軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

298.アリアケ皇帝は一瞬にして飛空艇を創造する!

298.アリアケ皇帝は一瞬にして飛空艇を創造する!

「さて、それで現状のレメゲトンだがどんな感じだ?」

状況を整理し終わったものと見て、俺が次の話題に移る。

情報担当のバシュータとセラが答えた。

「飛空艇という特殊な空を飛ぶ船に乗り飛び去りました。どこに行ったかまでは確認できていやせん」

「ほとんどの戦力を集結させて発進したようです」

「なるほど、恐らくアーティファクトなのだろうな。今の技術ではすぐに再現は不可能そうだ。とすれば、俺たちも別の手段で空を泳ぐ必要がありそうだな」

「でもアリアケ様、私たちには飛空艇はありませんよ? コレット様も大人数を乗せるのは反対では?」

「そうじゃなぁ。ビビアとかが乗られるくらいなら、ドラゴンの権能を破棄するのじゃ!」

「んだとこのドラゴン娘め!」

「ほう、儂のブレスがご所望か?」

「おほほほ! ダーリンったら大事な時期なんだから、ちょっとは控えなさいよ‼」

「あいたー!」

ガルルルと犬歯をむき出しにして威嚇するビビアをデリアが小突く。

一方の俺はあっさりと代案を提案する。

「別に飛空艇でなくてもいいだろう。アリシア、お前たちが乗って来た大型船があるんじゃないのか?」

その言葉にアリシアはすぐにピンと来たようだ。手を打って頷いた。

「ありますとも。しかも、軍船ですから大砲とかも備わってますよ~!」

ふむ、ならばだ。

「移動しよう。【フリューム王国】の南の港湾に軍船をつけてくれ」

「どうするつもりでしょう、我がパートナー。私の背中に乗って戦うというグッドアイデアを提案しようと思っていたのに」

心無しか残念そうなエリスの声が響くが、それでは俺しか戦えない。

エリスの問いに俺は答えた。

「なに、海を割って自由に疾駆したように、今度は重力を無視して自由を得るというだけの話だ」

あっさりとした言葉とは裏腹に、その規格外の発想に、仲間たちは目を点にするのだった。

「我の主はすごいのう。さすが我の主だのう」

「お姉様の私の主様アピールもなかなか激しいですね。でもさすが先生です! 飛空艇がないならばと、軍船をご自分のスキルで飛空艇にしてしまうんですから‼」

「うわーい! 風がきもちいいいいいいいいいいい‼ さっすがアリアケ皇帝だよお! うわー、このままダイブしたら気持ちよさそうだと思う女王なのでしたああああああああ‼」

「ひいいいいいいいい‼ たけえええええええええええ! こええええええええええええええ! アリアケぇぇええええええええええええ‼ 何とかしやがれええええええええええ‼」

「そ、そうだぞ! 筋肉が震えている! これは筋肉に悪い‼」

「ゲラゲラゲラ! うちの男どもってマジ嗤えるぅ! 高いところが苦手で震えてやんの! あー、うけるぅ!」

「エチケット袋用意しといた方が良さそうねえ」

「はいはい、用意してますよ。勇者様とエルガー様用には10枚ずつ渡しておきますね」

「さすが気が利くわね、ローレライ。ね、ねえ。ちょっとだけでも勇者パーティーに戻ってこない~?」

「おっと、風が強くて聞こえませんでした。ではでは失礼をば!」

「絶対聞こえてるでしょうが!」

賢者パーティー、勇者パーティーの面々が口々に、即席の飛空艇の感想を呟いたり叫んだりしていた。

「さすが旦那様なのじゃ! これで追跡もばっちりなのじゃ! ってか、こんなこと出来るのは旦那様だけなのじゃ‼」

「スキルをうまく使えば誰にだって出来るさ」

「できませんよー? そのあたりの認識不足がまだまだですねー、アー君はー」

「むむむ?」

笑顔で否定されてしまう俺であった。

「ところでアリアケっち。この飛空艇の名称はどうするのだ? やはりこういうのには名前がいると思うのだ!」

「確かに士気を上げるためにも名前は大事なだな。そうだなぁ【 クリムゾンサン(鮮血の太陽) 】というのはどうかな?」

かっこつけすぎか?

そう思って別の名称にしようかと思ったが、

「か、かっこいいです、さすが陛下! はっ、しまった! 勝手に発言してしまった! これはあれですかね、ここから飛び降りないとだめですかね⁉」

「お前が鮮血を降らせてどうする」

俺はパウリナへ苦笑しながら言う。

「あてぃしも良いと思うのだ! 特にあてぃしの特技たる 血(ブラッド) が仄めかされている感じ、魔王的にはテンションぶち打げなのだ‼ それにしても楽々と船を浮かせたり、あてぃしのアリアケ皇帝はさすがなのだー」

どうやら魔王リスキス的にも満足らしい。ご機嫌そうなので、これで行くか。

それはそれとして。

「行先は分かるか、エリス、デュース?」

俺の言葉に二人は頷いた。

「パウリナから放出された赤い魔力は特殊なもののようです。レメゲトンはどうやらそれを採取したようで、その残滓をたどることでおよその方角は探知可能です。しかし、急がなければその魔力残滓も消失していたでしょう」

「ふん、アリアケ皇帝の迅速というか、規格外の力があってこその追跡劇ということだな。べ、別に褒めてないからな」

「ははは、分かっているさ」

俺は笑うが、なぜかデュースは不服そうであった。なぜだ?

「やれやれ。で、アー君。今回奴らを追いかける理由を改めて確認させてもらってもいいですか?」

「そうだな」

俺は乗員たちを前にして、今回の作戦について語る。

「レメゲトンが行動を開始したのは霧のカーテンが消失したタイミングと一致している。同時に、自分と同じ鍵であるパウリナをさらい、奴なりに必要な情報や条件がそろったのだろう。ゆえに、全軍でどこかへ移動を開始した。そこが今回の決戦の地であり、そしてこの魔大陸にまつわる謎を解き明かす答えが眠る場所だろう」

俺は淡々と事実を語る。

「まさかこんな軍船を浮かべて追いかけてくるとは思っていないのじゃ! 追いつかれたらビビッてションベンちびるんじゃないかと思うのじゃ! ビビアが神代でやったみたいに!」

「な、なぜそれを知っていやがるぅ⁉」

確かプララが言いふらしていた気がするが黙っておこう。

「ふ、そうだな。少なくとも犯罪者レメゲトンにそうした役割を任せるのは利口なやり方ではない。奴の居場所は本来牢屋だからな。俺や俺の帝国の重鎮らが赴き、犯罪者レメゲトンを逮捕したのちに、かの地でしかるべき判断を下すのがこの魔大陸、ひいては世界や星にとって良いことだろう」

俺の言葉に皆が頷く。

「行くぞ、みんな。決戦の地へ」

俺の言葉に、全員の士気がこれ以上ないほど高まるのであった。