軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

177.特産品を作ってみよう!

177.特産品を作ってみよう!

『うぎょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!』

『ぎえええええええええええええええええええええええええええええええ!!!』

『ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!』

マンドラゴラを引き抜くたびに、森に絶叫が木霊した。

「うるさすぎて頭が変になりますよ、まったく」

と魔族のルギが言えば、

「へっへーん。この耳栓貸してやろうか? フィネ様、お願いします、と言えば貸してやるぞ!! ぞ! ぞ!」

人族のフィネがからかうように、笑いながらルギに話しかけていた。

「優雅ではありませんわねえ」

「優雅さはどうでもいいです。さあ、仕事ですので、まじめにやりましょう! 下級生の皆さん、きりきり働きましょう! 労働は美徳です! ご飯も美味しく頂けますしね!」

「そことそことそこのを抜いて……」

キュールネ―、ソラ、そしてピノがそれぞれのやり方でマンドラゴラの採集を続けていた。

どうやら、グループごとにずいぶん行動にばらつきがある。種族が違うので指示の仕方も考え方も異なるので当然である。お世辞にも余り効率的には進んでいないようだ。

さて、手助けをした方がいいか?

俺がそう思っていると、フィネが言った。

「っていうか、これ全員でバラバラに探すの効率悪すぎじゃない? なんか、担当分けしてないダンジョン攻略みたいになってるよ」

ほう。

気づいたか。

俺はちょっと感心する。フィネは直感で動くタイプだが、そのセンスは馬鹿に出来ない。

「そうですね。見たところさっきからピノが、なぜかマンドラゴラの植生位置がだいたい分かるようです」

「なるほど。ただ、声が小さいのでちょっと指示がいきわたりませんね。指揮は私がとりましょう。で、私のグループの下級生の皆さんは私の指示を、そのまま他のグループのリーダーに伝えるようにしてください。二人から三人で一組になってください」

「あと、ちょっといいかしら?」

キュールネ―がけだるそうに言った。

「なんですか? あ、指示が私だと嫌だとかそう言う感じですね! これは許せないエルフ差別ですね」

「違うわよ。別に私は非協力的なだけで、あなたたちを見下したりしてるわけじゃないし……」

「え? そうなんですか!?」

「そんなに驚かないでちょうだい。プライドが高いだけ。で、えーと」

彼女(キュールネ―) は腰を折られつつ、言うことを思い出し、

「ピノの移動速度だと採取範囲が狭すぎると思うのよね。だから私の背中にのったらどうかしら」

「まさか、ドラゴンに変身してくれるんですか!?」

「……必要なんだからいいでしょう? それより大声を出さないでちょうだい」

「なるほど。私もちょっとあなたを誤解していたかも……」

「何か言った?」

「いえいえいえいえいえいえいえいえいえ」

ブンブンとソラは首を勢いよく首を横に振った。ちょっと頬が赤い。

ふむ、どうやら、

「出番はなさそうじゃな、主様?」

フェンリルが思っていたことを言ってくる。

「まったくだ。それにしてもおかしいな」

「何がじゃ?」

俺の疑問にフェンリルが逆に首を傾げた。

「勇者ビビアたちを鍛えている時は、連携自体をとってくれるまで5年はかかったし、しかもそれは、非常につたなくて見ていられないレベルのものだったんだが……。こうも早く年端もいかない生徒達が連携を思いついて即座に実践しようとするとはな。余りのことに、正直驚きを隠せないんだ」

俺はまじめな表情で告げた。

すると、フェンリルは淡々と頷きながら、

「主様。時々我は 不遜(ふそん) ながら主様に 憐憫(れんびん) の 情(じょう) をもよおす時がある。許してたもれ」

「?」

何を哀れまれているのかよく分からないが、ともかく、こうして生徒間同士で役割分担を決められ、それは即座に実行に移されたのだった。

結果。

俺の前には、

「うーん、まさか初日から100個以上のマンドラゴラを集めるとは……」

想定を超えたマンドラゴラが採集されていた。

そんなうずたかく積まれたマンドラゴラの前で、フィネとルギが会話している。

「フィネ、あれだけ耳栓を持ってるのはすごいですね……。貸してくれてありがとうございました」

「まぁ事前の準備が大事なんだよ、斥候は」

「おかげさまで腰を抜かす下級生たちはほとんどいませんでした。改めてお礼を言わせて下さい」

彼がニコリと微笑みながら感謝すると、フィネはその笑顔を見て一瞬固まった後、

「お、おう。何だよ改まるなよ、あ、あれくらいでよ~」

と、なぜかもごもごとするのだった。

ふむふむ。

ま、何はともあれ、

「よし、みんなよくやった。これだけあれば十分だろう! 予想以上の成果だ! そして見事な連携だった!」

俺は微笑みながら皆を褒めた。

すると、生真面目なソラが挙手して質問する。

「先生! それで、このマンドラゴラをどうするんでしょうか? 煮ても焼いても食べられなさそうですが……」

「ん?」

どうしたんだろうか、いまさら。

俺は首を傾げてから、

「この国には特産品がないんだ。だから授業の一環として、それを作る素材採集の手伝いをしてもらった」

「「「「「へ??」」」」」」

生徒達全員が、首を傾げた。

あれ?

「もしかして、また、言ってなかったかな?」

俺は大きく首を傾げるが、生徒達からは瞬時に、

「「「「「はい、言ってません!!!!」」」」」

容赦ないツッコミが俺へと刺さるのだった。