作品タイトル不明
260.宇宙の命運をかけた戦い、開闢~真の邪神ナイアVS希望の魔王アリアケ
260.宇宙の命運をかけた戦い、開闢~真の邪神ナイアVS希望の魔王アリアケ
「さあ、始めよう、最後の魔王よ。ヒトの救世主として死に、絶望を与える魔王として死ぬが良い!」
「そう簡単にいくかな?」
「ぬはははは! あの偽物の邪神ニクスと比べてもらっては困るぞ? あれは我の部下なのでな! 小手調べなど洒落たことはせぬぞ! さあ、我が本性を見せよう。そして、これに耐えられるか、アリアケよ!!!」
邪神の身体から真っ赤な血しぶきのようなものが舞う。
そのドロリとした塊は徐々に大きくなった。
その身体はみるみる成長し、手足は伸び、体型もこれまでの幼いものから少女のものへと変性し、何百メートルあろうかという大きさまで巨大化する。
邪神ナイアは天蓋か、人類を見下ろす月のように宙に浮き、邪悪な笑みを浮かべながら口を開いた。
「我が体液に溺れてみるか、救世主とその一行よ」
ナイアが自身の身体から、先ほどまで体内にあった赤い何かを雨のように降らせる。
「アリシア、三十四重結界」
「 月(イルミナ) を防いだ時と同レベルですね!」
「大げさだと思うか?」
「いえいえ! 六十八重結界でもいいくらいですとも~!」
彼女は高速で詠唱して、複層大結界を張る。しかし、
『パリン! パリン! パリン! パリン! パリン! パリン! パリン! パリン! パリン! パリン! パリン! パリン! パリン! パリン! パリン! パリン! パリン! パリン! パリン! パリン! パリン! パリン! パリン! パリン! 』
一瞬にして24の大結界が崩壊した。
だが、俺と共に最も長い旅をしてきたアリシアだ。
もはや指示を待つまでもなく、俺の意図を汲み取っている。
「ラッカライちゃん! もしミスったらよろしくです!」
「く、空間は切れませんよ、お姉様!?」
「はいはい。でも、直接防御は出来るでしょう?」
「! なるほど、了解です!!」
『パリン!!!!!!』
そのほんの1秒後には、すべての大結界が崩壊する。月の落下すら防げるはずの防御結界すらなすすべはない。ほとんど相殺したが、全てではない。こちらに到達したときに何か致命的なダメージをもらう可能性が高かった。
だが、
「だいたい予想通りだな」
「ですね!」
俺の言葉にアリシアが答える。
「まずは戦力分析ですものね、アー君」
その通りだ。
と、そんな会話をするのと同時に、
「邪龍一閃・ 肆(し) の型!」
ラッカライが降り注ぐ邪神の赤い何かを、まったく同時に斬り、弾いて行く。
「どうですか、先生! 時間を若干超えて同時に攻撃する技です! 最近コレットお姉様に一撃いれるために修行してたら出来たんですよ!!」
「よくやった、すごいぞ」
「えへへ、先生のお役に立てて僕《私》嬉しいです」
ラッカライがはにかんで答える。
「これは驚いた……。時間を操るのは膨大なマナが必要なのだが。そなたらを呼び寄せるのに資源をどれだけ使ったと思っておる?」
「なら降参してくれるか?」
「まさか!!!」
邪神ナイアは俺たちを見下ろしながら、唇を歪めて嗤う。
「ますます殺しがいがあるというものよ! そなたら救世主一行の敗れる様子を全人類が見れば、必ずや絶望すると確信できた」
「そうか、ならば」
俺は予想通りのナイアの答えに頷くと同時に、
「コレット!」
「了解なのじゃあああああああああああああ!!!!!!!!!」
俺の合図とともに、コレットが渾身の力を解放した。
(続きます)