作品タイトル不明
132話
といっても自分はこれから北へ向かう予定だ。人任せにする以上、信頼出来る人物に相談しなければならない。かなり人選は限られる。というかほぼ一択だな。
「という訳なんだ、カツ君」
『ヒデ、お前色んな物見つけ過ぎだろ。世界の神秘を解き明かすつもりか?』
「いや、そういうつもりではないんだけど……モンスター探してたら遭遇しちゃうんだよ。ほら、やっぱり不思議な現象や何かありそうな場所にはモンスターがいそうじゃない?」
『まぁわかったよ。とりあえず一回そっち行くからどこかわかりやすい場所で合流しよう』
「ごめんね、ありがとう。それじゃあ……」
ふぅ、もっと怒られると思ったが流石はカツ君。ナイスガイだ。合流場所にこの山の近くの町の駅を指定し、場所を確認して通話を切る。
「どうなりましたか?」
「自分の一番仲の良い友人が来てくれることになりました」
それからどういう形で人間と交流をしていくか、ふぶきさんたちと話し合う。雪女に人間、どちらも種の存続の危機だ。良い形で協力していければいいけど。
モンスターが湧いて出る世の中だ。ふぶきさんたちが不思議な存在でも、隠れずに生きていけるんじゃないかな?
見た目は普通の人間と変わりないし、雪女特有の弱点なんかに気をつけるようにすれば大丈夫だと思うんだけど。
交流をもつ場所も問題だよな。外だとモンスターがいるし、あんまり山から離れた場所だと雪女さんたちの移動も大変だ。これはちょっと考えがあるのでしばらくそれで試してもらおう。
「もう夜も遅いし、今日は泊まっていってください」
収納から三人分の布団を出して並べる。お松さんはどうするか聞くと、ガールズトークをするので残るそうだ。扉を開けて外に出ようとすると、ふぶきさんにどこに行くか聞かれた。
「あぁ、大丈夫です。この小屋はまだ結構数があるのでそっちで休みます。ではまた明日」
シュナイダーにお松さんのことをよろしく頼み、ミニログハウスを出る。ないとは思うが万一に備えてだ。話した感じふぶきさんたちからこちらに敵意は感じなかったが、それでも初対面だしな。シュナイダーがいれば問題ないだろう。
収納からミニログハウスを取り出し、鍵を開け中に入る。久しぶりにゼロと二人きりだ。
いつも一緒ではあるけど、サイズ的に屋内で一緒に寝ることはできないんだよな。それでも謎空間にゼロがいるときは一心同体みたいな感じだ。
「おやすみ、ゼロ」
翌日ふぶきさんたちに朝食はどうするか聞きにいくと、なんでも人間がとるような食事は必要ないのだとか。ただ水分は必要らしいので水を出した。これが一番良いらしい。
お松さんも娘さんたちと仲良くなったようで、朝から賑やかな食事になった。何げにお松さんのコミュ力って凄い。ねこさんたちともすぐに仲良くなってたし。
「それでは一度里へ帰って、今回のことを皆に話してきます」
「モンスターは大丈夫ですか?」
「はい。今のところ苦もなく退けられていますので」
「わかりました。気をつけてお帰りください。三日後にまたここで落ち合いましょう」
「はい、よろしくお願いします。ゆき、せつ。行きますよ」
お土産にスクロールをいくつか渡して三人を見送る。火炎系の魔法は省いて、便利そうな物をいくつか選んだ。
山の中に去っていく三人を見送り、カツ君がこちらにつくまで周辺のモンスターを狩ってまわることにした。
「収穫はなしか。しかし南のほうでは冬でも出現するモンスターが変わらないとは」
「南の海はいつか見に行きたいです。お兄さんの話だと凄く綺麗なみたいだし」
「綺麗ですねぇ。そのうち行くことになりますよ楽しみにしておいてください」
ちょくちょく掲示板で情報を拾っているが、中々未登録のモンスターの目撃情報はない。自分がスクロールや装備を配ってまわっているので、人間側の戦力もあがり、今では結構な数のモンスターが倒されているのだが……日本のモンスターは大体登録し終えたのだろうか?
後は期間限定のモンスターとかダンジョンがどれだけいるかだな。
待ち合わせ場所の駅でモンスターを掃除しながらカツ君を待つ。お、あれかな? こちらへ飛んでくるワイバーンを見つけ手を振る。あれは多分シデンだ。