火球に照らされ、サンタクロースが何を投げていたのかが見えた。綺麗にラッピングされたプレゼントボックスだ。

世界一嬉しくないプレゼントが空中で業火球と衝突し、大爆発を起こし土や泥が辺りに飛び散る。

戦場の足元に雪はなく、土がむき出しになっておりデコボコになっている。おそらくゼロのブレスとサンタクロースの爆発物でこうなったのだろう。

シュナイダーに回復と強化魔法をかけなおされたゼロは、こちらへ遅かったなと一声かけると群がる雑魚モンスターを蹂躙し始めた。

周りのモンスターはゼロとシュナイダーに任せて自分はサンタクロースへ専念しよう。

二人にはカッコ悪いところを見せたから、ここらで良いとこ見せないとな。